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65.雑貨店の女

途中の屋台で肉の串焼きを買い齧りながら。

雑貨と生地の店ビゴーニュへ向かう。

店に客は居ない。

まあ、噂になったので客足も遠のくだろう。

母親が出てきた。

「おう、娘はどうした?」

「はい、生地の届けに出ています。昼過ぎには戻ると思います。」

何か疲れたような影のある女。

なるほどグッと来るな…。

「あの、お昼は取りましたか?」

「いや、途中で軽く食べたダケだ。」

「では、あるモノで何かお出ししましょう。大したものはありませんが。」

もちろんデブなので喜んで頂く。

母親の後ろを歩く。

前を歩く女のケツが…。うん、良いケツだ。

握りたいケツだ。

「あの?なにか…?」

キッチンでおいしく頂きました。(性的な意味でも。)


午後になると娘が店に戻ってきた。

兄貴への手紙と収納スクロール35枚を娘に渡す。

母親の態度で驚いてショックを受けている様子だ。

まるで親の仇の様に俺を見る。

「娘、コレを王国騎士団駐屯所へ持っていけ、俺の名前を出せば無下には返さない。買ってくれるかもしれない。」

「あの、オットー様。私はトリーニアとおよび下さい。」

「まあ、良いだろう娘。早く行け。」

「はい、」

不機嫌そうな娘を見送る。

「オットー様。御用時は終わりましたか?」

「なんだ?イレーネ随分と可愛い服じゃないか?」

「ふふふ、私の様な年増でも可愛いと言ってくれるのですね。」

「ああ、そうだな。エンリケの家族だ大事にしなければ。」

「もう、そんな名前を出さないで下さい。もう忘れました。」

「ダメダ。恩義がある。」

ゲームのNPCだ。助けるコトができたハズなのだ。

「もう、忘れさせて下さい…アッ」



店の奥でキャッキャウフフのお楽しみをしていたら娘が帰って来た。

速いな、追い返されたか?

軽く身なりを整える。

「あの…、買い取って貰えました。」

呆然としている娘。まあ、普通は小さい商店が軍と商売は出来ないからな。

「そうか。良かったな。」

「後払いで証文だけなんですが…。」

軍の補給所の買い上げ証文だ。

なになに、”以下の調達品を金貨350枚で買い上げ、毎年年度末に支払う。金100枚を三年間。四年目は金50枚”スクロール一枚金貨10で4年払いか…。意外と渋いな。

「あの。お金が無いんです!!お店にも!!ドコにも!!昼前の納品も食費の払いに消えたんです!」

声を荒げる娘。

「ああ、問題ない。商業ギルドへ行ってこの証文を預かって貰え。支払い時期に振り込まれる。手数料は向うが計算してくれる。」

「お金ないのに預けるんですか!?売ればお金に…。」

「大丈夫だ。貴族から金貨1000枚の借金とギルドに金貨1000枚と国軍発行の証文金貨350枚分。コレだけ在ればイヤでも貸してくれるヤツは居る。チンケな借金証文も霞んでくる。ツケも効くぞ。」

俺の収納の肥やしの白金貨も出所を詮索されず活用できる。

「この店に作業出来る場所は無いか?」

「奥に小屋があります。使っていません。」

「よし、使わせてもらおう。娘、手伝え。」


店の裏に作業小屋があった、長らく使われていなかった。

店を居抜きで買った時には在ったそうだ。

将来、染色に使えるからそのまま手を付けなかったそうだ。

なるほど道具が揃っている。

簡単な木工修繕ならココで出来るだろう。

「なるほど良い小屋だ。ココで売り物を作る。」

「何を作るんですか?」

「包丁だ。」

「包丁?ウチは雑貨ですよ。包丁の仕入先がありません。買いに来るお客さんも居ないですよ。」

「売り物はある。」

包丁を取り出し。並べる。

「お前はコレが入る収納袋を作れ。数は200だ。生地は店のモノを使えば良い。売り切ったら追加生産する。」

小屋の外で岩を取り出す。

クラッと来た。(グビグビ)

魔力でレンガの形状。長方形に加工する。

岩レンガの山が出来た。

レンガを一個取り、さらに三角錐に切り分ける。

この角度で砥げば刃が付くだろう。

「包丁大小セットでこの砥石付だ。コレなら日用品で雑貨扱いだ。」

「あの…、売れるんですか?」

「商売人は売り先を見つけるのも仕入れを見つけるのも仕事のうちだ。」

「ですが…。」

「お前の親父は信頼されていたので村々の人は生地を売ってくれた、買ってくれる客もいた。不幸にも盗賊に討たれたが。何時までも盗賊が居るわけではない。街道が回復したらお前が親父の行った村に行かなければならない。父親の店を継ぐとはそういうことだ。待っているお客さんが居るのだ。」

ゲームではチュートリアルなので王国から軍隊がやって来て盗賊を追い出す。

主人公と軍隊との得点レースになる。

何時までも盗賊は居ない。どちらかに駆逐される。

「え…。」

「ソレまでに馬と馬車を揃え、護衛を雇う為の資金が必要だ。村々で買い取る資金も居る。雑貨を集める資金もな…。」

「…。」

「この包丁はその資金を稼ぐ為の元本だ。一セット金貨5枚でも売れるだろう。」

「金貨1000有れば全てそろう。店を守るためギルドに預けた金は使えない。親父の作った店の信用はやっと元に戻ったのだ。娘、お前が売るのだ。使いやすく誰でも欲しいと思う丈夫な収納袋を作れ。」

「はい、解かりました。」

「では、包丁の使い方と手入れの仕方を教える。」


娘は真剣に包丁の扱いと特性を聞いている。

研ぎ方のコツもばっちりだ。

良いモノを揃えたのだ。きっと売れる。

一通り教えると娘は商業ギルドへ向かう準備をしている。

昨日の様な暗い表情は無い、決意した顔だ。

俺にとっても良いコトだ。

おかしな物を作っても安全に売り捌くコトがでる大事な店だ。

しかも女将は貴族の情婦。

町のチンピラも手を出してこないだろう。

自然と手がイレーネのケツを揉んでいた。

「止めて下さい。娘が見ています。後で…ね。」

ぞんぶんに楽しんで帰えった。


寮に帰ったら、マルカとベスタが怖い顔で立ってました。


何で解かった…。

J(’-‘)し「トリーニア。お母さんまだまだ女としてイケると思うの…。」

(’-’。)「おかーさんがオッサンにネトラレた!!」


(´・ω・`)イレーネとトリーニアはオットーの歳を知りません。

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― 新着の感想 ―
 いつも楽しみに読ませていただいております。顔文字って凄い。お母さんに見える。
[気になる点] 速いな 早い 帰えった。 帰った。
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