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59.騎士崩れ

「まて!お前!ココでヤルつもりか?」

ロン毛のオッサンが叫ぶ。足を直している。

何時でも切りかかる体制だ。

コチラも問題ない。

「こ!このやろう!!」

赤っ鼻が娘を放しタガーに手を掛けた。

もう遅い。一歩踏み込みタガーに掛けた手首を握り。

「バズやめろ!!」

俺の拳が赤っ鼻の目の前で止まる。

「やめろ、だれだ。コレは商談だ。邪魔はしないで欲しい。」

「おいおい、天下の往来で道を塞ぎ剣に手をかけ商談とはずいぶんと荒っぽい仕事だな。」

赤っ鼻の腕を捻り手に持ったタガーを引き上げる。

「いてえ!いてえ!!折れちまう!!」

痛みでタガーを取り落とす赤っ鼻。

安物のタガーが地面に転がる。

娘はロビンが確保している。

腕を押して足を引っ掛け男を転がす。

「いてえ!!」

「腕を折るのは得意だ。安心しろ未だ折っていない。」

小さく舌を鳴らす、ロン毛。飛び込めば剣の間合いまで三歩だがどうやら迎撃されると覚った様子だ。

話をする気になったらしい。

「その、家には。金を貸している。支払期限は先だが利子の一時払いがある。コレは契約の内容だ。」

「利子の払いは未だ先のはずです!!」

叫ぶ母親。

「ソレは違う!利子の支払い期限は半年以内だが三ヶ月後からは貸手が自由に請求できる。そういう契約だ。」

「そ、そんな…。」

さえぎるロン毛のオッサン勝ち誇った顔だ。

絶望の母親。

「おい、その証文の利子はいくらだ?」

「金貨300の貸付で利子は1年で金貨30だ。金貨30を払うか。娘を働かせる。なに、安心しろスグに払える店を紹介してやる。」

倒れた赤っ鼻ノッポが腕を押さえて立ち上がる。

「このガキ!!」

「やめろバズ!!ソイツに構うな。下がれ!!」

おお、オッサン。俺が踏み込む準備をしているのを見抜いた。

意外にやるなあ。

「おい!!お前ら!!何の騒ぎだ!何をしている!!」

野次馬を掻き分け槍を持った衛士が数人来やがった。

面倒なコトになる。

オッサンの目が険しくなった。

「お前ら!!何を…。あ?ああ~?」

驚いた顔で思い出した、学食で骨を増やしてやったヤツだ。

「よう!久しぶりだな腕はドウだ?痛くないか?」

「おおお、なにうぉなさって。おりますか?」

キョドる衛士、他は部下らしい。

上司の態度が豹変して困惑する衛士たち。

皆に聞こえる大きな声で話す。

「金貨30有れば今年は問題無いのか?」

「ああ、そのとおりだ。こっちも商売だ。」

イラつくオッサン。どうやらオッサンも衛士は嫌いらしい。

気が合うな。

ポケットを探る振りして金貨30を取り出す。

「オラよ。金貨30だ。数えろ!あの男に渡せ。あの男にも確認させろ!!」

キョドる衛士に押し付ける、衛士は震える手で金貨を数え。ゴーレムの様に歩きながら。

オッサンに手渡した。ソレを確認して叫ぶ。

「受け取りの証文を渡せ。」

大きな声で叫ぶ。ビクつく衛士。

「バズ!!渡してやれ!」

赤っ鼻が何か帳面を出して書き込んで切り離した。

衛士に渡す。コチラに着て衛士から受け取り表と裏を確認する。

割符つきの領収書だ。額面、日付もサインも間違いない。

よし良いだろう。

「コレで問題無いな?」

大きな声で叫ぶ。周りの群集が証言者になるだろう。

「ああ、問題ない!!又、来年だ!!」

オッサンが言い放つとノッポと踵を返しそそくさと立ち去る。

やれやれ片付けるか。

「ありがとう。騎士団の方々のご協力に感謝します。」

「あ、あ。や、役に立ちまして光栄でございます!!」

直立不動で敬礼する衛士。

「「「ほら、終わったから散った!散った。」」」

下っ端、衛士が野次馬をコントロールしている。

ロビンと娘の元に歩く。

おおっπ乙カイデ~!!

げふんげふん。

「災難でしたね?」

ニヒルな笑顔で娘さんに語りかける。

「ヒッ!!」

何故か怖がられた。ヒドイ!!

「オットー。何でもケンカ売るなよ。」

マルコがやって来た。

アレックスが喰いつく。

「お嬢さん大丈夫でしたか?」

「あ、ハイ。」

「あの、アレックス様。平民には…。」

「やあ、ロビン君、僕にもそのお嬢さんを紹介してく(ゴッフッ)。」

前髪を触るアレックスを空手チョップで眠らせる。

娘さんが恐れ慄くが気にしない。

「オットー、やめろよ肝を冷やしたぞ。あの男かなりの腕だろ。」

ジョンが声を掛けてきた。

「ああ、王国騎士崩れだな。」

「え?そんなのにケンカ売って大丈夫なの?」

フェルッポがたずねる。

「まあ、相手も仕事だ大丈夫だろ?」

「オットー、お前、騎士に素手で勝とうとするなよ。」

カールだ呆れている。

「大丈夫だ。」

たぶん相打ちになると相手も解かったんだろう。

「あの、申し訳有りません!!このようなコト。」

頭を下げる女、母親であろう、娘に良く似ている。(ムネが)

「まあ、ロビンの知り合いの様だしな。」

「おい、どうする?コレ」

コレ(アレックス)がカールとジョンに支えられて力無く立っている。

どうりで静かだと…。

「お怪我をされている方がお見えなのですか?」

「いや、コレは。」

説明できない所に女に押し切られる。

「コチラで御休み下さい。」

店の中へ案内される。

中は生地を売っている店らしい。

雑貨も扱っている様子だ。

アレックスを長椅子に寝かせる。

ロビンが神妙そうだ。

「あの、トリーニア…。お父さんのコト聞いたんだ。」

「ええ、ロビン。」

「…。」

「ソレで…。あの。僕に何か出切る事が有ったら…。」

「大丈夫よ。ロビン何とかするから。」

笑顔で答える娘。

母親の顔は暗い。

「おいおい。俺にも解かるように話をしてくれ。一応関係者なんだからな。」

笑顔で領収書を見せる。

何故か母娘は地獄に突き落とされたような顔になった。

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[気になる点] 何時でも切りかかる体制だ。 体勢
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