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51.魔法店

ロビンの案内でスクロール屋へ向かった。

町の中心に近い場所だった。

なるほど。町を歩く人の身なりが良くなっている。

ココは貴族の屋敷に近い所だから道も綺麗に清掃されている。


スクロール屋は”ディビスの魔法店”という、宝石を売っているような店構えだった。

お、俺一人では入れない敷居の高さだ。

アレックス、マルコ兄弟は堂々と入っていく。

乳タイプ兄弟はお互いを見て肩を竦めて入っていった。

続いてコソコソ入店する、俺とロビン。

なるほど。スクロールは貴族が使用人に与えたり。貴族同士お祝いに送ったりする者らしい。

値段で考えれば宝石を売っている様なモノだ。

一目で貴族とわかる一団が店長の案内で店の奥に入っていく。

我々は個別に仕切られたパーテーションのカウンターに座る。

ちょっと興味があるな。

なるほど。メニュー表が有って欲しいものを選んで持ってこさせる方式らしい。

店員に声を掛けて質問も出来る様子だ。

メニューに目を通す。

高いな…。

安いものでも金貨4枚~だ。

しかし、竈に火を付けるとか、洗濯物を乾かすとかが殆どだ。

まあ、魔力が無い人でも生活魔法なら使えるからな。

使用人に与えれば仕事が速くなるからちょっとした贈り物ならOKか…。

収納魔法のスクロールの値段を確認する。

うわ。金貨15枚で売ってる。

高いな、あの押し売りババアのスクロール本モノだったのか?

偽モン掴まされても解からないな…。

だから店が高級路線になるのか…。

転移魔法は金貨30。治癒魔法は金貨150。計算魔法?なんじゃそりゃ?金貨25。

安くて面白い魔法は無いかな…。


おお、一時的に集中力と精神力を上げる魔法と言うものがあった。金貨6枚だ。

コレにしよう。店員を呼ぶ。

店員の説明では概ね10分間効果を発揮してクールタイムは無いらしい連続して掛けられるが。

効果が切れると疲労感が出る、疲労感は効果の時間に準じるとの話だ。

まあ。戦闘用のバフ魔法だな。

名前は”ウェルフェッド”当に俺の為に有る魔法だな。

一時的に防御力を上げる魔法も有ったがこっちは高い。金貨30だ。流石に買えない。

さすがだ。立派な店が建っているのには理由があるな。

買うコトを決め金を払い、店員がスクロールを持ってくる。

スクロールを受け取る時。”ココで装備しますか?”と聞かれた。

お約束なのか?

別の席で炎が上がった。

なるほど、そうだな。良く見ると店員がデカイ金属トレーを用意している。

「ああ、持って帰るよ。」

その場で収納する。

コピーはしないが中身を解析したいからな。

それには先ずコピーしないと出来ないが…。

フェルッポが唸っている隣りに座るマルコはうんざりしている様子だ。

「どうだ。決まったか?」

「ああ、全然だオットー。フェルッポが決めかねている。」

「兄さんどっちが良いかな?」

「好きにしろよ。」

おいおい、マルコそんなのでは御夫人の買い物に付いて行けないぞ。

イケメンが台無しだ、絶滅しろ。

「ナニが欲しいんだ?フェルッポ。」

「ああ、オットー。コレなんだ。”鷹の目”と”俊足”なんだけど。」

メニューを見る。

どちらも同じ値段だ、金貨10枚。

一時的に遠くを見渡すことが出来る”鷹の目”と”俊足”は、説明要らんよな?一時的に足が速くなるダケだ。

「うーん、鷹の目は猟で役に立つが。旅に出るか、城でも落とさない限り使う機会は少ないな。」

「俊足は接近戦の時、使えるとかなり便利だ。」

「うーん、そうか~。」

「弟よ、お前両方出来ないだろ。必要なのか?」

「なんで、城を落とすのに”鷹の目”が便利なんだ?」

ジョンの声だ。

乳タイプ兄弟がやって来た。

二人はこの店には興味が無いらしい。

「単純に狙撃に必要だからだ。狙撃が必要な状況が、ハンティングが攻城戦ぐらいしかない。」

「そう言うモノか…。」

「まあ、小隊に一人居ればかなり状況が良くなる。なにせ敵を先に見つけることが出来る。だが全員は要らないな。」

”見える”と”見つける”のには大分ワケが違う。

”見つける”訓練をしないと意外に使えない。

俺は。GUIのMAPを縮小すれば遠くまで見えるだが、効率が悪くなる。

大量の魔力を使って狭い範囲を遠距離サーチできるがイザという時しか使わない。

遠くを見るときは魔法で空気屈折を利用した望遠ズームを作りカバーしているので要らない、俺の”鷹の目”も自分の目が頼りだ。

そういう意味では”俊足”も戦闘時の発動タイミングを掴む訓練をしないと自爆するだけだ。

まあ、逃げるダケに使うなら問題は無い。それなら”脱兎”と言うスクロールが有ったからそちらを買ったほうがいいな。

「よっし!!”鷹の目”にする!!」

フェルッポが決断した。店員に声を掛ける。

店員がホットしたような顔であった。

まあ、若いがどう見ても貴族のご子息の様な連中では店員も対応に困るよな。

店員とやり取りして金を払うフェルッポ。

「ココで装備しますか?」

「はい!」

店員が机の下から金属トレーを出す。

ボッフッ。

フェルッポの手の中で炎が上がる。

「お買い上げありがとうございました。」

お辞儀する店員を後に店を出る。

「”ホークアイ”!!」

いきなりフェルッポが魔法を使った。

クラクラしている様子だ。

「おい、フェルッポあぶないぞ?」

マルコが支える。

「兄さんコレ目が回る。」

「こんな所でつかうなよ。」

アレックスが呆れている。

「あの、フェルッポ様。そちらにベンチが在りますので休憩しますか?」

ロビンが相変わらすゴマすりが旨い。

ベンチに座って休憩する。

「こんなの聞いてないよ~。」

泣き言を言うフェルッポ。

カールとジョンはお互い顔を見て肩を竦めている。

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