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46.銅版印刷

「え?やっぱりハイデッカー様は魔法科でも特殊なのですか?」

マイト先輩がマルコと盛り上がっている。

「まあ、我々の常識の斜め上を行っているのは間違いない。理解が及ばないのだ。」

ひどいなマルコ、俺の魔法は今だ発展途上だ。

「まあ、大・デービス吹き飛ばした時点でオカシイよね。」

おい、フェルッポ。アレは仕方ないコトだ。

「僕は、小・デービスを溶かした魔法に何度も狙われて、どれだけ神に祈ったか…。」

おいおい、アレックス、アレは俺の肉が冷めるから仕方ないだろう。


人のコトを随分と酷く言う連中が盛り上がって解散した。

「明日、集合場所に遅れるなよ!!」

アレックスの元気な声で判れた。

午後からマルカとエミリーが王都でショッピングに出かけると聞いているので護衛にベスタを付けた。

二人には小遣いを渡して在るので楽しんできて欲しい。


そのまま寮に帰った。

寮の作業場を借りて鋼ロンダを行なった。

ココは水場も作業台も在るので作業がはかどるハズだ。

設備が揃っていると焼きいれ焼き戻し工程が楽だ。

兄弟、やっぱ道具だよ。


10本の剣を鋼に変えた。

コレで以前の剣と合わせればかなりの金になる。

しかし足が付くから一緒には売れない。

数日で10本の剣が打ち直されるのも店にオカシイと思われる。

あの親父なら絶対カン付くはずだ。

数回に分けて売った方が良いな。

くそう、苦労の割りに一攫千金が出来ない。


マイト先輩から貰ったマジックインクを取り出す。

恐らく塗装用の小皿に数滴たらす。

サーチするが失敗。

何でだ?

魔力を絞ってサーチする。

やはり、失敗した、魔力を序所に上げて行くと在る一定の所でインクが一瞬で燃えた。

コエー、このインク引火するのかよ。可燃物か?

又小皿に少したらす。

水差しから水を混ぜて薄める。

かき回すが水と分離している。

ウンこのインクは油性だ。

インクと言うからには何か使い道が…。

ああ、スクロールはコレで書かれているのか。

紙に写したスクロールを取り出す。

コレなら発動しない。


作業場の周りを見渡す。

丸まった古いシーツが置いてある。

恐らく切り刻んでウェスに加工するのだろう。

近くの資材端切れ置き場には木片と銅板屑が置いてある。

銅瓦の補修材料の端切れだ。

作業場には銅板を伸ばす為のローラーも置いてある。

まあ、ゴミだから使っても良いだろう。

綺麗に片付けて在るので廃品業者が回収に来るのかもしれない。

シーツをA4ぐらいの大きさに切る。

マジックインクを木片に染みこませて写す。

30分ほどで完成した。

やったね!!スクロールの完成だ。

コレを大量生産すれば…。正直。文字数が多い、めんどくさいな。

大量コピーする方法を考えねば…。

銅屑を魔法で銅板に加工する。

A4よりちょっと小さい、材料が足りなかったのだ。

瓦の油を洗う薬品も有ったので勝手に使う。

油脂を落とした銅版に先ほど書いたスクロールを合わせる。

木の板で合わせてサンドイッチにする。

作業場のクランプでしっかり固定する。

「ふん!!」

大きな魔力を通すとスクロールのインクが燃える。

おお、イカン火事だ。

くすぶるサンドイッチを水桶に投げ込む。

火が消えたので銅版を取り出すと。

文字が転写された銅版が出来た。

コレも拾った釘の先でガリガリと書き込む。

うん、イイ感じだ。擦れた所の修正も出来る。

インクをたらし余分なインクを拭き取る。

切ったシーツと合わせて圧延ローラの高さ位置を調整して転圧する。

シーツを剥がして。やったね!!完成だ!!

銅版印刷で大量生産だ!!

おっと。ココ擦れてる。

ガリガリ。

修正してローラーにセット

「ククク、この技法が確立した暁にはスクロール天国で大金持ちだな…。」

輪転機を廻すだけで大金持ちだ。

まるでお金を刷っているようだ~!!

いや、インクの無駄が多い。

安くインクを作らなければ…。

コレは錬金術で本物の練金ゼニのほうを極めるしかないな。

収納魔法のスクロールを45枚ほど作った。

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