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43.サロン

(´・ω・`)

12/12 キッカリ4000PVありがとうございました~。

狙っても出来んぞ?こんなコト。

エミリー&ロビンと分かれて皆で寮に戻る。

マルカと別れ部屋に向かおうとするとアレックスに呼び止められる。

「ドコへ行くんだいオットー?」

「夕食の入場まで部屋で時間を潰すつもりだ。」

「ならオットー。サロンでお茶しようぜ!」

「サロン?」

「そうだよ、みんな自分の部屋かサロンで時間を潰すんだ。」

フェルッポが何故か威張って言う。

「オットー、昼食がアレだけだと足りないだろう?サロンでは焼き菓子が出るんだ。」

カールが続ける。

いくらデブでもそんな駄菓子に俺が靡くわけがない。

「よし!解かった行こう。魔法の解説で話して置きたいコトも有るからな。」

ホントだよ。菓子に釣られたわけではないんだからね!!



「オットー、良く食べるな…。」

「ハフッハムッボリボリ(なにを言ってるんだ?マルコ?こんなの腹に貯まらないだろう?)」

「あ、オットー。僕のも食べていいよ。」

「(ゴックン)すまない、フェルッポ、ありがとう。しかし上級食堂は味はそれほどでもないが量がアレだな。」

「ああ、そうだね。僕は丁度いいけど。カールは良くぼやいているね。」

「来たばかりのころは味が薄くて量も無いし良く買い食いしていた。」

カールがティーカップを手に答える。

「よく、固パンと干し肉を持ってたな。」

アレックスが昔の思い出を話す。

「今でも持ってるぞ。俺もな。」

ジョンが指摘する。

「えー。」

呆れた口調のフェルッポ。

「フェルッポ。俺も10食分を魔法で収納している。軍人は準備が一番だぞ。」

「オットーも?そうか…。僕も持ち歩くかな。」

何か考え込むフェルッポ。マルコがカップを置いて答える。

「オットーが時々何処かから物を出してたけど収納の魔法なのか?」

「ああ、そうだ生活魔法だ。コレは家に在った本で学んだ。」

押し売りババアから買ったのは説明が難しいので言わない。

「生活魔法か、使用人ぐらいしか使わないだろ?」

マルコが呆れる。”いや、本読んだだけで魔法は覚えられないだろ?”アレックスがツッコミを入れるがスルー。

「う~ん、俺の魔法は全部生活魔法が元だからな。便利だぞ。火を着けたり、水を作ったり、氷を作ったり。」

「生活魔法で氷は作れないよ?」

「アレックスそうなのか?」

「カール、昔、ぼくは御姉様に生活魔法を教えてもらったけど氷は作れないって。」

「おいおい、アレックス。アイスジャベリンで氷作って飛ばすだろ?生活魔法でも氷は作れるぞ。」

ティーポットからカップにお茶を注ぎ、その上に水の球を作って冷却する。

氷が出来たらカップに落とし魔力操作で回転させる。

魔法で水を作る(集める)と魔力が残っているので出来る。

ティースプーンが要らないから便利だ。

氷の解ける音がする。

皆が呆れる中でフェルッポが抗議する。

「アイスジャベリンは上位魔法でみんな使えないよ!!」

うん、冷たいお茶も悪くない。カップを置き隣のマルコに聞く。

「マルコそうなのか?」

たしか、ゲームではレベル40ぐらいで覚える魔法だ。

「ああ、そうだな宮廷魔術師見習いの合格基準の中にアイスジャベリンが在ると聞いた。」

「オットーもしかして使えるのかい?」

アレックスがたずねる。

うーん使えるけど。思ったほど威力は無かった。

しかし俺が使ってるアイスジャベリンがはたしてこの世界のアイスジャベリンと同じものだろうか?

思案していると皆が別の意味に受け取った様子だった。

「やっぱりオットーは宮廷魔術師を目指したほうが良い。」

「いやいや、俺はそんな陰謀渦巻く伏魔殿で一生闘争するのはイヤだ。」

「そうかなあ、出世しそうなんだけど。」

マルコの意見だ。

「どうせ俺が宮廷に入ってもムカつく貴族や役人吹き飛ばしてクビになるだけだ。」

「なんとなく、解かるな。」

ジョンが言う

「そうか?軍に入っても気に入らない上官だって居るだろう。」

「そうだな、マルコうまく事故が起きるだけだから問題ない。」

「えー。僕やっと卒業が何とかなりそうになって来たのに。オットーが部下なんて殺されちゃうよ。」

「大丈夫だ、フェルッポ。トロいヤツしか事故は起きない。世の中そういうモノだ。」

「弟よ。卒業できるのか?」

「うん。座学単位は試験で何とかなるし実技が揃えば春にはギリギリ卒業単位が揃うんだ。」

「おめでとうフェルッポ。」

「ありがとう。カール」

「フェルッポ、おめでとう。ケガに気をつけろ、特に足元にな。」

「ありがとオットー。でも君が言うと何か不吉な気がするから止めてくれ。」

「俺達も何とかなりそうだな。」

「そうだなカール。座学単位は殆ど取っているからな。」

「俺達はこのままなら春には卒業で入隊だ。」

「ええっ?みんな卒業に成るのかい?オットーは?」

何故か焦るアレックスに答える。

「俺は未だ入学したばかりだ。何もしていない。」

「そうだよね。でも途中入学なんてめずらしいよね。」

「そうなのか?親父に学校に入れと言われたから入っただけなんだ。まあ、家でゴク潰ししても仕方ないからな。」

「家庭教師だったのかい?」

「いや、独学だ。本で覚えた。」

「入学試験はどうしたんだ?」

「校長と教授の面接だ。出席も実技単位も不要でレポート提出で卒業審査だ。」

「なあ、オットー。独学では魔法は出来ないだろ?」

「皆そう言うがこんなモノは気合と想像で何とかなるぞ。全部、生活魔法の応用だ。」

「いや、生活魔法で電撃はでないだろ?」

「電撃は電位差による電子の動きだから空間に電位差作ってやれば普通に飛ぶぞ?まあ、目標の上空に向かってイオン化した大気の回路が出来れば勝手に落雷が起きる。」

両手を広げて電位差を作る。

悪魔マージさんのように両手にアーク光を作る。

ココは俺に任せろバリバリ!!

寮は学校じゃないから問題無いモン!

「いや、えーっと。オットー?ソレは魔法なのか?」

「見たか?」

「ああ、見えたが解からん。なんだ?あの構成は?」

「俺の魔法は生活魔法の延長でこの世の定理を利用して魔法で操作しているだけだ。この学園で俺は知らない魔法と錬金術を学んだらサッサと軍に入るつもりだ。」

「直接光を見ちゃったよ。目がくらくらする。」

「オットー、レポート提出だけで卒業ってそれは生徒じゃなくて研究生扱いだぞ?」

驚くアレックスとマルコ。フェルッポは両目を押さえてメガーメガーしている。

乳タイプ兄弟は外って置こう。

「そうか?ソレは知らなかった。校長からは入学を許可するとは言われたんだ。」

しかし、レポートか…。何を書こう?カレーの作り方で卒業単位もらえないかな?

「おいおい、オットーは何時でも卒業できるのかい?僕だけ残して?」

「アレックス、授業は真面目に受ける物だ。」

乳タイプの大きいほうが言うアレックスに言う。

「ぼく、卒業しても行くとこないんだよね。領地の片隅の田舎で小役人するしかない。」

一人拗ねたような口調になるアレックス。

「逆玉を狙えば良いだろう?宮廷で女しか居ない家の婿養子を狙え。」

カールが随分と成功率の低い提案を出す。

「そんな都合の良い縁組は無いよ。腐っても喰えなくても公爵家の男子なんだ。吊り合う相手も居ない。」

どんどん拗ねるアレックス。

「そりゃ大変だな。宮廷魔術師を目指せ。何れは大臣だ。」

「オットー、そんな才能と頭があったらこんな所で腐ってないよ。」

「よし、じゃあ町で商家の娘を引っ掛けて若旦那だ。」

ジョンが良いコトを言う。確かにコイツの顔なら金持ちの娘をコマすのに最適だろう。

「そんなのガラの悪い連中しか寄って来ないよ。」

叫ぶアレックス。

「大丈夫だ。叩きのめせ。」

拳を見せてアレックスにアドバイスを出す。

そうだ!拳で話せば何とかなる。

「オットーが言うとホントにやりそうだから怖いな。」

フェルッポが言う。何故か隣りのマルコが納得している。

おい、俺はそんなに乱暴者じゃない。

「しかし、フェルッポが卒業か…。二年でとは大したものだな。」

ジョンが誉める。

「頑張ったんだ。実技がダメで苦労してたけど。オットーのお陰で何とかなりそうだ。」

得意げに話すフェルッポに言う。

「おお、それはスゴイなフェルッポ。しかし。ソレはお前の能力だ。」

「オットーにとっては遊びの様なモノだが随分と助かった。あのマグは家宝にする。」

カールが答える、そんなのではお宝鑑定で子孫が恥を掻くぞ。

「ああ、又一年通わないと行けないかとヒヤヒヤした。」

ジョンが随分と安堵している。

そういえばココの授業料高いのか?俺は出していないからOKだが。

「まあ、大体は3年で卒業だからな。アレックスはもう4年だ。春には卒業出来るだろ?」

「授業の単位は在るけど実技が全然だ。僕はもっとココで遊ぶつもりだったんだ…。」

随分と暗いアレックス。

「俺も三年で卒業だな。ああ、ココは5年まで在籍できる。ソレが出来ないと強制退学。再入学はできるが…。」

マルコが答える。

うーんつまり。

「なるほど、アレックスが先輩で。マルコとカール&ジョンが同じ年度入学でその後にフェルッポと言うことか。」

皆が頷く。

「マルコは卒業するだろうと思ったけど、カールとジョンはもう一年やるだろうと思ってたんだ…。」

「ヒドイな。」

「いや、実際危なかったからな。もう一年通うと親父に手紙を書こうか迷っていた。」

「ぼく一人になっちゃうよ…。」

「俺が居るだろアレックス。」

胸を張って優しく語り掛ける。笑顔と白い歯を忘れない。

「いや、それだと。ぼく、殺されそうだから。」

ヒドイなおい。

ちょっとショックだ。

「おっと、僕の順番だ、お先に失礼するよ。」

アレックスが席を立ち食堂へ向かう。

「よし、では俺も。」

「いってらっしゃい兄さん。」

「やれやれコレからが長いんだ。」

「オットー、俺のクッキー食べていいぞ。」

「おお、すまんな、頂こう。」

「ああ、俺のも食べてくれ。」

うん、ホクホク顔でクッキーを頬張る。

小麦粉と蜂蜜&油で練ってハーブを加えて焼いてある普通のクッキーだ。

「まだ夕食も在るのに良く食べるね。」

「ああ、問題ないフェルッポ。こんなもの朝飯前だ、腹の足しにもならない。」

呆れて目を合わせるフェルッポと乳タイプ兄弟。

しかし、いかんな最近は運動不足だ。

そろそろ朝のメニューを始めたほうが良いな。

問題はドコでやるかだ。

「カールは毎日、剣の鍛錬をやっているのか?」

「ああ、もちろんだ。」

「俺も付き合ってやっている。」

「ドコでやっているんだ?」

「寮の中庭が鍛錬場になっている。日の出から使って良いことに成っている。朝食に遅れないようにするのがルールだ。」

「あと、うるさくしないコトもな。」

「なるほど…。中庭か…。」

よし、明日は早く起きて鍛錬するか。

「さあ、俺達に回ってきたぞ。」

「いくか、じゃあな。」

「いってらっしゃい。」

「オットーも剣術をやるの?」

「いや、王国の剣術はどうもなれなくてな。徒手格闘戦が主だ。」

「徒手って?」

「素手でぶちのめす。」

「それじゃあ勝てないでしょ。」

「魔法もケンカも戦争でも何でも手に在るモノで目的を達成するには頭を使うんだ。相手の弱点を突く。ソレが勝利のカギだ。」

「ソレは騎士としてダメでしょ?」

「何を言ってるんだフェルッポ?俺達は魔法使いで騎士じゃない。騎士のルールに合わせる必要は無い。遠慮は要らない。正面から魔法を打ち込めば良いし後ろから切りかかっても誰も文句言わないぞ。」

「そうか、そうだよね、僕らは魔法使いなんだ、ああ、昔は騎士にあこがれて軍隊に入ろうと思っていたんだ。」

「まあ、魔法剣士なんて面白いかもな。」

「魔法剣士?面白そうだね。」

「たぶん、戦力的には中途半端だろうがな。」

「ははは、わかったよオットー、よ~し、僕の番だからいってくる。」

「はい、いってらっしゃい。」

「さてと。」

一人になってしまったのでテーブルの上のクッキーを魔法収納する。

魔力かレベルで収納数が増えるのはゲームのままだ。

待てよ?アレックスはゲームに出ていたがマルコは居なかったな…。

乳兄弟は居たかな?

名前の出ないNPCの三兄弟は居た、のっぽとチビと黒髪チビ。

もしかしてマルコが卒業して。

フェルッポがカール&ジョンとつるむ様になった。

三兄弟の出来上がりだ。

学園始めにゲーム内のオットーと敵対した主人公(俺)にアレックスが忠告するんだ。

”平民には平民のルール。貴族には貴族のルールがある、貴族にはメンツが重要だ、でも行き過ぎはいけない。うまく折り合いを付けてくれ。”

あれはアレックスが主人公に警告する意味ではなく第三者の主人公に”上手く納めろ”と言う意味だったのでは?


そういう意味では主人公の入学は来年の春か…。

今までのコトを思い出せ。

ゲームのオットーには年下の婚約者が居て攻略対象だった。

オットー的にはNTRだったがオットーの失態で婚約破棄された後の話だ。

ソレらしき人間は居ない。

コレも来年春の入学かもしれない。

いや、その前に婚約者の話は親父に聞かされていない。

未だ決まっていないのかも知れない。

もしくは俺の行動の結果、婚約自体が無いのかもしれない。

俺の行動の結果、NPCの三兄弟が卒業してしまいどんな影響が出るのか…。

いや、影響が出るのは主人公だけだ。

本当にそれだけだろうか?

最後の学生が席を立って食堂に向かった。

サロンには俺だけだ。

席を立ち食堂に向かう。

悩んでも仕方ない。

どんな結果になっても状況打破するしかない。

たとえ主人公と敵対することになっても。


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