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40.特別食と尋問

朝の日常を潜り抜け。

教室の中に入る。

良かった、流石に何もない。

俺はロビンの隣りに座るがロビンの顔が憔悴しきっている。

確かにあの、ポーション屋のオネーさんはアレだった。

だが青春のDT力を使い切る程の物ではなかったハズだ。

良く見るとミッソカス共も磨り減って覇気が無い。

こいつら…。ドンだけ昨晩はオタのしみなんだよ!!

授業を受けるが今回は水系統だった、

水は範囲が広いが今回は初級魔法のウォーターボールだった。

ウォーターハンマーとウォーターカッターの触りもある。

なんで、こんなに効率が悪いんだ?

疑問に思うが話はしない。

鐘が鳴り。昼になる。

「おーい、オットー飯に行こうぜ!!」

叫ぶアレックス。

「解かった!!」

反射で逃げるロビンを押さえ込む。

「オットーさあ、めんどくさいからそんなに下に座るなよ。」

「ああ?ロビンが捕獲できないだろ?」

気絶したロビンを振り回す。

「オットー、何で何時もロビンを振り回すんだ?昨日の午後は”ロビン”と書いた鉢巻をした奴隷が座っていて教授が当惑してたぞ。」

マルコが聞く。

音量を落として話す。

「コイツ、酒に混ぜると女が落とせる薬売ってる店を喋らないんだよ。」

「マジかよ!!締め上げろよ!!」(アレックス。)

「おまえらなあ…。」

呆れるマルコ。よし忠告しよう。

「おい、マルコ。軍に入って出会いが在ると思うなよ。」(ヒソヒソ)

「あ!?」

「上司の紹介で上官の行き遅れの娘を押し付けられるだけだぞ!!」(ヒソヒソ)

いきなり参加するジョン。

「いいか、猟犬共、今は玉石混淆の時代だ、良い宝石を見つけるんだ!!」(ヒソヒソ)

カールも参加して随分小物臭い悪の帝国が出来上がる。


「で、今日はどうするんだ?オットー?下級食堂か?」(アレックス)

「僕は下級でも良いよ」(フェルッポ)

「ああ、すまない、実は今日は奴隷とは離れて食事することになった。」(オットー)

「ふぁっ!僕の心の女神を!!」(アレックス)

「おまえ、この前メイヤー女子に声かけてイイ感じだっただろ?」(マルコ)

「え?じゃあ、麺料理は無し?」(フェルッポ)

「お前なんで今更、下級食堂に?」(カール)

「いや、僕軍人になる。割と本気で。」(フェルッポ)

「おい、弟!ついに決めたのか?」(マルコ)

「ソレは良かったな?所で俺は未だ上級食堂で飯を喰った事が無いんだが、どんなルールだ?」(オットー)

「「「よし解かった!!今日は祝いだ」」」(ミソッカス共)

気絶したロビンを引きずって。

上級食堂の門を潜る。

いきなりギャルソンに迎えられる。

「アレックス・ワイヤードだ、あとは友人達と従者だ。従者は話があるから席に着かせてくれ。」

「はい。かしこまりました。」

「おい、アレックス、コレは何の冗談だ?」

「あ、オットー、僕が一番の上位だからコレは僕の顔を立ててくれ。」

「アホ草、」(カール)

「全くだな。」(ジョン)

丸テーブルに座る。

テーブルクロスも高級感がある。

ロビンは気絶したまま座らせた。

「本日のメニューでございます。」

メニュー表に記入にてあるが。

肉か魚かしか選べない様子だ。

「肉で。」

アレックスが答える。

「畏まりました。」

メニューを閉じて立ち去るギャルソン。

「ああ、オットー。出てくる順番が違うだけで。ココのメニューは有って無い。面倒ならお任せと言え。」(ヒソヒソ)

隣りのカールがテーブルのナプキンを広げ首に架けながら教えてくれる。

「なんだそりゃ?」

「ココは高級料理店ゴッコで、恥を掻かない様にする練習場だ。貴族のパーティゴッコも在る。」

おいおい、ヒドイな。

「しかも、階級持ち専用さ。酒も出ない。」

さらに向うに座るジョンが肩をすくませながら説明する。

「俺は大衆食堂の方が好みだが、ココの飯代は高い学費に含まれている。」

カールが苦々しく答える。

なるほど、だからアホ草なのか…。

だがカールその発想は貴族じゃないぞ?

「はっ!!ココは?」

ロビンが起きたようだ。

「おはようロビン昼飯だ。」

「え?ココ。」

「お前の好きな上級食堂だ。」

「あの、オットーさま僕の身分では入れないのでは…。」

「ああ、そうだな。請求書が来たら回しておくから安心しろ。」

一人ムンクするロビンを無視して。

給仕とワゴンがやってくる。

皆の席のグラスに黄色い透明なジュースを注いでいく。

一礼して下がる給仕。

「では、揃ったし、始めよう。ようこそオットー。この面倒な世界へ。」

グラスを掲げるアレックス。

皆も倣ってクラスを掲げる。

ロビン、ぎこちないぞ。リラックスしろ。

ああ、そうだなアレックス。俺は面倒な異世界にいる。


ジュースは生姜の蜂蜜漬けの水割りだった。


「お口合わせでございます。」

給仕が皿を置く。

「生ハムのボートです。」

薄いセロリの茎の様な植物の上に刻んだ生ハムとトマトがオリーブオイルであえてある。

なるほど、ソースを湖に食材をボートに見立ててるのか?

しかし2隻では少ないだろ

一瞬で撃沈する。

「前菜でございます。」

皿が下げられ次の皿が出てくる。

四角い一センチぐらいの厚さのゼリー寄せだソースが掛かっている。

「野菜と豆のパテ、ハーブソース掛けでございます。」

うーん、何だろちょっと塩が濃いな。

長期保存用か?

流石にアレックス以下ミソッカスは優雅に食べている。

ロビンはぎこちなく食べている。

一応家でマナーを仕込まれている様子だ。


「スープでございます。」

一皿の量が少ないので直に出てくる。

「カボチャの冷製スープでございます。」

うん、ポタージュスープだ。

クルトンは乗ってないが生クリームが掛っている。



「白身魚のフリッターホワイトソース掛けですバケットのパンはお好みでどうぞ。」


フリッター(てんぷら)だが衣はカリッとしていない。

白身魚に脂が乗っていない。

パサパサしている臭みも無い。

なんだろう?王国には海が無いからパーチだろうか?

ひょっとしたらブラックバスか?デカイ、ブルーギルかも…。

ホワイトソースが少し甘辛く味付けしてある。

バケットの中にパンが数個入っている二人でカゴ一つの様だ。

何時ものヤツより小さくて柔らかい。


「メインの鹿のローストバターソース掛けです。」

皿に薄く切ったローストが三枚乗っている、芥子と蒸した根野菜が脇に添えて在る。

やっと肉だ。

赤身の脂身がないそのかわりソースが脂ギッシュでパンにも良く合う。


「デザートの梨の白ワイン煮です。」

あの毎朝でる果物だ。

梨だったらしい。

あまり甘くないがハーブで煮てある様だ清涼感がある。


「王国製のお茶です。」


くつろいだ時間が来る。

何となくせかされている様な印象がある。

アレックスが口を開く。

「なんか、学園の食事って熟れないんだよね、家族と食事する時はイロイロ話しながら食べるから。学園や軍学校出の者との会食は優雅ではないと姉上が言っていたのはこういうので癖が付いちゃうんだろうね。」

なるほど、そう言うものか?

早寝早起き速飯速糞は武士の務めだと聞いていたんだが。

マッタリした時間が流れる。

さて、ロビン君の尋問を始めるか。

両手の肘をテーブルに着き指を交差して口の前に持ってくる。

第○東京市の指令のポーズだ。

デブがやると様にならない。

「さて、ロビン。今日君を呼んだのは他でもない。休日王都見学ツアーに付いての相談だ。」

「みんな行くだろ?次の休み?」

ニコニコしているアレックス。

ミソッカス共が頷く。

「あの、何でこんなに大掛かりなんですか?」

震える声のロビン。

「ソレは女の買える店も含まれて居るからだ。」

「おい!!そんな話ここで、」

驚くマルコ。

「知っているんだろ?ロビン。」

「はい、知っています。しかし。」

「そうだな。元締めの息の掛っていないところで下級貴族も利用するちょっと高めの安全な所とかは?」

「は…い。知ってます…。」

「おいおい。」

喜ぶジョン。

「それホントかよ!!」

拳を握り締め立ち上がる。フェルッポ

「しっ声が大きい。」

「では、奴隷が売っている店は?」

「うっ、知ってますが…。」

「紹介状か?裏の店か?」

「紹介状は…。」

「金で何とかなるんだな?裏の店はお前の友人の顔が効くんだな?」

「…。」

無言のロビン、顔から脂汗をかいている。

「では、裏の魔術師が利用する店も在るな?呪い関係の店だ。」

「はぃ、そうです。」

ついに観念して自白する、被疑者。

「フフフフフフ、ロビン君、俺の目に狂いは無かったよ。」

よし!ゲームと変わり無い!!勝った!!拳を握り笑う。

「なんかオットーってスゴイ悪党だよな?」

「そうだな。今更だがな。」

うるさいぞ。カールとジョン。


「さて、皆の者、休日の計画を立てようじゃないか?」


計画はまとまらなかった。

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