368.卒業2
さて、アレから日が進み遂に卒業式の日に為った。
学園に残る者は休みなので俺は特に登校する必要が無い。
しかし、マルカが進級して、ミソッカス共が卒業するので校舎の前で式典が終わるのをベスタと共に待っている。
なお、研究員身分だった俺に入学式も卒業式も関係が無い。
おう、俺だけ仲間外れだ、卒業の指輪を作る名誉を貰って終わりらしい。
精々派手な指輪を作ってやる…。
怪光線が出るくらいのヤツをな。
さて、卒業生の式典は昼前には終わるはずだ。
終わったら打ち上げでミソッカスとサンピン共でエールを食べるコトになっている。
ミソッカス共はその後一旦実家に帰るはずだ。
荷物はもう既に運んだか馬車に積んだと言っていた。
時間が近づき、エドとデーニックがやって来た。
うん?ロビンが居ないな。
「「こんにちは。オットー様」」
「おう、休み中にすまんな。ロビンが見えない様だが…。」
「え?あの。」
「オットー様。ロビンは…。」
校舎からゾロゾロと出てくる生徒達。
マーモット達だ。
「あ、オットー様!」
鉢金の一人が叫ぶ。
たしか10番の金髪だ。
「おう、おめでとう。我がクランの生徒よ。集まれ!!」
手を上げると整列して膝を付き王国式最敬礼を行なうマーモット共。
全て番号順だ。
オシリスキーのモーガンが先頭に成っている。
モーガンの奴、よく訓練したな正直引くわ。
「面を上げよ、コレより我がクラン”放課後図書室研究会”は解散する。」
「「「え!!」そんな!」何を。おっしゃる。」うさぎさん…。」
これまた騒ぐマルタ。
いや、だってお前等もう、実験するコト無いし。
「まあ待て、俺は新学期から教職に付く。その為。君達は優秀な生徒としての見本に成らねばならない。」
視線が集まる実験体に対して話す。
「無論、新入生に対しての話だ。教師は生徒に平等でなければならん。所属の有無で!出生で!評価が変わるなど在っては成らん!」
でも、青い血は優先です。
「クランのナンバーズ共!優位を示せ!俺が君達に教えたコトが無駄でなかったと示さねばならん!!君達の修練の結果が俺の評価なのだ!!わかるか?」
「「「はい!解かりますオットー・フォン・ハイデッカー様」」」
うん、良いぞ、其れでこそ訓練された社畜だ。
「ふむ、良いだろう。立て魔法使い共。お前達は魔法使いだ。」
一斉に立つ魔法使い。
真剣な眼差しだ。
何か偉そうなコトを言わなければ成らない麩陰気になった。
「諸君、コレからはただ魔力を扱うダケでなく魔法を…。唯の力の誇示で無く多くの人々の為に使用するコトに成る。
君達は未だ魔法使いとして学ぶコトが…、この広い世界を知る為の経験を積まねば成らない。
学園だけでは無い。この世界の全ての現象を理解して、それらを使う者が魔法使いなのだ。
知識と経験を積んで身を建て名を上げなければ成らない。
そして家庭と守るべき子孫。
意志を繋ぐものを助け育てなければ成らない。
君に取って学園の生活とはこれからの人生に置いてほんの一瞬でしか無い。
君達は特別だ、この学園と言う中で切磋琢磨し、共に成長した特別な絆で結ばれている。
この学び舎で生まれる絆だ。
悩み、迷い、下らないコトでも語り合った兄弟なのだ。
俺は君達と共に成長できたことを誇りに思う。
これからは君達が魔法使いである意味を考え、胸を張って生きる人生を歩んでほしい。」
一発ぶったが反応は何も無しだ。
何だよ、適当に考えたのはダメなのか?
しかし、すすり泣く少女の声に始まり泣き始める魔法使い達。
おう、校舎の外の麩陰気で最悪です。
「オットー様!俺は、俺達はオットー様に指導して頂き大変、光栄に思います。教えていただいたコトは絶対に忘れません!」
何故か咽び泣くモーガン。
え?ああ、そうか?良かったな。
これ、どうすんの?
上手く収めよう。
「さて、未だ今生の別れではない。が、今から君達は魔法使いだ。ココで分かれよう。明日会う時は教師と生徒だ。」
「「「はい、了解しましたオットー様」」ぐっすっ。」
「では、わかれ!」
意志を胸に振り返らないマーモット、いや、魔法使い。
さあ、明日からは春休みだ。
新入生の入学試験で学園は休み。
俺も寮の部屋を明け渡す必用が在るが。
明後日まで猶予が在る。
フラン先生は早く引越しの日取りを急かしていたが。
大丈夫、まだ。焦る時間ではない。
マルカとエミリーが合流した。
もう少し時間が在る。
「マルカ、進級おめでとう。エミリーも済まなかった。」
「はい、ありがとうございます。」
「いえ、当然のことです、私とマルカはペアなんです。」
言い切るロリ。
すまんな。女の友情でキャッキャウフフだ。
非常に絵になる。
コレからムサイ男の友情劇が始まるのに…。
昼になり、校舎から式典用のコートと帽子。
卒業盾を持った制服の一団が出てきた。
その中にミソッカス共を見つける。
手を振るフェルッポ。
「おう。ココだ。」
「やあ、オットー待たせたね。」
前髪がウザイ。
トーナメントで優勝してから得意毛なアレックス。
絶対潰す。
無論朝練でボコっても直に復活する上、同じ手が通用しない分、性質が悪い。
まあ、その朝練も今朝で終わった。
「そうだな、ココを立つのには未だ時間があるのだろ?」
「ああ、最後の帝国料理だ。」
「しばらく王都には来れないからな。」
「僕、王都の師団に入ったから、休日は遊べるよ。」
「弟よ、恐らく最初の数週間ダケだ。後は遠征だぞ?」
それぞれの進路がある。
もうその道は俺と交差する事は少ないだろう。
「そうだな、その為に皆に餞別を用意した。ココで贈ろう。」
「え?何だい?オットー」「なになに?」「オットー貰ってばかりだな。」「良いのか?」「家宝が増える。」
勿体ぶって収納から出す。
ミスリルの魔法剣だ。
エンチャントは俺流で。凶悪だ。
「まあ、こんな時世なので剣を用意した。俺が魔法で作った剣だ。」
「「「おおお。」」すごいな。」
「では1人2本ずつだ。拵えは違うが中は一緒だ。状況に合わせて使ってくれ。
軍用の拵えと、煌びやかな選べる5色を収納から出す。
アレックスは赤いのだ。鬼回避だからな。
しかし配る前に一つ聞いておく必要がある。
「ロビン、何だ?その格好は?」
ロビンは式典用のコートと帽子&卒業盾を装備している。
馬子にも衣装だ。
「はい、オットー様。私は卒業して叔父上の部隊に入隊が決りました。」
「おめでとうロビン。俺から逃げられると思うなよ?」
「ご安心下さい。オットー様。軍でお迎えします。」
あ、コイツ。階級が抜かされるまで安泰だと思ってやがる。
少尉候補なんて伍長と同程度だ。
歴戦の伍長の方が偉い時もある。
一番厳しい時期に俺から逃げる気だな?
「そうか…。実はロビンが卒業だと知らなかったので何も餞別は用意していない。」
エドとデーニックを見るが目を逸らす。
コイツ等…。
「いえ、とんでも無い。お気遣いは嬉しいのですが私の様な者には不要で御座います。」
「まあ、良いだろう。めでたい席だ。」
仕方が無いな、簡易治癒タグ強化型(真鍮製)が余っているのでソレを渡そう。
「ロビン。コイツを渡そう、治癒の魔道具だ首から下げて握って魔力を通せば発動する。使ってくれ。」
そうだ、握ってくれ。
「はっ、ありがとうございますオットー様!」
素直に受け取るロビン。
あ、コイツ明日からは立場が逆転すると思ってるな?
まあ、良いだろう、ミソッカス共に向き直る。
順番に2本づつ渡してゆく。
「へえ、良い剣だね。」
「ありがとう、オットー。」
「悪いな。」
「うむ、家宝に相応しい。」
「大事にする。」
それぞれ受け取るミソッカス共。
「拵えは違うが中身は同じ剣だ。軍務と式典で使い分けてくれ。一応、魔法に拠る強化が掛けて在る。」
「おお。魔法剣!!」
「凄いよ!兄さん魔法剣だって。」
「オットー良いのか?」
「家宝にする。」
「オットー…。変な仕掛け無いよね?」
何故か警戒する前髪。
「アレックス。俺が考えた便利魔法だ。先ず。この魔法剣は魔力を通すと柄の魔石に魔力を蓄え、”高周波振動”を起こす。」
「”KOU”何だって?」
「”高周波”だ、まあ物が良く切れる。後、裏技で洗濯桶に漬けると汚れが落ちる。但し繊維にダメージを受けるから着衣を洗うのは注意しろ。」
「え~。何かヤダ。」
「オットー本当に剣なのか?」
「水に漬けたら錆びるだろ?」
疑わしげなミソッカス共。
「マルコ、基本は切れ味を高める仕掛けだ。あくまで裏技だ。お湯に漬けて剣を突っ込むと汚れが良く落ちる。剣は錆びないから安心しろ。」
ステンレス鋼だからな。
「後…。この鞘と鍔は対に成っている。鍔の魔石に魔力を通すとどんな状況でも鞘と鍔が合わさる。」
「え?どういうこと?オットー。」
「アレックス。カッコ良く鞘を捨て戦っても鍔に魔力を通せば鞘が飛んで来る。逆も在りだ。但し、鞘をしっかり持ってないと失敗するぞ?」
「え~オットーどうなるの?」
「よく解からんな。」
混乱するミソッカス共。
「説明しよう。応用編だ。相手を牽制する為に鞘を投げる。そして相手が剣と鞘の軸線上に乗ったら鍔に魔力を通す。そうすると戻って来た鞘が相手の背中に激突する。」
「えーなんか卑怯。」
「鞘が紛失しないのは便利だと思うが…。」
「家宝を投げるなんてとんでもない。」
「なお、魔力の掛け具合で飛ぶ力が変わるから。鞘が固定されていると剣だけ飛んでいく。しっかり持っていれば体ごと飛んで行くハズだ。ソコラ辺の加減は良く試してくれ。」
腕力勝負だが鞘を”何か”で固定すれば握力が持つ限り鞘に向かって剣が身体を引っ張り飛んでいくコトになる。
上手くやればブーツストラップの替わりに成るだろう。
むろん。法螺吹き男爵の方だ。
ピンチはアイデアと独創的な方法で切り抜けるのだ。
それが人間の資質だ。
終わりよければ全てよし。
さて、最後の重要なコトだ。
「この剣はある種の魔法生物に致命的な効果を発揮する。又、効果の薄い者も在る。ダメなら他の手を考えてくれ。」
「なんだい?オットー。魔法生物って?」
「あーそうだな、アレックス。ゴーストには効かないがアンデットには効くかもしれない。試してないからな?」
「アンデットに効くのか?」
驚くマルコ。
「ゴーストは教会の…。神の加護が無いと効かないからな。」
そういう物なのか?カールは母親が教会関係者だと言っていたからソコラ辺は詳しいかもしれない。、
「まあ、そんな所だ。良い防具を怠るな。コレは心構えの問題だ。」
「「「解かったよ、オットー」」」
「よし、では。飯にしよう。今日は皆のめでたい日だ。無礼講で帝国料理で乾杯だ。」
「ああ、そうしよう。」
「おう。待ってたぜ。」
「僕、米のエール。あ、でも帝国パンも食べたいな。」
「ああ、良いぞフェルッポ。色々頼もう。皆で分けるのだ。」
「弟よ、帰りは馬車だ、控えろ?」
そのまま予約済みの店に進む。
予約席に付くと直に乾杯だ。
一瞬で空に為ったグラスが並ぶ。
早くも酒の入ったアレックスが上機嫌だ。
「あ!オットー。僕はガーズの指揮官だから週末暇になるんだ。誘ってよ?」
「良いぞ?アレックス。しかし良く近衛兵団が通ったな。」
「うん、オットー。最終面接で、オットーから貰った指輪の話が出たんだ。この指輪は誰から貰ったんだって”友人から貰った、お守りだ。”って言ったら眼鏡の年配のメイドが頷いて王宮警護士官候補生で…。選抜だって。あ。コレ。内緒の話ね?」
うかつなアレックス。
話すなよ、そんな重要なコト。
「おう、凄いなアレックス。大出世だ。」
カールがもう既に出来上がっている。
完成乳タイプ兄弟に知性の在る目は無い。
「そうか…。アレックス。俺が作ったとは誰にも話さないでくれ、面倒な仕事を頼まれそうだ。面接で外に何か在ったのか?」
優しく、情報を聞き出す。
「解かったよ、オットー。それだけ。僕の剣と魔法の腕に期待するって。あ。コレも内緒にしていて。僕。王子の身辺警護の隊長になる予定なんだ。」
「そうか、良かったな。」
「ああ、そう言えば、トーナメントの優勝パーティで王子とマーガレット妃様と合ったんだ。」
おう、そうか。優勝しなくて良かった。
「ほう、凄いな…。と言っても寮監のロールパンの姉だな。」
「そうだね、色々大きかったけど…。」
うん知ってる。
「不敬な話に成りそうだから止めよう。」
「そうだね…。あ。あの時のお付のメイドだったんだ面接の時の。」
「まあ、アレだよ。きっとアレックスの面接はパーティの時から始まってたんだよ。王族の身辺警護に相応しいかどうか?」
陽気なフェルッポ。
「そうだろうな。弟の言うとおりだろう。アレックスその時に言ったのか?近衛兵団志願だって?」
「うん、言ったよ?父上に紹介されたんだ。王様にも近衛団長にも。」
「なら決るのが早いな。」
「そうだね、近衛兵団に入るのは軍学校でも順位が上の者優先だから。」
なるほど。フェンデリック兄弟の解説だ。
1位を倒したアレックスの腕なら上級貴族でも障害に成らないのか?
「ああ、パーティの時も随分と指輪を気にしていたな。デービス卿の…。奥様が。」
ほう、そうか、言葉を選んで答える。
「魔法の指輪は珍しいからな。」
なるほど、優勝すると厄介だな。
「ああ、そうだぞ?家宝に相応しい。コレで家も自慢できる品が増えた。」
ペースの速いカールが乱入する。
空のグラスを持って知性の目をしていないカールにピッチャーから注ぐジョン。
「カール。使ってこそ道具だぞ?」
「勿論だ。」
ジョンの忠告に胸を張って答えるカール。
「ダメだな。」
「ああ、そうらしい。」
諦め気味のマルコとジョン。
皆での宴会が終わり。
学園前に戻った。
馬車が犇めき合っている。
寮生達の退去の為、各家の従者が走り回っている。
皆、自分の馬車の前に進む。
「じゃあ、オットー。週末ヒマなら呼んでよ?」
「ああ、アレックス。また合おう。」
走る馬車から手を振るアレックス。
「色々ありがとう。感謝している。貰ったものは家宝にするからな。」
「オットー、済まなかった、助かった。百万の感謝を!軍で待ってる。」
「ああ、カール、ジョン。軍で合おう。」
馬車の窓から別れの握手をする。
出発する。
「オットー。先に軍で出世しておくからな。」
「オットー、頑張って。」
「ああ、マルコ、フェルッポ。身体に気をつけてな。軍で合おう。」
「じゃあね。オットー」
「オットー。あまりおかしなコトすると放校になるぞ。」
馬車から箱乗りで身を乗り出し手を振るマルコとフェルッポ。
取り残されたのは、ロリロリくっコロ、サンピントリオだ。
「さて、解散しよう。ロビン、卒業おめでとう。」
「はい、ありがとうございますオットー様。」
「軍では背中に気をつけろ。」
一応忠告しておく、足を引っ張る奴が居るかもしれない。
「はい…。あの。何かたくらん…。」
「何を?」
「いえ何でも在りません!」
直立不動で敬礼して立ち去るサンピン共。
誰も居なくなっってしまった。
マルカとベスタ、エミリーに向き直る。
「皆、学校での生活は未だ残っているが、感謝の言葉を言いたい。ありがとう。」
頭を下げる。
「はい。この身が尽きるまで御使い申し上げます。」
「あ、はい。あの。ありがとうございました。これからもおねがいします。」
「オットー様。礼など不要です。当然のコトです。」
頭を下げる新自由民と胸を張るエミリー。
「さて、エミリー済まないが…。立会人に成ってほしい。」
「はい、何でしょうか?オットー様。」
「コレからの話だ、予定では来年に俺が卒業であったが。何故かもう既に卒業してしまった。新学期は俺はこの学園で教職を取る。」
「はい。聞いております。」
「なので、約束通り、マルカとベスタの解放を行ないたい。その証人に成って欲しい。」
「はい。解かりました。」
畏まるロリ魔法使い。
「さて、ベスタ。お前の首輪を外そう。」
「あの…。私は一生奴隷でも構いません。」
「うむ、そうだが俺にも予定が在る。ベスタ。自由民に成れば生まれた故郷に帰るコトも成し遂げてない事も出来る。これはお前の意志で人生を決めるのコトなのだ。君の意志を尊重しよう。」
「私は、解放されても、オットー様にお仕えしたいです。」
「そうか、ではお前は奴隷ではなく俺の配下のベスタだ。名を改めたいなら申し出よ。」
「私はオットー様の女でベスタです。」
「よし、解かった。”解除”」
収納から出した書類に解除の魔法を掛ける。
ベスタの首、首輪を外す。
無くなった首輪の重みを確かめるベスタ。
膝を付き敬礼する。
「我が名はベスタ。一生オットー様に御仕え申し上げます。」
「うむ、ベスタ。俺の為に良く働く様に。」
「はい!!」
元気良く立ち上げるベスタ。
マルカに向き直る。
「マルカ。何か道は見つかったか?」
「あの…。何も無いのです。このままでも私は構いません。」
「そうか、ではこうしよう。君の成しえなければ成らない事を全て俺が被ろう。マルカ。君は俺の女として家に入り、子を産み育て。家庭を築くのだ。」
「え、あの。はい。それが良いです。」
戸惑いながら了承する、カルロス・ペニャーリア帝国第八皇女。
「そうか、では。君を解放しよう。」
書類に解除魔法を掛け首輪を外そうと手を掛ける。
「あ、ぃゃ」
「どうした?マルカ。」
「あ、はい。どうぞ。」
抵抗したが諦めた素振りのマルカ。
首輪に何か思い入れが在るのだろうか?
外した首輪から目を離さない。
「あの…。オットー様。その首輪は頂けませんでしょうか?」
む、自由民は資産が持てる。
しかし、与える物の一番がソレでは…。
あと。この首輪の紋章を解析したい。
「う~む。」
思わず考える、”奴隷がものほしそうに”では無いが…。
「うむ、機能を解除した後なら譲っても良い。未だ効果の在る魔道具は危険だ。」
「はい、解かりました。待ちます。」
頭を垂れるマルカ。
「マルカ!ベスタさんおめでとう!!」
エミリーは嬉しそうだ。
「エミリー、我が配下で自由民のマルカとベスタだ。仲良くしてやってくれ。」
「はい!もちろん。」
キャッキャッウフフの女達。
友好度フラグが仕事をしたので俺のハーレムに解放奴隷が加わった。
ベスタとマルカだ。
マルカ、君の業を全て受け入れよう。
君はもう何も苦しむ必要は無い。
必ず君を…。
君と君の家族を奪った者を見つけ出し。俺の手で決着を付けよう。
君が成し遂げなければ成らない復讐と苦悩を全て俺が代行しよう。
血と狂喜に濡れるのは男の仕事だ。
(´・ω・`)復讐始めました。




