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366.遊び人の|金《キム》さん

(´・ω・`)ゲリラ投稿!

卒業も近いので皆、と言うか特に卒業の決ったミソッカス共が浮かれている。

フェルッポはギリギリだが下手を打たなければ問題は無い。

軍への志願も済んで入隊日も配属先も決っているらしい。

ソレまでは特にやる事も無い。

俺はレポート提出も終わり、”軍で使える便利な魔道具”開発に忙しかったが。

ミソッカス共と遊ぶ程度の暇は在るので遊びには付き合っている。

まあ、遊ぶ先はダンジョンなのだが…。


「フェルッポ!!今だやれ!」

「任せて!!」

フェルッポの剣が黒ミノ太の心臓を貫く。

上手く、あばら骨の間を抜けたらしい。

メイスを持ち上げる黒ミノ太に反応して素早く引き抜き地面を転がるフェルッポ。

コレで終わりだ。

メイスはフェルッポの踏み込んだ場所の地面へ空しく刺さるが、転がって避けたフェルッポは次の攻撃に移る為既に構えの姿勢だ。

呼吸音が錆び付いた音になり咳き込む黒ミノ太、涎に血が混じり泡を吐いている。

どうやら肺もやったらしい。

血で溺れたミノ太は一歩踏み出しそのまま倒れた。

「ふう。」

「「おめでとうフェルッポ。」」

「ありがとう。皆。」

コレでフェルッポは単独で標準ミノ太複数でも黒ミノ太を撃破したコトになる。


今はダンジョンの地下3Fに相当する場所だ。

地下1Fは完全に制圧して我が結界の中なので魔物のPOPは起きない。

あの大部屋モンスターハウス意外は。

大部屋には大量の炭化したミノ太とイイ感じの牛ロースト、そして窒息したミノ太の山。

中央には、恐らくミノ太をPOPするための紋章が在った。

召喚魔法陣か魔物合成陣なのかは未だ解析中だ。

外周は悪魔紋章で魔力を集める紋章が多いので何処からか転送されているワケでは無さそうだ。

一方通行移動魔法陣なら可能性があるが…。

研究の為に大部屋は保全してある。

POP魔法陣は動作停止させているが、何時でも起動可能だ。

解析が終了したら利用用途を考えよう。


まあ、何にせよ大量の魔石と無傷ミノ太が大量に手に入った。

思い出す、一人で大部屋を片付けようと、ドアーを開けてカンテラで中を照らしたらカンテラが消えた。

熱は完全に無くなっていた。

部屋の中の炭素が酸素を吸着してしまうので、新鮮な空気を入れないと窒息死だろう。

風魔法で空気を入替えたらタイミング悪くミノ太がPOPして戦闘に…、強力リング魔法で首を飛ばして瞬殺した。

焦って飛び込むと罠が在るかも知れないからな!

その後の罠の探知とアイテム回収、大部屋掃除で真っ黒に成ったのが思い出だ。

もう、部屋にメガ粒子砲を打ち込むのは止めよう。

溶けた部屋の壁には屑ルビーが大量に入っていた。

やったね!翔ちゃん。人工ルビーだよ!

ついウッカリ出来てしまった。

ソレよりココ、アルミ鉱山かよ!

塵肺が怖すぎるな。

「オットー収納して先に進もう。」

マスクを下ろし、話す前髪。

アレックスが殺る気だ。

「ああ、そうだな。」

ミソッカス共にマスクを配ったが皆、邪魔そうだ。

乳タイプ兄弟は戦闘時には外している。

あの世界の花粉マスクを参考にしたが…。効果が在るかは微妙だ。

帰ったら肺洗浄の治癒のお札を配ろう。


はい、収納、黒ミノ太一丁。

黒ミノ太は肉が美味い。

教会に持ち込むと皆が喜ぶ、目蓋の裏には喜ぶ邪教の子供達と…。恍惚とした司祭の顔だ。

イラッとするな…。

まあ、コレも銭の為だ。

「次は僕がやるからね?」

「じゃあその次は俺だな。」

出しゃばる前髪とカール。

「カール。俺にやらせてくれ。」

「ジョン、さっき遣っただろう?その次は俺の番だぞ?」

「マルコは団体の相手で出ただろう?」

何故か皆、戦闘狂になっている。

うむ、良いコトだ。

「なんか冒険者って面白いね。軍を退役したら冒険者になろうかな?」

「フェルッポ、退役したら最低でも準男爵が貰えるんだ。年金で生活出来るぞ?」

呆れるジョン。

まあ、上級貴族の子弟だソレ位は貰えるだろう。

「じゃあ、趣味で?」

「そうしたら、家の領内で指名依頼だすよ。」

同じく呆れるカール。

「その頃に魔物が残って居ればな。」

俺が言う、たぶんカールとジョンで狩り尽くすだろう。

戦闘狂だからな。


赤ミノ太が出たので皆で倒した。

偶に俺も参加するが大概は魔法で一撃だ。

剣も使うが時間が惜しい。

2Fの大部屋には標準ミノ太と黒ミノ太POP魔法陣が有った。

扉が壊れていたのでモンスターハウスには成ってなかった。

恐らく漏れた黒ミノ太が3このフロアに居る、ミノ太に遭遇する頻度が減っている。

ソレなら。ココには赤ミノ太POP魔法陣が在るはずだ。

違いで解析が進むだろう。

黒ミノ太と標準ミノ太の魔法陣には差が無かった。

意外に同じ魔法陣で設定か何かが違うのかも知れない。

問題は”その何か”だ?


3Fを制圧して4Fへと続く道に扉を作った。

赤ミノ太魔法陣を発見して停止させ、部屋を結界で封鎖したのでコレで3Fは安全地帯だ。


学園に戻り皆と別れた。

未だ、日が高い。


赤ローブを着て邪教の教会へと向かった。



教会(墓地)の門に立つ、見上げる丘の上の陰気臭かった教会の外観が綺麗になっている。

恐らく肉を分けてもらった住民が奉仕しているのだろう。

感謝の奉仕と言う奴だ、”金は出せませんが働きます”と。

職人を一人呼んで大の大人が数人集まれば大概は何とかなるからな。

丘を登り邪教の砦へ歩む。

収納のGUIにはミノ太列が占領して見苦しい、正直何とかしたい。

問題は、邪神教会の処理能力を超えている数が収納にあるのだ。

一気に放出したら俺の冥府ポイントがカンストしてしまう…。上限は知らないが…。

ソレは嫌だ、収納のミノ太を減らすには邪教教会の効率を上げるしかない。

司祭一人の手では難しい、司祭の仕事もある。

ブッチャー技能は名人級だ、信じられないが本職は司祭なのだ。

最近は肉の加工に子供達も手伝っている。

住民も参加して革加工だ。

教会の入り口前にかなりの住人が集まっている。

肉の配給日に当たってしまったのか?

タダ肉が貰えるのだ、人が集まる。

面倒な時に来てしまった。


門の前では住民と子供達。

司祭は先頭に立って…。

町の兵と言い争いをしている。

なんのトラブルだ?ハードラックでダンスの日か?

教会を取り囲む痩せた兵達の中に金ぴかの兵が数人、その中に金ぴかの小男が居る。

「おう、司祭殿なんの騒ぎだ?」

「「あ、お肉の人だ。」」

子供達が騒ぐ。

「あ?お前がこのさわgじゅいおおあせふkじ」

俺の顔を見て焦る代官代理。

「久しいな代官代理。司祭殿も息災か?」

「ふぁ!ふぁい!!」

直立不動になる悪代官。

「おお。遊び人の(キム)さん。実は…。」

「そそそ、ソレはちょっと待って下さい!!」

司祭の言葉を遮る代官代理(ガナドル)相変わらずの金ぴかだ。

代官代理の態度で動揺する兵達。

なるほど…。困ったコトになっているらしいな。

「では当事者同士で話をしよう。司祭殿、小部屋を借りたい。」

「はい、判りました。中へどうぞ。」

「では、代官代理。行くぞ!」

「ふぁっ!ふぁい!!」

兵を割って押し通る。

中には俺の顔に気が付いた兵も居るようだ。

青い顔をして道を開ける。

「「お肉の人。」」

住民も不安毛の顔だ。

「大丈夫だ。話をすれば判る」

笑顔で答える。

代官代理の顔が脂汗に塗れる。

教会の中、礼拝堂の隣りには小部屋が有った、懺悔室なのか?

狭い部屋の中にはテーブルと椅子が4個在るだけだ。

「さて、何故こうなった聞かせてほしい。先ずは司祭殿からだ。」

「あ、ああの。」

何か言いた毛な悪代官を遮り話す司祭。

「遊び人の(キム)さんから魔物と塩の寄進を受けて、干し肉を作り、屑肉等はスープとして礼拝の日に皆に振る舞い。干し肉を飢える人々に分け与えておりました。」

「なるほど。」

「ソレで人が集まりすぎてしまいました…。」

なるほど解り易いな。

「うむ、では代官代理殿。」

「ふぁ!ふぁい!住人からの通報で町に怪しげな肉が流通していてソレが墳墓教会からの肉だと突き止めました!!肉の元を突き止めねばなりません!」

「ほう、それは捨てて置けん話だな。代官代理。」

「はい!!」

目を見るが、泳ぐ。

コレは、嘘は言っていないが、何かを隠している。

どうせ、”住人からの通報”は出入りの業者で、金色の菓子を貰った相手だろう。

「なるほど。良くわかった。」

「は、はい。ありがとうございます。」

安堵の深呼吸をする悪代官。

困ったな。ココで肉の供給を停止させる訳にも行かない。

係る人間が増えすぎた。

何せ未だ収納の中は牛天国だ。

ミソッカス共に金を払う必要もある。

「うーむ。」

腕を組み考える。

「所で代官代理殿はご子息、孫は居るか?」

「はい、息子と孫が居ます!!」

「よし、ではこうしろ。ウェーイw」

皮手袋をして、机の上、ハンカチで手元を隠し、収納から銀のインゴットを取り出す。

「40に分かれよ。」

そのまま10を収納する。

ハンカチを外すとテーブルの上には銀のインゴット30個で約30kgだ。

「ココに銀のインゴットが在る。代官代理はコレを元手に商館を作れ。俺の商館だ、役員と番頭の人選は任せる。」

「は?はあ。」

「司祭殿はこの商館が食肉加工場を建てるので助言と指導を頼む。」

「え?いや、教会の仕事がございますので。」

「教会で育った子供達を働かせろ。住民を手伝わせても良い。賃金を出そう。入った獲物は全て祈祷を教会に依頼する。祈祷料も出そう。」

「ああ、はい、そうですね。」

合点が入った司祭殿。

「職人が育つまでは司祭殿に骨を折ってもらう。まあ、ソンナに時間は掛らないだろう。」

「し、しかし!ソレでは!!」

黄金色の菓子が貰えなくなる代官代理がいきり立つ。

「代官代理は俺の商館の…。役員を選出しろ。ギルドに言って革と肉の加工を俺の商館を通す様にしろ。あまり強要するなよ?他の商館が騒ぐからな。」

「何故?そんな事を!」

「出来るのは革と肉だ、ココの兵達は随分と痩せているな。どうだ?代官代理殿。俺の商館から買わないか?安くはしないが…。役員報酬はたんまり出そう。文句の言いそうなヤツは息子を役員にしてしまえ。代官が換わっても俺の商館から買いたくなるだろう。」

「は、はい。そうですね!!」

意味が解り俄然ヤル気を出す。

甘い汁が出る話だ。

「報酬は山分けで。番頭はしっかりした者を付けろ?後の取り分で文句が出ない様に帳面はシッカリと、だ。」

「はい!それなら適任がおります。」

経費を差し引いた兵の食料予算が山分けなのだ。

肉が余れば何処かに卸してもよい。

寝ていても金が手に入る。

代官のやる気漲るのも無理は無い。

労働力は教会が出す。

無論賃金も出す、教会に金も入る。

「あ、あの、問題は塩の入手先なのですが…。」

何かに気が付く悪代官。

「あ?」

「塩はコノ町では王国の専売制です。流石に我々も口を出せません。」

「そうか。困ったな。」

「はい。販売の形式を取ると王都の塩屋が出てきます。」

「塩か…。」

「今は王都で調達するコトに成っておりますが…。」

なめしや干し肉でかなりの量が必要になる。

「昔はお隣のハイデッカー領でも調達したと聞いていますが?」

司祭が訪ねる。

そうだな、ハイデッカー領には岩塩採掘場はある。

今は領内の使用分しか採掘していない。

南方に大きな岩塩坑が見つかり王国の専売制に成ったのだ。

販売権は在るが、効率が悪いので売っても金額で太刀打ちできない。

「そうか。未だ生きている専売証は無いのか?」

「在ると思いますが…。王都の塩専売商が商品を売って頂けるのでしょうか?」

「ハイデッカー領で手に入るかもしれない…。問題はどうやって移動するか…だな。」

ココは一応王国の直轄地だ。

書類上の税を誤魔化すことは出来ない。

「あの、よろしいでしょうか?」

司祭が手を上げ発言の許可を申しでる。

「なんだ?」

「目録ではダメでしょうか?」

「あ、」

合点が入った悪代官。

「なんだ?ソレは?」

「先ず。寄進者の遊び人の(キム)さんが目録を書きます。この場合は塩の数量ですね。ソレを教会が受け取りサインをして、教会の贖宥状(しょくゆうじょう)を発行します。遊び人の(キム)さんはその目録を受け取り手に入れた物品に目録と贖宥状(しょくゆうじょう)を付けて教会に納めます。」

「ほう?」

「物品は教会の持ち物なので物自体には税が掛りません。運び賃や人足に掛る税は必要です。寄進者が運ぶ必要も在りません。寄進者は贖宥状に書かれた品の代金と手数料を商人に払い商人が教会に物品と贖宥状を納めるコトが多いです。」

一旦話を切る司祭。後はどうでも良い様な口ぶりに変わる。

贖宥状(しょくゆうじょう)は寄進日と認定印が押され寄進者が教会に来た時、又は商人に渡され寄進者に返されますが…。教会の保管され教会に飾られる場合が多いですね。」

なるほど、通販のプレゼントラッピングか?

「オッ、げふんげふん。キムさん、目録が教会で受け付けられた時点で。品物は教会の物になります。現物は後か先かの話は有りますが、王国内の移動なら問題は起きません。無論、塩のまま市場に出なければ。と言う制約はあります。」

むせる悪代官、司祭に尋ねる。

「ほう、教会で消費しているコトにすれば良いのか?」

「はい。元々は、教えを説く者が寄進を受けた時や、遠くの信者の寄進物を送る仕組みです、長い道中で届かない悲しいコトも起きます。届けば減っているコトも多いです、味見ぐらいは問題無いハズですが。」

悪代官を見る司祭。

「それ位は…。ああ、営門の検品分は欲しいですな。同じ塩が市場に出ない様に監視せなばなりません。」

「ソレは寄進の量に…。まあ、富める者は飢える者に分け与えねば成りません。」

悪い笑顔の司祭。

「よし、数は揃えよう。」

俺も同じ笑顔になる。

親父に手紙を書けば何とか成るだろう。

”遊び人の(きむ)さんと言う男が教会に寄進を行ないたいので銭を払うからブツを用意してくれ”と書くだけだ。

”相場で損の無い金額で売ってくれ、代理の者が取りに行く”と言えばいくら親父でも断らない。

「クククク」「ハハハハハ」「フハハハハ」

話が纏まったので狭い小部屋に悪人共の笑いが響く。


「では、未だ生きている専売証で動いていない商館には心当たりが在ります、金でカタが付くと思います…。と言うかソノ商館を買い取った方が早いですな。」

「なるほど、強引な手になるのか?」

「いえ、ソコの男を役員にすれば良いと思います、私の息子の嫁の兄になります。昔はハイデッカー領との交易を行う大きな商店でしたが、身体を悪くして今は小さな商店です。」

なるほど…。信用できるのか?

コイツは意外と身内に甘そうだ。

「ソレで行こう。」

何か在ったら代官代理の責任にしよう。

「あの…。その男の息子は。若いですが堅実な男でして…。番頭にどうでしょうか?」

神妙な顔になる悪代官。

なるほど、身内が大事か。

「帳面をシッカリしろよ?本物と偽物の帳面が在る店は潰れるぞ?」

「そ。ソレは勿論でございます!!必ずや利益を皆に約束します。」

力強く言い切る代官代理。

「ココまでお膳立てしたのだ。頼むぞ?代官代理殿。みなの幸せの為だ。」

釘は刺したので手を差し出す。

「はっ!皆の幸せの為です。」

強く握る悪代官。

「はい、皆のしあわせに…。冥府の王に誓いましょう。」

ソノ手にそえる司祭。




細かい話が終わり笑顔で外にでる。

「出てきたぞ!」「どうなったんだ!」

住民と子供達の不安毛な目が集まる。

「おい!お前達!ココは問題が無かった。帰るぞ!!」

「「は、はい!!」」

悪代官が叫ぶと兵達が整列する。

「申し訳ありませんでした司祭殿。」

「いえいえ、コレからもよろしくおねがいします。」

「ええ。わかりました。私は仕事が出来たので失礼させていただきます。遊び人の(キム)さん、任せて置いてください。」

「ああ、頼んだぞ代官代理殿」

「では。おい!急いで戻るぞ!!」

代官代理は30Kgの布に包まれた錘を物ともせずに担いで歩く。

重そうだが兵が助けようとすると怒って触らせない。


「あの、司祭さま?」

兵達が立ち去った後、少女が司祭に訪ねる。

住民も狐に摘まれた様な顔だ。

「みなさん、誤解が有ったのですが遊び人の(キム)さんのお陰でソレも説かれました。ささ。皆でお祈りを始めましょう。」

「「はーい」」

「「「キムさんありがとうございます。」」」

住人達が安堵の表情になる。

「さあ、さあ入って。」

「司祭殿、それで、今日は黒いミノタウロスを狩って来たのだが…。」

「おお。ソレはすばらしい。」

「「わーいお肉~。」」

「では今日は皆で冥府の王へ魂を贈る儀式を行ないましょう。中々無いことですよ。」

「「「おおお~」」にく~」

喜ぶ邪教の信徒。

「お。おう。ではミノタウロスを出そう。」

祭壇に黒ミノ太を出す。

初めて見る住人は驚いている。

司祭が話す。

「遊び人の(キム)さん、我が使途墳墓教会は貴殿を助祭に任命しましょう。」

「いや、要らないぞ?」

俺は邪教とは関係が無い。

と言うか関係したくない。

「仮で御座いますが目録に対して贖宥状を発行する事ができます。」

なるほど…。事務上の問題か。

「ソレは便利そうだが…。」

「はい。後で司祭が認定する必要がありますが。大体は納品をされた時です目録と贖宥状が合っていれば殆ど認定されます。この場合は私が認定しますが…。まあ、長旅での散逸は良く在るコトです。」

「そうか…。」

「冥府ポイントが溜まれば…。遊び人の(キム)さんなら、後は弟子が必要ですが…。直にでも司祭に成れます。」

正直なりたくない。

「では、新しい助祭さまに感謝の祈りを。」

司祭が椅子に並ぶ住人達に祈る。

「おい!ヤメロ!!」

ソレに続く邪教の使途たち。

「「「遊び人の(キム)さんに冥府の王のご加護を。」」」

祝うな!!

続く邪教徒たちの祈り。

黒ミノ太の魔石が反応して何らかの術が発動した。


俺の冥府ポイントが上昇したハズだ。

GUIには

”冥府ポイント 6685(職階:助祭)”


おい!なんか増えてるぞ!!

職階(ジョブランク)って何だ!


俺は無職(NOJOB)だ!!

(´・ω・`)京都の町を歩くと。”ゲリラから文化財を護ろう”といふ古い看板を見ました。

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