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38.課外授業

疑惑の眼差しのまま学園の門を潜り。

食堂で銅のマグカップを洗い(ロビンが。)

水差しに飲料水を持って(ロビンが。)

図書室のドアを潜った。

皆が揃っていた。

「おっと来たね。みんな揃っているよ。」

アレックスが机に座っている。

皆席に付いて待っていた様子だ。

何故かロリの顔色が悪い。

「あら?今日は生徒が多いと思ってたけど、貴方が集めたの?」

NPCのみつ網どじっこ司書。

めがねをしていない。

晴々した笑顔だ。

泣き顔も見たい。

「すまんな用意に戸惑った。」(ロビンが!!)

長机にバラバラに座る面々。

まさか、この俺があの台詞を言う時が来るとは。

意を決して言う。

「はい!じゃあ二人組み作って!!」


兄弟と乳兄弟はすんなり決まったがやっぱり。

アレックスが黒髪ロングのオリエンタルロリに迫り。

撃退された。

身を隠す様にオリエンタルロリとロリが組んで。

一人に残ったアレックスは錯乱して、NPC司書に迫った。

あまり嫌そうじゃない司書。

アレックスを暗殺者チョップで静かにさせる。

「ああ、アレックス、お前はロビンと組むんだ。」

「え?男と?いや、どうせ組むなら乙女の方が…。」

腰のナイフに手を掛ける。

「はい!!ロビン君と組みます!!」


4組のペアを机に向かい合わせに座らせる。

8個のマグカップを並べ8個の低級ポーションに魔力を充填する。

くっそ。充填悪いな、流石、水増し劣化ポーション。

マグカップに低級ポーションを空けハーブの種を一つまみ。

水を入れてマドラーで廻す。

「あの!図書室で飲食はいけません!!」

NPCのエロ司書が抗議する。

怒った顔もイイ。

「ああ、実習だけで飲まないから大丈夫です。」

「ええ、それならOKです~♪」

なんかちょろいな。

「はい、全員に行き渡ったな?」

皆、目の前にあるマグカップを不思議そうに見ている。

「はい、両手平でマグを支えながら持ってください。」

全員が同時に同じ動作をする。

「ハーイ、マグの中の液体には魔力が宿ってます。暖かく感じる人は火の属性ですが。冷たく感じる人は水とか、氷ですがこの際、個人の趣味の問題なので関係ありません。」

首を傾げているロリとロリ。

「目を閉じて手のひらに集中して下さい。魔力を感じる人はマグを机に置いて手は放さないで下さい。」

ロビン君が放した手を大慌てで元に戻す。

ロリロリ以外は机の上にマグがある。

黒髪のロリの眉間にシワが寄っている。苦戦している様子だ。

後ろから黒髪ロリの両肩に手を置いて魔力を通す。

「あっ!何コレ!!あああ、解かった!!」

「ハーイ、今の感じ忘れないでね。はい、目を閉じてもう一回、始めから。」

ロリの方に声を掛ける。

「どうだ?」

「ああ、申し訳ございません。ちょっと解かりません。」

「よし。」

両肩に手を置いて魔力を通す。

ロリは魔力は有るがイマイチ外に出しずらい体質のようだ。

微弱な魔力をパターンを変えて通す。

「あ、いま!なにか!」

パターンを戻す。

「あ!はい!これですね!解かります!!」

どうやら自分のパターンが見つかったらしい。

「はい、もう一度自分で、始めから。」

二人ともマグを机の上に置いた。

「はい、全員、目を開けて。」

皆タメ息を付いている。

まあ、魔力も使うし集中力も要る。

「さて、マグの中には種が入ってます。コレは意味が有るわけでなく只の目印です。」

「マグの中の液体を魔力で回して見ましょう。」

「あ、回った。」

「え、うごかねえ。」

「はい、右に回った人は左に、左に回った人は左に回転方向を変えてみましょう。」

「えっ止まらないよ。」

「はい、それは貴方が何時も同じ方向しか魔法を回していないからです。止めて回す回して止める。」


「おもしろそ~あたしもやりたい♪」

何故か興味を示すエロ司書。

「ああ、司書さんは今度お願いします。コレは魔法使い用の訓練方法です。」

「ぶ~♪」

拗ねた顔もかわいい。


うなるだけの乳兄弟。

コイツ等、脳筋だからコツさえ解かれば良いんだが。

「魔力が無くなって来た人は一口飲んでみましょう。」

司書に怒られると思って見たが。

好奇心で忘れている。

ウキウキする司書。

いかん!ムラッと来た。


カールが観念して一口飲んだ様だ。

コレは補充を用意しておくか?

「うん?解かる!!解かるぞ!!俺にも見えるぞ!!」

やべ!ニュータイプ化したか?

「ジョン一口飲んでみろ。」

「ホントだカール!!俺も見える!!動くぞコイツ!!」

「は、はーいでは、次に紙に書かれた複雑な動きをして下さい。」

おかしいなそんな事で解かるのか?

テキトーに考えたマグの中での回転方向を書いた紙を見せる。対流方向、渦巻きらせん状。

「全部出来た人は手を上げて。」

皆うんうん唸っている。

真剣だなこんな馬鹿げたコト良くやるな?


「できたぞ!!」

マルコが一番先に手を上げた。

まあ、たぶんコイツが一番魔法が上手いからな。

「はい、では始めから。どの回転パターンから素早く別のパターンに動かせるように練習して。」

「え?」

「次の段階まで人数が要るから。素早く回転、素早く停止、アレだったら手を触れずに回しても良いよ。たぶん出来るから。」


「できた!!」

次はアレックスだった意外だな。コイツはドン尻だと思ってた。

「はい、もう一回。素早く回転、素早く逆回転。自信が付いたら手を触れずに。」


カール&ジョンはほぼ同時だった。


フェルッポは唸っている。

ロビンはナカナカ、イイ線まで来ている。


手を触れずにやり始める者も出てきた。


ロビンはどうでも良いがフェルッポが出来ないと困る。


フェルッポが何とか手を上げた。

ロビンはたぶん待っていたんだろう。

その後に手を上げた。

コイツゴマすり上手いな。


男子は全員できた事になる。


アレックスとロビンが手を放して練習し始めた。


NPC司書がたぶん自分の花柄カップを持ってきてまねしている。

それじゃあ出来ませんよ。


ロリロリは結構苦戦している様子だ。

まあ、出来たら魔法使いだからな。


「では、そろそろ一段階上げるか。基本科の学生はココまでで後は自習。男子はマグの液体を1/3飲んでくれ。」

マグを飲むミッソカス共。

順番にマグに水を足す。

「はい、もう一回、さっきより反応が悪いから。気をつけて。」


「え~何だコレ?全然反応しないよ。」

「うん、なんとなく…。できる。」

「コレは難しくなったな。」

「…。」

カール&ジョンは無言で集中している。

そろそろ時間だな。

「さて、そろそろお開きにしよう。時間だ。」

「「「え~。」」」

「おい、後もう少しで。」

ロリロリは疲れている様子だ。

「はい、終わりマグを飲み干して。」

皆マグを飲み干して回復する。

司書もまねして飲み干している。

「次はコレの続きやるから。マグは各自責任持って保管してくれ、次回も持ってきて。」


「なあ、オットーこの液体は何なんだ?」

カールが質問してきた。

「あ?低級ポーション。さらに水で割ったモノ。」

「こんなので魔法の訓練になるのか?」

不信の眼差しだ、お前ら一生懸命だったろ?

「あーそうだな。はい、ちゅーもく。コレから魔法を見せるけど絶対まねするなよ?」

空気をゆっくり圧縮して2m上で開放。

衝撃音が図書室に広がる。

司書さんが音に吃驚している。


「え、それ、そんなことしてたの?」

「すいません、オットーさまもう一度お願いします!!」

「なんだ?そりゃ?」

「…。」

カールとジョンは驚いて無言だ。

「お前らが魔力をどうやって扱ってきたのか知らんが。お前らが思っている以上に魔力の動きは繊細で単純で高威力だ。今まで勢いに任せて発動していた魔法も、もっと細かい動きが解かるように成った筈だ。」

「なんで、この方法、誰も知らないんだ?簡単じゃないか?」

非難の声を上げるアレックス。

「コレは俺がマルカとベスタを実験台にして編み出したスゴイ安くて早くて簡単な方法だ。しかも、栄光ある実験第一号はお前らだ。」

「実験台って。俺たちが?」

「ああ、まあな。マルカなんて元々魔法特性が無かったのを、ムリヤリイロイロして魔法使いに改造したんだ。」

「か、改造って。」

悲鳴を上げる黒髪ロリ。マルカを抱きしめている。

「お前ら、俺が生まれてから十数年培った技能を数週間で習得させるつもりだ。たぶんこの中で最後まで付いてこれるのは2、3人だろう。」

「おいおい。最後は俺たちはどうなるんだ?」

呆れた声を上げるマルコ。

「少なくとも、帝国の宮廷魔術師相手に正面から殴り合って勝てる様にしたい。」

ゲーム中盤のラスボスだからな。

無言のままの乳兄弟。

「カールとジョン、お前らは家族を守る為に敵を粉砕する力を欲したはずだ。帝国軍は必ず国境を越えてやってくる。お前ら二人で万の敵を吹き飛ばすコトが出来る様にしてやる。」

「解かった、協力する。」

酷く冷たい声で答えたカールは、俺を見ていない。黒髪ロリに抱きしめられるマルカだけを見ている。

「おいおい、カール。俺は付いていくが、最後はバケモノはごめんだぜ?」

焦っているジョンに答える。

「心配するなジョン、自分が人間だと思っているウチは人間だ。人の心を忘れるな。」

「オットー、おまえは…。いや、止めておこう。ただ、カールをあまり追い詰めないでくれ。コイツはお前ではない、普通の人間だ。どれだけ強くなってもな。」

俺を睨むジョン。そうだな、確かに俺はカールをユニットか何か?だと思ってしまった様だ。

すまない。お前らはNPCではなく今は血が通った人間だ。


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― 新着の感想 ―
大変解りやすくしかも高度な訓練方法を編み出した作者氏に感嘆します(*´∀`) 司書ちゃんカワユス (๑•̀ㅂ•́)و✧
[気になる点] さすがに指摘しようと思ったら既に二件もwww
[気になる点] 誤字報告 「はい、右に回った人は左に、左に回った人は左に回転方向を変えてみましょう。」 左に回った人は右に
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