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37.町へ

午後の授業開始前に食堂前で解散して。

ロビンを連行して町に出た。


ガッチリ腕を組んでいる。

友情の二人と言うかヲホモだちではなく、連行される少年Aと獄卒だ。


先ず市場へ行った。

生鮮食料品や日用品が売っている。

どうでも良いハーブの種を一袋、買う。

噛むとピリッとする香りの良い種だ。

サラダやスープの上に散らしてある。

炒って磨り潰せば胡椒の代わりになるヤツだ。

目的は小銭崩しだ。

魔法収納にしまうとロビンが驚いている。

コイツ収納魔法、持ってないのか?

小銭が沢山、出来たので。

次は金物屋へ向かった。

暇そうなヒゲを生やしたガリガリの親父が火の付いていないパイプを銜えている。

狭い間口に天井から鉄ポットやカップがぶら下がって店の中は雑然としている。

「親父、ミスリルのコップは無いか?」

「学生さん冷やかしなら暇な時に来てくれ。」

もちろん客は俺たち以外居ない。

「ああ、すまない。実験に使いたいんだ。魔力を通しそうなコップは無いか?」

「オットーさまそんな物こんな店に。」

「有るよ、高いよ。」

「有るんですか!!」

驚くロビン。

親父が奥から箱を出してくる。

中にぎっしり詰まった新品の銅のマグカップが入っている。

長いこと売れてなかったらしい。

銅の色がくすんでいる。

一つ手にとってみる、まあまあだな。

「コレは、むかし、王都でお茶ブームがあって屋台でお茶出す店が流行ったんだよ。で、火が使えないから魔法でお湯沸かす道具で使っていたヤツだね。」

「えっ、そんな事が?」

「まあ、ボウズ達が生まれる前の話だからね。今は簡単にお茶が出来るティーパックが流行っているからもう売れないね。ワザワザ地金の銅に魔法処理して作ってあるからね。」

「ココに有るだけか?」

無言で頷く親父。

「よし、全部貰うと幾らだ?」

「え~っと1個、銀貨一枚だよ。24個在るケド良いのかい?全部買ってくれるのなら金貨2枚に負けとくよ。」

「そんなに高いんですか!?」

「よし!!買った!!全部貰う。」

「え?毎度あり…。」

驚く親父に金貨二枚を渡して箱を担ぐ。

「ああ、親父、この近くで屑鉄を集めてる所か売っている場所は知らないか?」

「う~ん、武器屋で下取りした破損武器はそのまま鍛冶屋へ行ってしまうからねえ。西の外れの鋳物師街の入り口に地金屋が有ってくず鉄を買い取って地金にして売っているよ。まあ、集めているのは下町の小僧たちだけどね。」

「そうか。」

「まとめて欲しいなら古道具屋へ行っても良いかもね。」

「うむ、助かる。」

礼を言って金物屋を離れる。

路地で収納する。

よし、次は冒険者向けのポーション屋だ。

「いらっしゃい、学生さん?」

何故か疑問系だ。

冒険者向けの店らしく胡散臭いが店員のオネーさんは露出度が高くムチムチだ。

昼下がりで時間が悪いのであろう。

店に客は居ない。

「賞味期限切れのポーションが欲しい。安く大量に。」

「あら、学生さん、実験?ごめんなさいね。賞味期限が近づくと皆、業者が回収しちゃうの。」

「そうか…。」

「低級ポーションならあるのよ。」

「ほう、見せてくれ。」

「あら、学生さん見て解かるの?」

オネーさんがカウンターから小瓶を取り出して振る。

うん、前も揺れている。

おい、ロビン小瓶を見ろ!!

ガン見するな!オネーさんが笑っているぞ!!

サーチする。

どうやら賞味期限切れのポーションを聖水で薄めて小分けして売っているらしい。

水増しポーションだ。

たしか、聖水に薬草と魔力を込めてポーションに成るはず。

「まあ、良いだろう。その低級ポーションいくらだ?どれだけある?」

「あら~そんなに買い占められるとみんな困っちゃうの。一個、大銅貨一枚で在庫は300有るケド全部は売れないわ。」

意外と高いな。

「通常ポーションはいくらだ?」

「銀貨一枚よ。」

見慣れたガラス瓶をカウンターから取り出し、振るオネーさん。

おい!ロビン!だからガン見するな!!

うん、何時ものポーションだ。

サーチ結果の状態も通常だ。

「では、通常ポーション1個に低級ポーション40個だ。銀貨3枚で良いな?」

「ありがと!今、詰めるわ。使った瓶は次持って来てくれればサービスしちゃう。」

「はい!!」

元気に答えるロビン、いや、だからガンみ…。ああ、もう良いよ。

オネーさん完全に笑ってる。


金を払い商品を受け取ると。

店の外にでる。

う~ん王都ではポーションロンダリングが出来ない様子だ。


後は武器売って稼ぐか…。

何処かにゼニの香りはしないか?

偽医者は止めておこうトラブルの元にしかならない。


「あの、オットー様もう戻られますか?」

「う~ん地金屋を見てみたいが遠いな。武器屋を覗いて値段を調べよう。」

「武器屋は安い冒険者向けの店と玄人向けの店が在ります。」

「両方…。は時間が無いな。安い店に行こう。」


安い店はガチムチノースリーブ親父が店番をしていた。

頭に手ぬぐい(タオル)を鉢巻にしている。

腕を組めば家系ラーメン屋の親父みたいだ。

「ウチは学生さんが来る店じゃないぜ!」

「おう、心配するな冷やかしだ。」

「なんだよ、客じゃないのかよ。」

カウンター向こうで不貞腐れる親父。

歩くと板の間がミシミシ音をたてる。

「おい、太いの、お前なかなかヤルのか?」

意外そうな顔の親父。

「何をだ?」

しらばっくれる。

「歩き方が胴に入ってる、短剣使いか、片手剣か?騎士上がりじゃ無さそうだな。」

くっそ、コイツ歩き方で素人判断してるのか?

脇の樽に無造作に置かれた剣を見る。

”どれでも1本大銅貨一枚”

ワゴンセールだな。しかも見事なまでに掘り出し物は無い。

重くてマトモそうな剣を10本選ぶ。

一応選定基準は鉄で混ぜ物が少なくて重たいモノだ。

亀裂が在っても気にしない。

「コレだけ貰おう。」

「おいおい、お前こんなの何に使うんだ?ウチの店は銀貨一枚出せばもうちっと良い物が出せるぜ。たぶん、アンタの腰のナイフには劣るがな。」

くっそ!コイツ良く見てやがる。

「鉄で重くて混ぜ物が少ない。只それだけだ。」

「へー、アンタが打ち直すのか?確かにそれならお買い得だ。」

ホクホク顔の親父はロープで十本の剣を束ねる。

金を渡すと店を出る。

「ありがとよ!!また来いよ。」

随分と愛想が良くなった。


店を出ると路地で収納する。

そろそろ、お約束が来ないかな?

「どうかされましたかオットーさま。」

「いや、コレだけ目立つ買い物すればそろそろチンピラ共が喰い付いて来てイイ頃だ。」

ゲームだと何故か街中でエンカウントするんだ。

チンピラABCDと。

良い経験値になる。

しかも、儲かる。

呆れるロビン君。

「ソコまで王都の治安は悪くないです。下町の方なら解かりませんが。」

「そうか、次の休みのお楽しみだな。」

「何を楽しむんですか!?」

「ケンカだよ!ケンカ!!チンピラ叩きのめして金取るんだよ。兵隊叩きのめしてるだけだと面白くないだろ?」

「オットーさま、もしかして、ご自分の実家でもやっていたのでは?」

「…。」

そういえば偽医者で家の兵隊叩きのめしたな。

「あの。オットーさま?何か言って下さい。」

「まあ、仕方ない。次がある、学園へ戻るぞ。」


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[気になる点] 歩き方が胴に入ってる、短剣使いか 堂
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