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352.灰色の魔道士(その4)

(´・ω・`)新年あけおめ、ことよろ投稿。

赤ローブの遊び人のキムさん姿で邪教の教会へと向かいミノ太を奉納した。

邪神ポイントが鰻登りだ。

満面の笑みの司祭(肉屋)から完成品の干し肉と革(なめし済みであった)を受け取り、町に戻った。

建物の影で青ローブに変身する。

WIN-WINな取引なハズだが何故か負けた気に成る。

不本意だがあの邪教の集団とは何とか仲良くしなければならない。

主に肉と皮の調達の為だ、損はしていない。

かといって、進んでヤツラの機嫌を取る必要も無い。

しかも、貰ってイヤ毛な邪神ポイントだ、変なコト祈ると実行されそうな勢いだ。

大問題だ。このゲームが健全で無くなってしまう。

薄い本のネタにされてしまう。

全てはトーナメントが終わった後に考えよう。

時間が余ったので節穴親父の店に向かっている。

試作の剣の納品だ。

このサンプルの刀身3本の中でどれかを量産する。

材料も在るので一日で出来る。

しかし勿体付けないと足元を見られるだろう。

話が決ったら、手早く作って収納の肥やしにしよう。

年末ギリギリに節穴に納品してやる。

コレも厄介仕事の内なので、あまり気分が進まないのだ。

まあ、銭で受けた仕事なのだ。

信用が減らない内に手早く澄まそう。

王都を歩く。

人が多い。

冬に向かっているので着ている服が厚着に変わっている。

視界を横切る平民の中に見た顔が有った。

先の辻から出て俺の前方を横切った。

目が合わなかった。

気づかれてない。

辻の角まで走り建物の影から窺う。

あの後姿、間違いない。

あの時の老メイドだ。

心臓を直して白金貨一枚を貰った。

メイド服ではないが…。身なりの良さそうなコートを着ている。

双子でなければ本人で有ろう。

あの時には無かった眼鏡を掛けている。

後を付ける。

どうやら買い物に出ているらしい。

王都に居るならば、恐らくあの娘、ゲームにはでて来なかったメアリーの姉付きのメイドを未だしているのだろう。

人気の無い路地に入り覗く。

どうすべきか?

Mr・R(ミスター・ロバート)に対悪魔用の指輪は渡した。

しかし、ソレはメアリーがぼんくら王子の嫁になる未来(ゲーム)を知っていたからだ。

香水の店で商品を見ている老メイドを見る。

悩んだが買わなかった。

目標が移動したので次の辻に移動する。

次は二件隣の櫛の店だ。

なるほど…。どうやら休暇中らしい。

路地の奥に引っ込み、誰も居ないのを確認すると、ポーンを操作して寮の部屋に飛んだ。

急いで灰色のフード付きコートに着替え白いマスクを被る。

ポーンを使い、一つ前の人気の無い辻に移動する。

少々遠いが未だ老メイドは櫛を見ている。

どうやら気に入った物が有った様子だ。

フードを目深目に被り後を付ける。

行動順序をシュミレーションする。

後はタイミングだ…。

目標が人気の無い道に入った!

今がチャンスだ!!

後ろに忍び寄ると、空の麻袋を頭に被せる

「きゃ!」

そのまま肩に担ぎポーンを操作した。


無人の辻には眼鏡ダケが残されていた。



ポーンで飛んだ先はあの心臓手術を行なった部屋だ。

もがく麦袋を押さえ周囲を長距離サーチする。

GUIのマップには人は居ない。

恐らく避暑地か別荘扱いなのだろう。

「だ、だれか!」

麦袋の上から口を塞ぐ。

サーチすると、どうやら老眼らしい。

緑内障の気も在る。眼圧が高い。

直せるのか?

まあ良いやってみよう。

ヒール、ヒール、水晶体を綺麗に活性化して変形した虹彩と塞がったシュレム管を修復する。

剥離した神経管も元通り。

うん、何とかなった。

魔法は偉大だ。

原理が判れば何でも出来る。

低い作った声で囁く。

「静かにしろ。」

「ヒッ!だ、だれ」

「騒ぐな、誰も来ない。」

麻袋を外す。

驚いた顔の老メイド。

「こ、ココは!!」

「そうだ、娘を治療した部屋だ。」

「そんな!貴方は。」

「久し振りだな。娘が婚約したと町の噂で聞いた、良いコトだ。このまま消える心算だったが町でお前の顔を見て気が変った。」

「な、なんの話です!人を呼びますよ!!」

「この屋敷に人は居ない。ドレだけ叫んでも人は来ない。」

「ぐっ!」

思い当たる事が在るらしい老メイド。

「さて、話をしよう。俺は流れの魔術師の端くれだが…。実は追っている宿敵が居る。」

かつて心臓の絵を描いた椅子にすわる。

「それが私達に何の関係が!」

「俺が助けた娘が唯の娘ならば用が無かった、だが、王子との婚約が在るなら話は違う。」

「ま、町で会っても他人だと言ったのは貴方です!!」

酷く焦る老メイド。

隠しておきたかった所なので在ろう。

「そうだ、だから迷った。先ずは俺の宿敵の話をしよう、俺の追っている敵は人では無い。ヤツラは目的の為に、コノ国に混乱をもたらそうとしている。」

「な。何故!!」

「下らない目的だ。多くの人を殺める為にこの国に厄災をもたらそうとしている。俺はソレを止めたい。」

「そ、そんな。嘘ではないのですか?」

「嘘で済むならば、誰も死なない。ヤツラの目的はコノ国に混乱を起こして目的を達成する算段だ、その為に国王と王子の命を狙っている。」

「バカな!!」

「言ったように、俺の敵は人では無い。人の常識は通用しない、目的の為にの手段に過ぎない。但しヤツラは人に化けたり、人を操ったりするコトが出来る。」

「そんな事出来るハズが!!」

「出来る方法はある、その為の対処法もある。」

息を呑む女。

「…何を要求するのですか?貴方は。」

この老メイドは頭が良いらしい。

初めから俺の要求が有っての行動だと見抜いたらしい。

まあ、ココまで手間を掛けて居るのだ。

「うむ、俺は宿敵を倒す為の手駒を必要としている。協力者は少ない、但し、全てを話した仲間は居ない。お前達は王宮に忍び寄る俺の宿敵を倒す手駒を集めて欲しい。奴等の目的は国の混乱で、その手段としての国王と王子の暗殺だ。ソレを防いで欲しい。」

「何故、そんな事を…。」

「繰り返すが俺の宿敵は人では無い。人智を超えた方法で攻めて来る。正直、若い夫婦が理不尽に不幸に成るのが許せない。特に、俺が苦労して救った娘が幸せになるのを邪魔する様な者はな。貰った報酬には満足している、正直貰い過ぎた気もある。恩義で返したい。」

嘘です、リア充は死ねば良いと思います。

報酬は貰いすぎだとは思います、お陰で良い未亡人と店を手に入れた、サービス、サービス。

マスク越しに老メイドの目を見る。

堅い表情だ。

「何をすれば良いのですか?」

「そうだな…。先ず、娘と王子の身の周りを整理しろ。もう既に宿敵の尖兵が入り込んでいるかもしれない。信頼の置ける腕の良い魔法使いを探せ。」

「魔法使い…?」

「そうだ、奴等には魔法で無いと対抗できない。その為のアイテムを渡そう。コレだ。」

机の上に収納から本格最狂対悪魔リングと紫外線眼鏡を並べる。

リングでは無くC型の指輪で5個だ。

「この眼鏡は俺の宿敵の偽装を見破る。但し、完璧ではない。相手がコノ眼鏡の存在を知れば対抗作を用意するだろう。注意して使え。」

「眼鏡で?」

「お前の目は治した。コノ眼鏡は度が無い。割れ易いので注意してくれ、コノ指輪は身に着けていれば敵の魔法効果に対して抵抗性を発揮する。敵の支配下の者を解放する効果も在る。但し、その者は酷く苦しむ。コレも敵が知れば対抗策を出すだろう。奇襲を受けた時の効果期待している。」

「何故、貴方はソコまでするのですか?」

謎の空白時間が生まれる。

正直ソコまで考えて無かった。

何を言っても嘘に聞こえるだろう、正直に話そう。

「俺は、万人が到底信じられない状況に居る、全てを話せる味方は居ない、唯し重要な人に身を守る手段を教えるコトは出来る。だから協力しろ。君達の大事な人達がこの先生きのこることが俺の孤独な戦いの勝利の鍵なのだ。」

指輪と眼鏡を受け取る老メイド。

「判りました。貴方のお名前は?」

正直困った。

俺は名乗ることが出来ない。

アンダーカバーの”遊び人のキムさん”も”オットー”も使えない。

「名は無い。人は俺のコトを灰色の魔道士と呼ぶ。」

老メイドをフレンド登録してポーンを操作。

王都の路地で別れる。

「腕の良い、信頼できる魔術師を探せ。」

そう言ってポーンを操作して寮の部屋に帰る。

急いで青いコートに着替えてサンプル剣を肩に掛ける。

面倒なのでそのまま節穴親父の店の前まで飛ぶ。

ダァーを開けると…。

ちっ、親父(節穴)が満面の笑みだ。。

(´・ω・`)来年は本気出す。

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