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番外編.ジェーン2

(´・ω・`)…。女騎士は、灰色の魔道士1-2-3で本屋の前で出迎えた女従者です。

村に着き慌ただしく馬車に乗せられ付いた先は代官の館だった。

村では村長以下、村の重鎮が総出で出迎えて居たので変な気分だった。

村の皆はわたしの父親のコトを知っていたのかもしれない。

でも優しくしてくれた。

迎えに来た騎士さん達は代官の館で別れ。

ソコで服の採寸とお風呂に入れられた。

女中さん数人掛りで変な所まで洗われた…。凄いショック。

髪を梳いてもらい。

爪の形も整えてもらった。

「お嬢様はココでお生まれに成ったのですよ。」

髪を梳くオバサン女中さんのにこやかな言葉でわたしの心は酷く傷ついた。

流石に服は間に合わなくて誰かのお古を着させてもらった。

母から貰ったネックレスは手放さなかった。

あまりに手放さなかったのでお付の女中さんがネックレスを保管する専用の仕事で。

ずっとわたしの目の届く所に立って居てくれた。

一晩そこで過ごすと朝には別の豪華な馬車に乗せられた。

護衛の騎兵が前後に居る。

頭を下げる執事のおじさんが馬車に乗せてくれた。

わたしを運ぶだけにココまで仰々しいと正直あきれてしまう。

馬車の外、流れる風景を見る。

わたし、始めて村を出たんだ…。

不安になる。

「御領主様は王都の御屋敷でお待ちです。」

「お父さんか…。」

「ふむ、デービス公爵家の娘としての作法を覚えて頂く事になります。くれぐれも、御当主様に失礼の無い様に。」

何それ!

思わず叫びそうに成ったが堪えた。

そうだ、わたしに味方は居ないんだ。

王都に付いた馬車は止まらず何処かに向かっている。

目に入るのは珍しい物ばかり。

止まって欲しいがムスッとした執事さんに声を掛けるのは勇気が居る。

遂に馬車は大きな御屋敷に止まり下ろされた。

女中さんと執事さんが並んでいる。

「お嬢様、コチラにどうぞ。」

執事さんの後ろに付いて歩く。

ドアの前に止まってノックする。

「入れ。」

ドアを開け執事さんが言う。

「ジェーンお嬢様をお連れしました。」

「やっと来たか。」

「あ、あの、」

わたしのお父さんだ…。何と呼べば良いのだろう?

「ああ、もっと近くに。」

「はい。」

お父さんは背が高くて怖くて難しそうな顔をしている。

「ふむ、あの女に似ているな。まあまあだ。」

え?なに?それ。

お父さんが近づいてきた。

腕を掴んだ。

「痛いっ!」

「なんだ、鶏がらじゃないか。」

「村娘では普通で御座います。直に大きく成るかと。」

「そうか…。所で?」

「はい、魔法使いの素養は在るようです。それに未だ乙女だそうです。」

う、なんで?

顔が熱くなる。

「そうか。ソレは良かった。誰かの手垢付では相手に申し訳ないだろう。」

「あ、あの…。」

「なんだ?」

「あの、何故わたしはココに?」

「ああ、そうだな…。ヤーコブどう思う?」

「はい、お嬢様にはデービス家のご令嬢として相応しい振る舞いを身に着けて頂ければ問題は無いかと。」

「そうか。良く食わせて仕込め。」

「はい、承りました。」

「喜べ、娘。お前に婿を探して来てやった。」

「え?」

「相手はかなりの男だ。他の女に負けんように励め、男を産め。」

「他の相手って?」

「妻が何人も居る。公爵家の三男で恐らく王国で最強の魔術師だ。」

「そんな…。」

変な男に当たった!!

「強くて優秀な男を産めばソイツを当主にしてやる。」

「あの…。未だ子供は…。」

早いと思う。

言おうとしてドアのノックする音にかき消された。

「ロバートでございます。メアリーお嬢様がお見えです。」

「わかった、まて。いや、入って来い。」

若いメガネのカッコイイ執事がドアを開けた。

ドアを潜る綺麗な巻き毛のお姫さま。

「ご機嫌うるわしゅう。御父様。」

「メアリー、学校の方はどうだ?」

「はい、特に問題はありません。寮に風紀を乱す輩がおりますが。」

「そうか。お前の婚約の話だが相手とは話が付いた、破談だ。」

「まあ、そうでしたか…。」

嬉しそうなお姫さま。

「その代わりに、ソコに居るお前の妹を出す。」

わたしが指を差される。

うわ、お姫さまが物凄い形相でわたしを睨む。

「は?誰ですコノ娘。」

「え、あの。わたしは。」

「妹君のジェーンお嬢様で御座います。」

おじさん執事が替わりに答えてくれた。

「お前の妹だ、国元に居た。俺が呼び寄せた。」

「私の妹…。こんな娘が!」

「来年、魔法学園に入れる。面倒を見よ。」

「そんな、こんな小娘が私の妹?到底、我が家の者として表に出せる者ではありません。」

「解っている。ロバート、何とかしろ。」

「はい、承りました。」

「この娘は俺が別の女に産ませた子だ。ハイデッカーの三男に嫁がせる。お前の変わりだ。」

「そ。そんな御父様…。お母様はご存知で?」

「知っている、お前が生まれた時、女であったので、適当な女中に産ませた。産後の肥立ちが悪くてもう産めそうな身体では無かったからな。」

「お嬢様、奥様の御身体を考えての処遇で御座います。」

「ヤーコブ。」

「はっ、出すぎた真似をいたしました。申し訳御座いません。」

「あ、あの。」

「何だ娘。あ?未だこんな物持っていたのか?」

お父さんが首に掛けたネックレスに手を掛ける。

「コレは母から貰った物です!!触らないで!」

「ソレは俺がやった物だ。まあ、良いだろう。我が家の者にふさわしい物を身に着けよ。」

「えあの、それでは…。いえ、私の家族はどうなるのですか?お母さんは、お爺さんも身体を悪くしているのです。」

「よし、お前が俺の言う男に嫁げば良くしてやる。代官に手紙を書いてやろう。」

「そんな!」

「話はソレだけか?お前の夫になる男は死者をも蘇らせるらしい。精々媚を売って病人は夫に治してもらえ。」

頭を殴られたような感覚になる、目の前が暗い。

みんな、何を言ってるのか解らなくなる。

「御父様、何故ハイデッカー家に拘るのですか?」

「ハイデッカー家に拘っては居ない。我が家には優秀な魔法使いだけではダメなのだ。強大な力の魔法使いが必要なのだ。俺の次はその様な者に継がせる。」

「そんな…。私は学園でも首席です。」

「そうか、では訪ねよう。天の星を見て何を思う?」

「星ですか…。ソレが何か?」

「お星様…。わたしのお爺さんは星を見て明日の雨が解ります。」

「ほう、娘、何故だ?」

「あ、解りません。」

「そうか…。」

お父さんが何かを考えている。

「御父様、何が正解だったのでしょうか?」

「正解は無い。くそっ!俺の子は凡人ばかりだ。」

かなりイライラしている。

「ハイデッカー家に何か在るのでしょうか?」

「何も無い。メアリーは身元を清らかにせよ!もしもの時に備える。娘…。」

「ジェーンお嬢様でございます。」

「ジェーンはユリウスの三男に嫁がせる。丈夫な子を沢山産め。一番優秀な者に家督を譲る。」

「そんな!御父様。」

「では、お前がハイデッカーの子を産め。」

「それは…。嫌です。」

「そうか、ジェーン、丈夫な子を産めば良いだけだ。出来れば男を産め。」

「あの、その人はいったい誰なんですか?」

部屋の全員が私を見ている。

凄い変なコトを言ったみたい。

「オットー・フォン・ハイデッカー様、冥府の王と契約により死者をも生き返らせ、ドラゴンを倒し素手で熊を殺し、遊戯にて兵の腕の骨を折る、義に厚く約束を違わぬ男で御座います。」

深々と頭を垂れるカッコイイメガネの執事さん。


うわ、最悪。


変人で乱暴者だ…。

(´・ω・`)…。(おっさんが女の子の心を書くのは難しい。)

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