番外編.フランク・フォン・ハイデッカー戦記1
(´・ω!(チラッ)
ε=!(サッ)
(´・ω・`) 番外編いくぽん。(不定期なので投下時間は無視。)
遠征が有ると言われてから数日が経った。
初め皆、剣を整備して、家族に伝え。
予備の皮サンダルを引っ張り出して埃を払い油を塗った。
塗り薬を小隊の皆で買い。
人数に小分けにした。
毎日、寝る前に背嚢の中を確認している。
いい加減に飽きた…。
未だ出動が掛らん。
くそっ、干し果物が傷み始めた。
仕方が無い、悪いヤツは腹に仕舞おう。
「ツィーゲ、保存食を食べるな。」
「背嚢の中で湿け始めやがった。お前のも確認しとけ。」
「何だと?本当か?」
兵舎の中が騒がしくなる。
「マジかよ!」
「あ、カビ生えてやがる!!」
「おい、どうすんだ?」
「配給を申請するか?ツケで買うか?」
「俺、もうツケが貯まって効かねえ。」
「食えねえヤツを集めて4人分だって軍曹に申請しようぜ。」
「仕方がねえ。そうするか…。明日に集めるからな。」
翌朝、日課を済ますと。
単調な一日が始まる。
昼の休憩で皆、兵舎内でごろ寝している。
鐘が鳴った。
打ち鳴らされているが俺達の兵舎じゃない。
「あ?なんだ?」
同じ小隊の当番兵が飛び込んできた。
「おい!!第一の連中が出動だ。俺達は明日の日の出だ。明後日には指揮官殿も出る、うちの屯所は全力出動らしい。」
「「「おお、」」やっとか。」
皆、立ち上がる。
この長い待機からやっと開放される。
これから辛い事が有るだろうが、何もしないコトは辛い。
英気は充分だ。
「よし!装備確認!は、充分だな。誰か補給を受けろ。纏めろ。」
「出入りの物売り坊主を呼ぶぞ。私物の買出しを纏めるからな。」
途端に兵舎内が活気付く。
充分に睡眠を取った俺達は、日の出前未だ空が薄暗いうちに装具を揃え練兵場に並んだ。
馬も馬車も揃っている。
うちの少佐殿が訓示を述べている。
若いがかなりのやり手らしい。
実際、アホの様に鍛練が増えた。
皆が慣れた頃には俺達は国軍最強の栄誉を受けている。
前の方で立派なコトを言っている、話は聞いていない。
目を爛々と輝かせているのは伍長以上だ。
嫌な話だ。
上がヤル気だと俺達兵隊が疲れる。
「第二中隊!出動せよ!!行進開始。」
足並み揃えて進みだす。
暫くはただ、ひたすら歩くだけだ。
草原を馬車の歩みに合わせて歩く。
10日間ぶっ通しで歩いたコトもある。
未だ2日目だ、無理はしない。
昼食を固パンと干し肉で済ませた。
宿営予定地まで未だ在るが皆、ピクニック気分だ。
「ツィーゲ小休止だ。」
「おう、」
皆、道を空け小休止を行なう。
大地に寝そべる者も居る。
俺も背嚢を下ろし、サンダルの皮を緩めて荷物に足を掛け寝そべる、足を高くすると疲れが早く取れる。
馬車から降りた連中は馬の世話で忙しくしている。
歩いている最中は連中が恨めしいが。
休憩できないのを見ると考えを改める。
コイツ等、俺達が寝ている間にも馬の世話をしているんだ。
損な仕事だな。
新兵の時はあんなに羨ましかったのに今は成りたいとも思わない。
「後方!馬。多数接近中。」
歩哨当番兵が叫ぶ。
「なんだ?」
「あー、接近中の一団は友軍。本隊?」
「は?」
少佐殿がもう追いついたのか?
旗は確かにうちの本隊だ。
馬は止まらず俺達の横を通り過ぎた。
いや、一頭だけ止まって中隊長に何か手紙を手渡している。
走り去る馬。
中隊長は下士官を集め何かを話している。
「小休憩おわり!全員駆け足!」
「「は?」」
「おう、命令だ、全員駆け足。」
軍曹がヤケクソ気味に叫ぶ。
「おら、走れ!!」
中隊は駆け足になるが馬車は満載だ。付いて来れない。
馬車を残すコトになる、落伍した兵も増える筈だ。
宿営予定地を通り過ぎて俺達は日没まで駆け足、水場の無い場所で野宿するコトに成った。




