349.最終修羅場鬼嫁
親父との会食も終わり、お茶をして家の馬車で帰って来た。
寮の俺の部屋に入る。
「疲れたー。美味しかったけど。」
「あまり味が解りませんでした。」
「ユリウス君。立派になって…。」
一応、色々と話をして皆納得した様子だ。
親父も終始、申し訳無さそうな顔をしていた。
「おかえりなさいませ。ご主人」
何故かメイド服の狼メイドのブランが出迎えた。
「お、お帰りなさいませ。オットー様。」
奥から薄緑の半そでカートルを着たマルカが出てきた。
未だ休息中のハズだ。
「マルカちゃん!家の子にならない?」
息の荒いフラン。
ブランの後ろに隠れるマルカ。
「先生。未だマルカは休息中です。仕事を言いつけないで下さい。」
「はーい。」
「それから先生、あ・げ・ま・せ・ん。」
「えー、まあいいわ。ぐふふふふ。」
何かを企むフラン先生。
不安だ。
「どうした?ブラン何かあったのか?」
「おかあさまより服を届けに来ました。」
収納から布の包みを出す犬耳ブラン。
「あら、オットー様。服を仕立てたのですか?」
「あ?ああイネス。鎧下だ。鎧を新調したのでな。」
「袖を通して下さい。へんなら修整しますと。」
「そうか…。明日早速、使おうと思う。」
コートを脱ぐ、何故かイネスがコートを受け取る。
「あ。お手伝いします。」
続くエレノア。
「ふー疲れた。あ、マルカちゃん、お化粧の仕方教えてあげる…。」
「え。お化粧?」
何かを企んだままのフラン。
どう考えても飴を片手に幼女を誑かす不審者にしか見えない。
お化粧と言う言葉に迷うマルカ、まあ、レディだ、興味は在るだろう。
「マルカ、教えてもらいなさい、先生、へんなコトしないように。」
「はい」
「え?だ、大丈夫よ!!さ、さっマルカちゃ~ん。お姉さんとあっちに行きましょうね~。」
イマイチ不安だ。工口姫の目が泳いでいる。
まあ良いだろう何か有ったら声を上げるはずだ。
服を脱ぎ新しい鎧下に袖を通す。
特に前の袷を指定しなかったので内側にトグルボタンになっていた。
上着の胸やズボンの腿にアウトポケットを付けたがポケットタックを指定しなかったので物があまり入らない。
あと、ポケットフラップを付けるのを忘れていた。
鏡の前に立つ、うん、悪く無い。
黒い作業服着たオッサンにしか見えない、白いヘルメットと安全帯が良く似合いそうだ。
軽くストレッチをする。
特に問題は無いが…。ズボンが土管に近い。
ウェストタックは未だ発明されて無いらしい。
コレでブーツか脚絆を履いたらニッカポッカだ…。
ウンコ座りして缶コーヒに白いタオルを首に掛ければ完成しそうな勢いだ。
次作る場合は乗馬ズボンの様に膝から下を絞ってもらうか…。
まるでナテスの将校みたいになってしまう…。
「ご主人、どうですか?」
「うん、悪く無い。明日、実戦で使ってみるので、後日又修整版を作ってもらおう。」
「はい、わかりました」(パタパタ)
「オットー様。鎧は着ないのですか?」
「そうだな…。イネス着てみるか。」
収納から鎧を取り出し装着する。
紐とバックル併用なのでかなり装着が面倒だ。
”蒸着!”の一言で鎧を装着できるあの世界が羨ましい。
最後にヘルムを被りマスクの密着を確認する。
よしOKだ!!
『どうだ。コレが俺の鎧だ』(コーホーコーホー)
「えー。」
「オットー様。変った鎧ですね。」
「ご主人変態です。」
『なにっ』(コーホーコーホー)
このカッコ良さが解からんのか?
やはり小盾とヘルムの側面に紋章と出渕穴を…。いや、腕章を付けた方が良いのか?
ソレには先ず。カッコイイ紋章を考えなければならない…。
『こまったな…。』(コーホーコーホー)
「はーい、マルカちゃん!出来ましたっ。」
「オットーさ…ま?」
『おお、マルカ、綺麗になったな。』(コーホーコーホー)
「げっ!オットー君?何ソレ?」
『コレが俺の鎧だ。どうだ?カッコイイだろ?』(コーホーコーホー)
「はい、カッコイイです。(怖いと言う意味)」
「げ、趣味悪。骸骨兵見たい。」
『なっ、なにっコレは敵への心理的圧迫も考慮されて考えられたデザインだっ(たぶん。)』(コーホーコーホー)
「「「えー。」」」
何故かドン引きの女性陣。
やはりこういう物は男で無いと解からないロマンが在るのだ…。
鏡の前でポーズを取る。
動きは悪く無い。
外套にするか、マントにするか…。
絨毯の上で受身をやってみる。
問題ないじゃないか…。流石、あの世界の鎧。
翔ちゃんありがとう!!(コーホーコーホー)
明日の実戦が楽しみだっ!!
鎧を脱ぐ。
その間に嫁たちはゆったりした服に着替え化粧を落としていた。
「さあ、どうしますか?」
未だ日没までに時間が在る。
「あ?夕飯ご馳走になるから。着替えも持ってきてるし。」
「はい。」
「言われて用意してきました~。」
さも当たり前の様に言う魔女達と顔の赤い司書たん。
「え?」
「うーん、悪いけど。ブランに言って”夕食を部屋で取る六人前”って使いを出したからね?」
「はい、ご主人、いってきました。目つきの悪いメガネが”了解しました時間に成ったら取りに来てください”て。」(パタパタ)
いつの間に、いや、さっき鎧を脱いでいる時メイド居なかったけど。
「ブラン、店に戻らないと…。」
「ご主人、大丈夫です書置きを残しました。」
いや、前それ誰も読めなかっただろう。
「そうか、しかし、イレーネ一人を店に残すのは心配だ。」
何故か部屋の空気が凍る。
「大丈夫です。お母様が種付け成功されたので…。ブランも種付けしてもらおうと思い来ました…。」(パタパタ)
女共の非難の眼差しが全部俺の方に向く…。
目が怖い。
「い、いや、未だ解からないだろう?」
「はい、付いたばかりです…。匂いで解かります。」(パタパタ)
「オットー様。」
「はい、何でしょうか?イネス。」
「オットー君?」
「オットー様。」
「あ?あの、それって。」
いや待て、フランと司書たんまで怖い顔だ。
マルカはドン引きしている。
「もう他の女は居ないと言っていたわね…。」
「む?女は居ないぞ?店の女将で未亡人だ。」
「オットー様、私は後妻ですので、」(ビキビキ)
「さあ、ご主人、種付けです、群の雌の地位が下がります。逆転するには雄を生むしかありません。」(パタパタパタパタ)
「そうね、ブラン、良い事を言うわ。」
「はい、目指せ群の頂点です。」(パタパタパタパタ)
「えー、ソレは…。良いかも…。」
「エレノア、止めなさい。フラン先生。大丈夫です。健康な子は出来ます。問題は時期と好機です。」
「え?あの…。」
「マルカちゃん大丈夫よ~、ちょっとお姉さんと懲らしめてやりましょう。」
「…。」(ダラダラダラダラパタパタパタパタ)
狼娘のブランがケダモノの目だ。
仕方が無い。
覚悟を決めるか…。
ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ホイ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ウッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!セイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ハッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤッ!!!
(´・ω・`)ゞ 落ちが無いけどプロット時の話ではこの後スグ卒業式まで飛んで、学園編のエンディングだったんです。
(´・ω☆`)でも、イベントが残っているのでイベント・ダイジェストで御送りします。
(´・ω・`)明日からは不定期更新になります。一年間のご視聴ありがとうございました。
(´・ω・`)b゛では又、猟期の終わった後に!!軍人編で会いましょう!!




