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346.最終修羅場

学園に戻ったが未だ授業中のハズだ。

恐らく居るであろう工口婦の魔窟に向かう。

精霊召喚科教員室のドアの前に立つ。

MAPに光点が一つ在るので工口フは居る。

ドアをノックする。

「はい、何方でしょうか?今、手が離せません。」

少し考えるがココは強引に行こう。

「イネス、俺だオットーだ。」

「はっ、オットー様。今、開けます。」

「いや、良い失礼する。」

ドアを開け入室する。

部屋の中ではイネス教授がソファーに座り編み物をしていた。

「オットー様。どうでしょうか?この色。」

黄色い編みかけの衣服を見せる。

随分と小さい。

「うむ、良い色だ。」

「もう、2歳の分まで作りました。子の成長は早いので早めに作っておかないと…。」

嬉しそうな工口婦。

「うむ、そうか…。しかし、未だ男か女かわからんぞ?」

「大丈夫です、両方作りました。」

さらっと言う工口婦。

お腹をさすり嬉しそうだ。

「そ、そうか。」

「はい、どちらでも良いように。次の子でも使えますからね。」

なるほど。沢山産む気らしい。

俺も沢山頑張る気だが…。

「フラン先生は今日は授業だろうか?」

「はい、終わったら一緒にお昼を取る約束です。ココに来ます。」

「そうか…。ソレは良かった。」

「何か?」

「うむ、相談したいことが有ったのだ。将来のコトで。」

「まあ、確かに。相談は大事ですね?」

「待たせてもらっても良いだろうか?」

「はい、どうぞ。お茶を用意しますね。」

席を立とうとするイネスを止める。

「ああ。良い。それよりイネス教授。エルフの冠を見せて欲しいのですが?」

「はい、良いですよ?夫に見せるのは何も問題在りません。」

「そうか…。」

収納魔法から取り出したイネス教授。

手から手に受け取る。

紙を出してスケッチ&サーチ。

なるほど。

やはり、額の丹田を補助する装置だ。

宝石の裏に何か紋章が在り同じような紋章が他に4箇所ある。

これで前頭部を包み込む様子だ。

宝石は水晶で在った。

黄色水晶で色つき透明だ。

「この石はこの色で無いとダメなのか?」

「いいえ?好きな色の物で、山で取ってきて磨きます。皹が入っている物と曇っている物はダメだと聞いています。」

「そうか。」

ならばこの紋章が何らかの補助的機能が在るはずだ。

「昔は自分で取ってくるのが正式なのですが、水晶売りから買うのが一般的です。」

「そ、そうなのか?」

「はい、色に拘る者が多いので…。」

「なるほど…。」

商業主義がエルフにも浸透しているらしい。

「磨いて形にします。薄すぎるとダメな様子です、厚さを一定にすると良いのですが…。」

発振周波数的な物か?

電気か圧電素子の替わりに使う物なのか?

「うーむ、」

そういうヒントが在ると解り易い。

コレは電磁パルスで前頭葉に何らかの信号を繰り返し送っている物だ。

パルス発生器らしい、そう考えると発振回路に見えてくる。

恐らく強制的に脳の。丹田のパターンを一定にする補助器具だ。

コレは応用が効くだろう。

大まかに解析が終わると。

光点が近づいてくる。

走っている様子だ。

「やっほー!おわったよー!!」

ドアから飛び込むフラン先生、変なポーズで固まってる。

「あら、フランこんにちは。」

「イネスこんにちは!!お腹すいちゃった!早く…。」

「こんにちは、フラン先生。」

「え?あ。ごめん。なんで?オットー君が?」

顔を赤らめる工口姫。

テンション高いのを見られたのが恥かしかったらしい。

「先生達に俺との将来のコトを相談しようと来ました。」

「だそうです。」

「はい!!一姫二太郎でお願いします!!」

「フラン先生、真面目な話です。」

「そうですよ?もっと沢山産めるはずです。」

さらっと怖いことを言う魔女達。

「うーん、でも。子供産むの怖いかも…。」

「大丈夫です。」

「そうですよ?こんなに幸せなコトは在りません。」

目の奥が怖い工口婦、しまった、紋章に妊娠中は多幸感が出る様に、脳内麻薬に作用するA10細胞を刺激する回路を組み込んだ。

こんな所で作用するとは…。

「えー、でも。」

「産めば解ります。この子の為に…。」

下腹部を擦る工口婦。

ダメだ、完全に脳内麻薬で酔っている。

このままだと、出産の苦痛でイキ過ぎるかもしれない。

「む!!あたし未だなのに、そう言うの禁止!!」

ズビシッっと変なポーズを取るフラン先生。

「フラン、頑張れば直に出来る。」

「そうです、わたしも頑張ります。」

「うーん、た、確かに…。でも、」

やれば出来るのだ。

やらねば出来ぬ。

「さて、相談するのに場所を変えようと思うのですが…。」

「はい。」

「え?ココじゃダメ?」

「はい、紹介したい方が居ます。」

「ヘー」

「あら?どなたかしら?」

途端に機嫌の…。いや、笑顔だが表情レイヤーに青筋だ。

「まあ、揃ってから話そう。」

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