335.水筒1
ミソッカス共とは昼食を一緒に取るコトを約束して中庭で解散した。
部屋に戻ると、マルカはもう既にメイド服を着てシーツの片付けが終わっていた。
身体を拭く、制服に着替える。
朝食を取りに食堂に向かい。
着替えたマルカが壁紙に加わると食堂を出てマルカと合流する。
歩きながら今日の予定を伝える。
「午前中はサボる。昼食までには戻る心算だ。どうするか?」
「あの…。友人と昼食を取りたいと思います。」
「そうか、では昼食代を支給しよう。」
銀貨一枚を渡す。
「はい、ありがとうございます…。あの…。」
「なんだマルカ?何か欲しい物でも在るのか?」
「いえ…、イイです…。ごめんなさい。」
何か引っかかるが…。
マルカと校舎前で別れる。
さて、今日の午前中は町を回ろう。
気が重いが節穴親父の店に顔を出そう。
歩いて王都の広場へ向かう。
朝で市場は活気がある。
消耗した食料を中心に調達する。
岩塩を大量に。(80個)
丸麦を6袋。
豆類少々。
デーツ(ナツメヤシ)の大袋1つ。
肉に味を付けるハーブの類も購入した。
ハーブの種も売っていたが…。
栽培する気は無いが沢山買ったのでオマケで店主が付けてくれた。
岩塩はミノ太一頭で一個使うらしいので大量に購入したかったが…。
店も在庫が無いと困るのでこの程度だ。
あまり大っぴらに炭鉱の町に持ち込むと問題が起きそうだ。
徐々に供給しなければ…。
結局、金貨5枚分の買い物だった。
さて、困った時は金物屋だ。
金物屋に向かう。
別に特段用事があるワケでは無い。
節穴親父の顔を見るのがイヤなダケだ。
あの親父が用が在るのなら絶対に面倒事だ。
きっと陶磁器を赤字の金額で買って来いとか言われるんだろうな。
金物屋の親父は相変わらず暇そうにしている。
陰気な顔でヒゲをから火の付いたパイプが出ている。
店に雑然として客は居ない。
「やあ、学生さん頼まれた商品は未だだよ。」
「そうか、実は特別用事も無いのだ。」
「なんだい、冷やかしかい?まあ、暇だから良いけどね。」
うん、フラグが立っている。
「景気が悪いのか?」
「ああ、そうだね。ウチは何時も閑古鳥さ、まあ最近は…。」
パイプを手に持ち考え込む髭親父。
「どうかしたのか?」
「うーん、結構有名な話だからもう聞いたかも知れないけど。王都の北門のなめし屋にドラゴンが持ち込まれたって話だ。ソレで値段が付かなくて揉めてるって話だ。」
「そうか…。ドラゴンが。」
ソレは残念だ。聞いて居ないが持ち込んだのは俺だ。
「ああ、何でも王様が買うって話だ。最近婚約が有った王子様の鎧を作るって。」
「王子の鎧?」
「そうなんだよ。元々この国を建てた初代国王のドラゴンの鎧が古いからお飾りにしか使っていないんだ。で、次代替わりした時に儀式に使う鎧の複製を作ろうって話なんだけど…。」
「鎧の複製?」
「うん、元々は国王に代々受け継がれる鎧だけど、何せ古い。今の国王が即位した時は身に着けずに飾って済ましたらしいんだ。で、みっともないって当時は噂になって。複製を作ろうにもドラゴンなんてとてもとても。」
「王国が買ったのか?ドラゴン。」
「それがねえ…。」
声を潜める親父。
周囲を窺い小声で話す。
耳を近づけ聞き取る。
「どうやら、倒したのがかなりの御貴族様の御子弟でとんでもなく腕が立つ御方らしい。」
おう、俺のコトだな、くすぐったいぜ。
ヤニくせぇな。
ヒゲ親父の顔から耳を遠ざける。
「そうか。」
「ソレで、王様も差し出せとも言えない御相手らしい。」
「なぜ?相手は貴族とはいえ王様だろ?命令できないのか?」
「さあねえ、お城の中の話だからソコまでは…。」
「そうだな。そういうモノかもしれんな。」
「で、まあ、王子様の婚姻に間に合えば良いダケだからドラゴンの買取値段がいくらになるか?が、ここ数日の商売人達の話題のタネだね。」
「そうか…。しかし王子様の…。」
顎に手を置き考える。
モミアゲロールパンに宮殿のバックが付いたのか…。
昨日のドヤ顔は勝利の笑顔か?
「うん、知らないのかい?」
「まあな、田舎から出て来たばかりだからな。」
「ま、まあ、最近は暗い話ばかりだったからね。こんな景気の良い話だ。明るい話に飢えてるんだよ。みんな。」
「なるほど、面白い話だった。実はな。水筒とカンテラを探しているんだが…。」
「うん?商売の話しかね?」
「ああ、話を聞いて思い出したんだ。水筒が…。10個とカンテラが…。幾つか欲しい。勿論、大きさと機能で気に入る物が有ればの話だ。」
「やれやれ、冷やかしだと思ったんだけどねぇ。ちょっと、待ってくれ。」
奥に引っ込みまた出てくる親父。
籠に幾つかの商品を載せている。
順番にカウンターに置く。
「真鍮の水筒だとココラ辺だね。」
幾つか並べる親父。
一個ずつ検分する。
角型、丸型幾つかある、コップ付きも有って使い勝手の良いモノだ。
材質をサーチする。
イカン、全て継ぎ目が半田付けだ…鉛の。
「うーん。」
「何か問題が在るのかい?」
「済まない。ちょっと使用目的に合わない物だ…。」
コメカミを揉む。。
「そうかい。困ったね、これしか無いんだ。」
「うーむ。今度。図面を書いてくる。又、発注するかもしれない。」
「うん、待っているよ。カンテラはどうだい?」
カウンターの上を片付けカンテラを並べる親父。
「主に二種類在るんだ。蝋燭を使うモノと油を使うモノ。」
「そうか…。」
「油を使うモノは明るいけど…。ガラスが煤で汚れる、小まめに掃除しないといけない。まあ、子供の仕事だけどね。」
「子供の仕事?」
「ああ、ランタン磨きは隙間が小さいから手の小さい子供達の仕事なのさ。やった事が無いのかね?」
そうか…。平民はそういう家での役割分担なのか。
「済まない。冒険者が使う予定だ。主に大人ダケだな、かなりデカイ奴等だ。」
「そうなると、ココラ辺だね。ガラスが外れる。油入れが大きい。一晩持つ。」
かなり無骨な物が並ぶ。
悪く無い。
「頑丈なのか?」
「兵隊さんで、私物で持っていくのはコレだね。油を選ばないそうだ。但し、悪い油は煤が多い。小まめに掃除が必要だ。」
なるほど…。
あの戦争ゴミ屋のカンテラより複雑だ。
帝国のカンテラはコンバットプローブンの結果の形状なのかもしれない。
「うーむ。」
「一個。銀貨3枚だよ。」
「3個買おう。」
はい、控え目です。
金貨1枚を払い釣を銀貨1枚もらう。
収納して店を出る。
後は…。武器屋か。




