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329.ダンジョンで昼から黒毛和牛丼を求めるのは間違っているのだろうか? その2

(´・ω・`)13日の金曜日で先勝。

ふう、戦闘は終了だ。

止めを刺して回る。

山刃に付いた血と脂をウェスで拭き取り納める。

見下ろす三匹の新鮮なミノ太。

さて、収納…。

「「「ヴモォォォォォ!!」」」


後ろから雄叫びと共にミノ太が三匹突進してきた。

「なにっ!!」

先頭に一匹、バックアップが二匹だ。


もしかして倒したのは見送った背中とは別の個体グループなのか?

間合いが詰まっているので魔力の展開が間に合わない。

バットが俺に迫る。

後ろに転がりバットを避ける。

くそう、背中が痛い。

鎧を着ていれば…。後悔するが遅い。

地面を叩いたバットに鼻息の荒いミノ太。

息を整え冷静に判断する。

おう、やる気マンマンだな。

腰を落とした状態から投げナイフを出す。

距離が近すぎる加速する空間が無い。

ドイツから殺れば良い?

シュミレートするがダメだ手数で負ける。

逃げるか?背中を見せるのは愚作だ。

俺が魔力を展開すれば飛び込んでくるだろう。

足を止める必要が有る。

何らかの…。動いた!今だ!!

投げナイフを投擲する。

ソレに反応するミノ太、回避の為に身を屈めて居る。

引っ掛ったな!!

両手を胸の前で合掌して電位差の魔法を使う。

廃坑に響く手拍子の音。

その後、両手からの放電アークにより坑道内が明るく照らされる。

「ヴモォー!」「ヴモォォー!」「ぶもぉぉー!」

よし!!目が眩んでいる。

目ガー、目ガー!!している一番手前のミノ太がアーク光に包まれる。

ゆっくりと大地に膝を付き倒れるミノ太。

後、二匹。

警戒している、此方が即死級の魔法を使うのが判ったのだ。

簡単に飛び込んで来れないだろう。

ミノ太は血走った目で合図し合っている。

好都合だ接近戦は不利だ。

次の手だ、魔力を展開する。

「「ヴモォー!」」

ソレを合図に同時に飛び込むミノ太。

しかし、透明な壁に当たり張り付いている。

「オラ!ATフィールドだ!!」

ATフィールドで押し返して距離を取る。

見えない壁に押されて跳ね飛ばされる二匹のミノ太。

牛せんべいの出来上がりだ。

「「ヴモ゛ォォー!」」

跳ね飛ばされたミノ太が大地に落ちて、立ち上がろうとしている。

加速距離が稼げた、二つの真空チューブを展開してイシツブテで顎の下、喉仏の下に加速して打ち込む。

止まった目標に精密射撃が決ったがダメージを与えたダケで、致命傷では無い。

だが、悪いな、モーガンが集めた小石は沢山在るんだ。

「「ぶもぉぉぉ!!」」

首を中心に小石を連射する。

太い血管を損傷したのか、恐らく赤黒い液体を噴出するミノ太。

血抜きの手間が省けたな。

「オラオラ!踊れ!この牛野朗!」

真空チューブに小石をセットするだけで良い。

GUIの目標レチクルがロック状態なら目標が多少移動しても追尾してくれる。

遂に、小石が突き抜けた。

そのまま倒れ動かなくなる牛二匹。

ミノ太の首がおかしな方向に向いている。

首の骨を打ち抜いたらしい。


周囲を警戒してミノ太6頭を収納する。

流石に疲れた。

低級ポーションを煽る。

俺の腹時計では昼が過ぎている頃だ。

戻ろう。


進むのを諦め元の道を戻る。


分岐に近づくが…。

嫌な臭いが坑道に広がっている。

腐敗の臭いでは無い。

「ミノタウロス臭い。」

ケダモノ臭が…。いや、風呂に入っていないミノ太臭だろう。

壁に身を隠しながら進むと。

分岐の前に黒いミノ太が鼻息荒く首を動かし周囲を窺っている。

血走った目だ。

動こうとしない。

送り狼ではなく送り牛に退路を阻まれている。

普通のミノ太よりデカイ、黒い。

此方を向いていない時に小石を投擲する。

「ぶもっ!」

壁に当たる小石の音に反応する黒ミノ太。

身体が動く。

くそっメイスもってやがる。

装備バットより上がっている。

恐らくエリアボスか下から上がってきたモンスターだ。

黒ミノ太は暫く警戒したが何事も無いと判断したのか向き直る。

移動しない。

ココのダンジョンマスターも遣るじゃないか。

無事に帰そうとしないのだ。

腹を据える必要がある。

ファルカタを収納から出す。

「も゛も゛っ~!!」

見つかった!

コイツ他のミノ太より反応距離が長い!!

しかし、目は悪い様子だ。

未だ俺を目視していない。

メイスを構え警戒して此方にゆっくり歩いてくる。

両手を合わせ発動と同時に坑道の中央に躍り出る。

「くらえ!牛野朗!」

両手の間のアーク光が暗い坑道を照らす。

魔力チューブが2本黒ミノ太に迫るがメイスで遮ろうとしている。

「遅い!!」

「ぶ、ぶ、ぶぶも゛ももももももっ!」

放電がメイスに吸い込まれている。

なに?あのメイス金属なのか?

二つのチューブの中の電子は抵抗値の低いところを選ぶ。

抵抗分圧されたため大部分の電子はメイスを通っている。

「ちっ!」

ビリビリしている様子だ、驚いたのか足を止めることには成功した。

多少の効果ダメージは有るが電撃が効かないのだ。

次の手を…。

「いかん!!」

放電光の中を一歩踏み出そうとする黒ミノ太。

頭部にリングを形成する。

ゆっくり前に進もうとする黒ミノ太の首元をゆっくり光りの束が撫でる。

放電を止めると、黒ミノ太の首が大地に落ちる。

メイスを構え立ったままの首ナシミノ太。

肉の焼ける香ばしい香りが坑道内に広がる。

急いで収納して帰ろう。

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