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325.華氏100度

さて、時間に成ったので図書室で解散して寮に戻った。

今日の反省会だ。

ミソッカス共に剣を渡した。

装備も整う手筈が付いたので次の休日、一日使ってダンジョンを攻めよう。

ソレまでに一度…。明日か明後日にもダンジョンで結界のメンテナンスを行なわなければならない。

新しい結界装置の試運転も兼ねてになる。

図書室の請求書が来て支払いが終了した。

心置きなく司書たんとハアハア出来る。

問題はハアハアする時間をどうやって取るかだ。

ベスタと娘は明日から旅に出る。

コチラは問題が無い。

恐らく無事に帰ってくるだろう。

問題はギルドの反応だ、冒険者ギルドと…。宮廷は何らかの情報を隠蔽しようとしているのかも知れない。

もしくは企んでいる。

実は大した理由では無いのかも知れない。

王宮に係ると碌なコトに成らないだろう。

注意は必要だ。

選択を誤ると敵対するコトに成るかもしれない。


新しい麩レンズが加わったAチームだが。

流石に皆、アホの様に練習していたらしい。

殆どが水か、水に近い液体の操作が出来る様に成っていた。

理由は、ポーションに金が掛るから…。

まあ、切実だろう。

14人+1名だがモーガンにマグを支給して一人回転の練習をさせた。

流石に成績優秀の魔法使いの卵だ、恐らく直に追いつくだろう。

残りの14人は二組で肩に手を置き、魔力の協力を練習させた。

結果はパターンが似通って居る者同士は上達が早い。

大きく違っている者同士は初めのコツを掴むのが難しいという事だ。

ミソッカス共より習熟が早い傾向に在る…。

やはり若い内の方が魔法習得が早いので有ろう。


最後にワリス教授が実験計画書の提出を求められるとは思わなかった。


仕方がないので…。

計画書を書く。

フーコーの振り子と固定式四分義、持ち運びのできる六分儀の設計図だ。

六分儀は内陸の王国では水平線が無いので、鉛直錘が付けてある。

一人では操作できないであろう。

主に恒星の角度を観測するものだ。

後は魔法ダブルクウォーツ式機械時計。

水晶と魔法発振回路の混合だ。

コレは現物を作るしかない。

温度計を沢山、湿度計を数個、気圧計は水銀柱。

まあ、重力誤差の問題が出るが将来的な問題だ。

工作技術が上がれば解決できるだろう。

温度計を元にグローブ温度計、乾湿温度計を製作しなければならない。

問題は中の膨張体だ、アルコール温度計なら簡単に作れるが…。

測定範囲が狭い、ガリレオ温度計の方がマシだ。

基準点が無いのも問題だ…。

通常通りに水の凝固温度と蒸発温度で計るしかない。

0ケルビン(絶対)温度はこの世界でも有効なのだろうか?

華氏は海水とひつじのケツの穴を用意しなければならないのでこの国では不可能だ。


大まかな計画書が出来たので読み直す。

目的の序文、本文、結論が出てないので考察で終わり。

設計図等の細かい部分も後から追加で対応する。

まあ、コレを見せれば大まかに何を行なうのかが解るはずだ。

そろそろ飯の時間だ。

書いた書類を纏めてクリップで留め収納する。

明日の午前中は実験器具を作って教授に見せよう。



食堂に向かうと未だ数人の札が返って無かった…。

まあ、良い。

廊下で待とう。

正拳突きの型練習をする。

無言で走って来る生徒達。

ふう。いい汗かいた。

満面の笑顔で食堂に入ると重苦しい麩陰気だった。

おう、お誕生日席のモミアゲロールパンの機嫌が最悪です。

澄ました顔の隣りの鬼畜メガネ。

ロールパンに囁いている。

「そろいましたね、始めましょう。」

冷たい声だ。

微笑むMr・R(ミスター・ロバート)優雅に指示を出す、優秀な執事だ。

執事か…。

俺に必要なのは適切なアドバイスを出す配下の者なのかも知れない…。

まあ、贅沢を言っても仕方ない。

望んでも手に入らないのだ。

モミアゲロールパンに”君の執事のケツを貸してくれ”と言っても誤解されるだけだろう。

何せ、風邪を引いていないと華氏温度の基準には成り得ない。

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