表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
339/400

320.愛の奴隷3

さて、中庭でミソッカス共と別れ身形を整え朝食を取る。

日常に戻って来たという実感が湧く光景だ。

マルカと共に登校して校舎の前で別れる。

さて、困った。

どうしよう?

普通魔法科の授業に出るか。

いや、座学に出ても何も新しいことは無いだろう。

錬金術科に行こうか?

特に何も無い、いや。マイト先輩に会える(ハート)

ココで精霊魔法科に行っても、工口妊婦とイチャイチャするのが落ちだ。

少し考えて、最も平穏な手段を考える。

そうだ、図書室でサボる。

軽い足取りで図書室に向かう。

図書室のドアーは開いていたが、誰も居ない。

おう、司書たんをハアハアすることが出来ない…。

仕方がないので書置きをして写本室で、改良型結界装置を考える。

目指せ自立航行結界ユニット(自動迎撃装置付き)

勿論そんなモノは出来ない。

精々周囲の魔力を変換して貯え結界の動力にするだけの魔法だ。

魔石も使う。

先ずは銅板に鏨で書き込む。

一つサンプルが出来た。

動作は問題ない。

半径50mの空間を結界で維持する。

狭い場所で使うと仕切られた空間内でしか効果は無い。但し結界の濃度が高くなるので強力になる。

広い空間での結界の維持には数を設置するコトに成るが、設置数が多くなると元の魔力の確保が出来ないので。

設置間隔に注意が必要だ。

そうだ、大量に作らなければ…。

粘土を出して型を取る。

擦れた部分を修整する。

「粘土の在庫が少なくなったな…。王都で買えるだろうか?」

壷は売っているので近くで生産しているはずだ。

陶器は大概消費地の近くで生産されるものだからな。(輸送の問題。)

こういう変なモノを購入する為にも懇意にしている商店が在ると良いのだ。

金で何とか成る。

別を言えば金を稼ぐ必要がある。

当面の金づるを…。金を生み出す施設が必要だ。

イカンな、貧するとどうしても考えが悪い方に行ってしまう。

落ち着いて考えよう。未だ慌てる時間ではない…。

「少し、休憩しよう。」

深呼吸をして背筋を伸ばす。

外に出てお茶にしても良いかも知れない。

しかし、この図書室は飲食禁止だ。

カウンターに向かう。

おお、司書たんが微笑んでいる。

幻ではない。

「お久し振りです。エレノア。」

「お久し振りです。オットー様。」

「無事に、課外授業も終わりました。」

「はい、これで毎日会えますね。」

はい、会えます。

この一言が凄い破壊力だ。

俺はこの、ばいんばいんのおねえちゃんと毎日イチャコラできるのだ…。

くっ、目から汗が…。

「そうですね、毎日…。」

「あの…。オットー様、コチラへ…。」

顔を伏せ、写本室を示す司書たん。

いや、心の準備…、は万端だ。

このオットー!司書たんの婚約者だ、何を迷う事が在ろうか…。

司書たんの先導で個室へ向かう。

この図書室、二人ダケだ。

若い男女(ふたり)が個室でやることは決っている。

そうだ、愛を語らうのだ…。

さらにその先、手の届く所まで…。別の者が届く所までイクしかない。

扉の前に立つ、振り向くエレノア。

司書たんが笑顔で…いや、笑顔の奥に何か迷いが有る。

エレノア、俺がその迷いを梳いてやる。

「どうぞ中へ…。」

「うむ、失礼する。」

扉を開けた司書たんに促されて中に入る。

中は何も無い普通の写本室だ。

二人ならば狭くも広くも無い。

「後コレをどうぞ…。」

封書を出してきた。

おお、司書たんからの手紙!

落ち着け、俺。

きっと心細い司書たんが心の内を綴ったのだろう。

聞く様な野暮なコトはしない。

無言で逸る心を押さえ封書を切り中の手紙を…。


-------------------------------------------

       請求書


件名:

図書室内、写本室の修繕に係る一切の工事が終了したので。

以下の金額を請求する。


壁、及び建て付け書棚の修繕。

材料費:金貨28枚。

工賃 :金貨10枚

-------------------

合計 :金貨38枚


          以上

-------------------------------------------



おい…。


いや、そう言えばそうだったな…。

貴族はうろたえない。

「こ、コレは購買部で支払えば良いのか。な?」

「はい、この書類を持って購買部で精算してください。」

「そ、そうか。」

口に手をあて考える、焦るな俺。

ココは俺がキモイ本を撃墜した部屋だった、見事に痕跡も無く直っている。

流石ゲーム背景。

「原材料費の高騰で少し見積もりより高くなったそうです。」

「そ、そうなのか。いや、町の噂でもそうだったな。」

そうか。見積もりより高くなったか痛いな…。

「はい、みなさん困ってます。」

「そうか…。困ってますか…。」


いやん、まいっちんぐ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ