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313.皮なめし3

さて、戦闘凶の(ヤりたがる)ミソッカス共とは中庭で解散した。

寮の部屋に一旦戻って身体を拭き。

青隠者姿で町に出た。

ベスタは日没まで休みとしたが。

特にやる事がないのでメイド姿で寮の仕事に出た。

休むのも仕事の内なのだが…。

大丈夫だろうか?

俺は寮をでて直にポーンで王都の北門、の皮なめし屋へ飛ぶ。


店の前に立つ、特に代わり映えはしない。

店内のカウンターに進み受付のニイチャンに話す。

「おはよう。冒険者のオットーだ。獲物を売りに来た。」

俺のギルドカードをカウンターの机に出す。

ニイチャンは紙束をクリップに閉じて返してきた。

「おはよう御座います。用紙に記入のうえ裏手へどうぞ。」

「おう、わかった。」

記入しながら作業場に向かう。

なめし職人達は仕事中だが暇そうだ、直に忙しくしてやるぜ。

「親方は居るか?買い取りを願いたい。」

「はい、いらっしゃい、ああ。こんにちは。親方を呼びます、少々お待ちください。」

見たことがある若い職人だ。

工場内に向かって誰かの名前を叫んでいる。

直に親方が来た。

「おう、久し振りだな。ご注文の毛皮は未だ乾燥中だぜ?」

親方が笑顔で答える。

オッサンの笑顔ってキモイな。

「実は、新たに色々獲ってきた。買取と…。引き取りは何時も通り魔石の全てと一部革加工品を願いたい。」

「ああ、そりゃ構わんぜ?手数料との相談になるが…。」

「ではコレを頼む。」

全てのオッサンとミノ太、ドラゴンを並べる。

「おいおい、ドレだけ狩って来たんだ?」

「ちょっと旅に出ていたんだ…。沢山獲ってきたから、この革で何か設えたい。」

「ああ、そうだろう…。首が無いが…。コレはサイクロプスか?」

「そうだ、解るのか?」

「ああ、数年前に持ち込んだヤツが居る。色違いのヤツだが…。ココまで揃っているのは無い。」

「そうか…。この黒いのを一匹分革加工して引き取りたいコイツで外套を作る。」

「ああ、そりゃ良い、ちょっとした財産だ。」

「あと…。このトカゲもだが…、でかいので一部を引き取って残りを売りたい。」

「コイツは…。」

「唯の羽の生えたトカゲだ。空を飛んで火を噴くヤツだ。」

「え?ドラゴン?」

若い職人が呟く。

「おいおい、そりゃ無いだろ?」

驚く親方、他の職人もざわめいている。

「コレで革の鎧を作ろうと思っている。残りは売って加工賃に当てる心算だ。高く買ってくれ。」

「あー、あんたが倒したのか?」

「まあな…。後、この前よりデカイ熊が居たが路銀のため売ってしまった。」

困った顔の親方。

「そうかい。残念だな…。実はな。最近変なお触れが出たんだ。」

「どんな?」

「いやな、珍しい物がギルドに持ち込まれたら王族が優先購入権を持つってお触れだ…。聞いてないのか?」

「しらんな…。」

「そうか…。ギルドで確認してくれ。コイツは恐らくその対象だ。」

「自分の所有権は保証されるのだろう?」

「さあな、良くわからんお触れだ…。」

頭を掻く親方。

何か権力と銭の香りがする…。

何となくあのヤンデレ姫の顔を思い出した。

香ばしくかおるぜ!!

そうか…。アイツは俺の敵か…。

「白金貨10枚なら売ってやる。と言っておいてくれ。」

「おいおい、直接言えよ…。そんな厄介なコト。」

酷く嫌な顔をする親方。なるほど、よほど厄介な御触れらしいな。

「まあ、良いだろう。”文句が有るなら力で掛って来い。”と言ってくれ。」

「おい、そんな物騒なコトを言うなよ…。王様だぞ?」

びびる職人。

コレでは俺の資産が掠め取られてしまう。

困ったじょ?

「我が名はオットー・フォン・ハイデッカー。我が資産を簒奪する者は命を代価にせよ。購うなら力を示せ。ソレが正義だ。」

拳を見せる。

「お、おう。解った。あんたと直接話しをさせる。」

「そうしてくれ。俺の視界に無い内に俺の資産が消えるのは、楽しくない。」

親方からクリップボードの紙束を貰う。

グリーンドラゴンの金額はASKだった。

中古車かよ…。

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