307.帰還5
娘を店に送り届け、旅の準備に掛るコトをイレーネに言うと。
驚いた顔だったが、
「準備は進んでます、急げは明後日には完了です。」
「おかーさん、あたし、頑張る。」
「おぼこ頑張れ。」
「ブランあんたも手伝うの。」
「ご主人!おぼこが…。」
「まあ、手伝ってやれ、明日にも顔を出す。」
付いて来たそうな送り狼に仕事を言いつける。
無表情でしゅーんとする狼。
店を後にしてベスタと町を歩く。
途中に岩塩ブロックが売っている店が有ったので纏めて金貨1枚分購入する。
大量購入で店主も驚いていたが塩は腐らないのでドレだけ有っても良いだろう。
ベスタにも2個渡して収納させる。
GUIには
”岩塩ブロック ×38”
だ、コレで馬が多い日も安心だ。
あと、干し肉。
品質の良いモノがあまり無かったが、在庫がゼロだと心配なので銀貨1枚ぶん購入した。
しかし、何の肉なんだろう?
未だ日没には時間が有る。
ドコへ行くか…。
さて、冒険者の店のドアを潜るとソコにはきわどい服を着たチャンネーは!マイト先輩になっていた。
おう、正直涙が出てくるぜ!!
ひさしぶりだ。ウェーイwww。
「おひさしぶりですマイト先輩。」
「オットー様、戻られたのですか?」
「はい、昼に戻って来たばかりです。」
店の中を見渡すと相変わらず客が居ない。
好都合だ。
「もうしわけありません。何時もの物品を購入したいのですが…。」
俺も何時もので通じる店が出来たのだ…。
感慨深い思いで低級ポーションの空き瓶を並べる。
「はい、お待ちください。」
店の奥から大量の低級ポーションが出てくる。
マジックインクの壷も二つ出てきた。
やった!銭が減るぜ!!
精算を行なう。
明日にでも毛皮を売りに行こう。
マイト先輩情報では学園内は特に変っていないらしい。
ただし、フラン先生の機嫌が最悪らしい。
そうか…。何か有ったのか?フラン先生。
明日は休みなので明後日にも教室に顔を出そう。
未だ日が高いがやる事は有るがドコに行くにも中途半端だ。
仕方がないので寮に戻る。
校門を潜り寮に向かう。
流石に生徒の姿は少ない。
寮管理塔へ向かう。目指すは管理棟の玄関で受付だ。
残念ながら鬼畜メガネがいた。
「これは、オットー・フォン・ハイデッカー様、ご無事の帰還お祝いします。」
痩せた隙の無いカリアゲメガネ。
眼光が鋭い。
祝われてしまった。
「ああ、たった今戻った。配下の者には夕飯は食堂で取ると知らせるようにしたが…。」
目礼をする、鬼畜。
「はい、大丈夫です。承っております。」
「ああ、ありがとう。Mr.Rでは時間まで自室で休む。」
「はい、ごゆっくり。オットー・フォン・ハイデッカー様。」
部屋に戻った俺は身体を拭く、手伝うベスタ。
ベスタは簡単に身体を拭きメイド姿で仕事に出た。
俺は一人で部屋に居る。
部屋の中は特に変化は無い。
一週間程留守にしていたが空気の入替えや掃除を誰かが行なっていたらしい。
反省会だ。
旅は終わった。
やるコトを整理しよう。
先ず手に入れたダンジョンを制圧する必要が有る。
うし、宝石、魔石祭りだ。
しかし、一人で制圧するには手が足りない。
配下の者では未だ未熟であろう。
装備も足りない。
フル装備の乳タイプなら何とかなるだろうか?。
明日の鍛練に誘ってみよう。
いや、その前に俺の装備をそろえないと…。
鍋のフタではオークの攻撃にも耐えられない。
接近戦の為に拳ばかり鍛えてきたが流石に魔物相手に拳では無理だ。
熊に関節技は通用したが一対一の場合のみだ。
幾らなんでも牛祭りには対応不可能だろう。
乱戦とチーム戦での連携を考えなければならない。
そういう意味ではあの山猫団は良いチームだったのだろう。
まあ良い、ミソッカス共はもう少し実戦的な戦闘練習に入ろう。
トーナメントも近いからな。
俺も鎧を調達するか…。
どんな鎧にするか…。




