300.炭鉱の町8
町でナンパ(比喩的表現)の為、人相の悪そうなおっさん達を追い回したら、兵隊に捕まった。
そう、なかなかギルドでも酒場でもドキドキ運動会が起きないので大胆にこっちから行って見た。
兵隊達がすっ飛んできて、そのまま宿に帰された。
宿の表を兵達が監視しているので外に出られない…。
いわゆる軟禁状態だ。
くそっ、未だ日も高いのに…。
部屋に備え付けの椅子に座る。
椅子が軋むが気にしない。
ベスタは馬を見に出てこの部屋にはいない。
教授も少年少女。冒険者達も未だ町から帰っていない。
つまり取り立ててやる事はない。
反省会を行なう。
旅は順調に終わった。
最大の目的である炭鉱の町までの移動実績が出来た。
これからはポーンで一っ飛びだ。
ダンジョンも発見できた。
旅の準備で銭を使ってしまったが。
熊の討伐報酬で何とかなった。
サイクロプスとグリーンドラゴンの皮を売ればプラスに成るだろう。
炭鉱の町ではコレと言って売って居る物は無い。
王都の方が安い、ただし流石に鉱物と石炭は種類も値段も安い。
そういえば、下町や路地を歩けば押し売りババアが出るのに遭遇しなかった…。この町には居ないのか?
未だフラグが立っていないのか。
ひょっとしたら一人の時にしか出ないのか?
まあ、良い。
今度はお忍びで来よう。
復活の指輪の写しを見る。
謎の言語だ、大まかには何をやっているかは解かる。
何となく移動ポーンの文字に似ている。
まさかコレも押し売りババアから買ったモノなのか?
以前移した移動ポーンの紋章を見比べる。
なるほど、共通文字があるな…。
コレは移動ポーンの解析の糸口になるだろう。
取り合えず指輪の複製だ。
18-8ステンレスは無いが…。
ミスリルなら有る。
テーブルにミスリル100kgを一個出す。
「ウェーーーイwww10に分かれよ。」
はい、一個で良いです。
しまっちゃいます。
「再度、ウェーーーィw10に分かれよ。」
ミスリル1kgです、ぐびっと1本低級ポーションを呑む。
それ以外を収納するGUIには。
”ミスリル 1Kg ×9”
”ミスリル 10Kg ×9”
”ミスリル 100Kg ×4”
うむ、ミスリル祭りだ。
しかし、困った。
更に10に分け1ミリ程度の板にして指輪の紋章を掘り込む。
実用上指輪なだけで形は何でも良いのである。
動作確認をするなら広いほうが良い。
修整も出来る。
ただし、触媒となる宝石の固定位置は紋章の記載部分に指定があるようだ。
洗濯ばさみで屑宝石を固定する。
備え付けの素焼きのコップを割る。
割った破片を集め魔法を作動させる。
割れたコップが元に戻った…。成功した。(ハアハア)
酷くめまいがする、かなりの魔力を持ってかれた。
クリップの下の宝石は粉々に成っている。
コレは何時間前のコップなのだろうか?
そして粉々に成った宝石は…。
いや、復活の指輪をサーチした時は耐久度が有った。
恐らく宝石の耐久度だろう。
宝石の大きさは対象物の大きさや、戻す時間に影響するかもしれない。
ソレを調べるには何度も動作確認をするしかない。
いっそのコト宝石は使い捨てにしても良いだろう。
しかし、ソレには大量の宝石が必要だ、金食い虫だ。
宝石が出る廃坑はある…。
実用レベルならば…。
俺は政治工作の為の手段の加工に入った。




