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295.炭鉱の町5

さて、教会を出て町に戻っている。

そろそろ昼だ。

町を見ながら何かを食べるのも良い。

あの俺から色々ふんだくった司祭は俺に経文の書かれた板をくれた。

くそっ、縁起の悪い字面だ。風呂の焚き付けに使ってやる。

出発式をやった広場まで戻って来た。

商店が並んでいるので値段を調べる。

流石に高い。

王都も高かったが王都以上の金額だ。

何か安い物は無いか…。

雑貨屋で屑鉱石と屑宝石が売っている。

高いが買ってしまう。

宝石を触媒とする魔道具…。紋章のサンプルは手に入ったのだ。

小さくても種類が有れば実験には使えるだろう。

各種の屑宝石が入った巾着一個で金貨3枚を払ってしまった。

あと、石炭。パンより安い。

いや、パンが高いのだ。

大銀貨1枚で20袋分のバラで240kgぐらい買えた。

なお、袋入りは高い、袋が高い。

王都に帰ったら天日干しして袋に詰めよう。

少々遅い昼食を食べる。

小奇麗な食堂だ。流石に時間を外したので空いている。

席に付き、片目の店の親父はベスタが奴隷と見て何か言いたそうだったが。

丸テーブルの上に大銀貨1枚を置くと何も言わずに引っ込んだ。

店にメニューは無いらしい。

ランチと酒だけの店だ。問答無用で同じ物が日替わりで毎日同じ物で出る店らしい。

要は入荷した材料と相談。

材料が手に入らないと毎日同じ。

まあ、冒険者や、商人、旅人相手ならソレで何とかやっていけるのだろう。


出てきたのは鳥の肉のシチューに全粒粉のビスケット二枚、芋のサラダとキャベツと根野菜の酢漬けだった。

まあ、悪く無い。

飲み物はクスワだ。ピッチャーで出てきた。

「では、頂こう。豊穣の女神に感謝を。」

「はい、」

ベスタが黙祷を捧げる。

帝国式だ。

恐らく別の者に黙祷を捧げているが気にしない。

無言の食事が始まる…。葬式のようだ。

おう。麩陰気で最悪。

仕方がないので聞き耳を立てる。

カウンターの男達の声が微かに聞こえる。

「町の外れ…。」「兵隊の。」「ハイデッカーが…。」

なんだ?俺達が噂になっているのか?

「廃坑が…。」

そうだな…。廃坑のMAPを貰ったのだ。

どの廃坑か目星を付ける必要がある。

ヒントは何だ?10年前は稼動していてその後、廃坑になった。

炭鉱ではない。

金を払えば中に入れるだな。

食事が終わり店の外に出る。

広場の周囲を見ると。

屋台で芋を蒸して居る年配の男が居る。

朝には無かった。

「一つ貰おう。」

「はいよ。銅貨1枚だ。」

高いな。

銅貨1枚を渡し商品を受け取る。

「店主、ココは長いのか?」

「ええ、もう。30年かな?ガキの時分から毎日でさ。雨が降ると休みですがね。」

「そうか…。廃坑に成って金を払えば中に入って採掘できる坑道を知っているか?」

「さあ、今は聞きませんね。数年前なら三つばかり有ったんですが。全部閉鎖ですぜ。」

「そうか…。石炭ではない坑道で10年前は稼動していたそうだが。」

「一番最後に廃坑に成ったヤツですね。ソイツは去年かな?一昨年か?落盤事故が多くて閉めたハズです。」

「そうか。場所は解かるか?」

「えーと、北の廃坑ですかね。昔は宝石や水晶が出たらしいんですが。出が悪くなって閉鎖で。屑狙いの山師が奴隷使って掘ってました。」

「そうか…。北の廃坑か…。」

ビンゴだな。

「道は解かるか?」

「北門から出たら大通りから小道に入って峠を越える1本道です。小道に看板が出てるはずですぜ。」

「そうか…。」

「行かないほうが宜しいですぜ?ダンナ。」

「あ?なぜ?」

「峠にデカイ魔物が出るって噂です。」

「デカイ魔物?」

「ええ、棍棒持った。牛男らしいです。」

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