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285.最終日5

カウンターロビーで受付せずにそのまま中に招かれた。

入り口を入ると直に中庭だ建物に囲まれていている。

集会場と宴会場も有ったが手前にも小さな中庭があり周りの小部屋は全てスタッフルームらしい。

どうやら奥にもう一つ、中庭があり池を囲んで周囲に寝室ゲストルームが有るらしい。

外壁は高く窓が無い、片流れの長屋が二つの中庭を取り囲んでいるような形状だ。

恐らく上から見ると”日”の様な形に見えるだろう。

ローマ時代の住宅の様な作りだ。

柱や壁のレリーフ。金具の金ぴか等、随分と金が掛っている。

宿屋ホテルと言うよりゲストハウスに近い。

但しこの場合は迎賓館の方だ。

「お食事を用意しておりますが、少々時間が掛ります。先ずは旅の汗を流されては如何でしょうか?蒸し風呂を用意しております。」

「では…。荷を解き次第頂こう。」

「女性の方には広い蒸し風呂が在ります…。”男性の方には個室に湯女をご用意しております。”」

声を潜めて話すガナドル。

どうやらハニトラが用意済みらしい。

そんな見え透いた罠に引っかかる俺ではない。

「それはすんばらしい”ギロッ”。しかし、身の周りのコトは我が配下の者に任せてある。」

「そうですか…。残念です…。」

女性陣の眼光がこの身に刺さる。

「では、御食事の準備が整うまで居室で御寛ぎ下さい。大食堂にて歓迎の饗宴を用意しております。準備が整い次第お知らせに参ります。」

頭を垂れて下がるガナドル。

皆が集る。

「生徒オットー。ココに泊まるのか?」

「はい教授。少なくともココは外より安全だと思います。」

路地を進む時に見たボロを着た男達の顔を見た結論だ、この町はかなり治安が悪い。

この建物のスタッフは全てガナドルの息が掛った者だが入り口は一箇所、兵が立っている。

建物は高くて厚い外壁、窓も無い。一種の要塞の様なモノだ。

「各自の部屋を決めよう。」

女子部屋と男子部屋、冒険者部屋を決めた。

部屋はかなり余裕が有るが出来るだけ固まった方が良いと言うことで。

女性陣は大部屋。男性陣と冒険者で四人部屋一つづつ。

そして俺と配下の奴隷で一部屋の編成に成った。

俺に割り当てられた部屋は一番奥のデカイベッドが一つだけ有る部屋だ。

自然と決った。

女性陣から白い目で見られると思ったが、さも当たり前の様な態度だ。

どうやら情報共有されているらしい。

いやん、俺の性癖が…。

マルカと部屋に入り荷物をとく。

着替えてハンガーに掛けた服にクリーンの魔法を掛ける。

部屋に木のサンダルが備え付けてあるのでブーツを脱ぐ。

磨いて脂を塗る。

ブーツはクリーンの魔法を使ってもメンテナンスは手でやるしかない。

「あの、オットー様。クリーンの魔法はどうやったら覚えられるのでしょうか?」

着替えるマルカ。

「マルカ。俺は生活魔法の本で覚えた。本は…、家だな。恐らく図書室にも有るだろう。」

「はい、解かりました。この旅で必要な魔法が解かりました。帰ったら覚えたいと思います。」

「そうか、目的が無いと学問とは取り掛が難しい。良い事だ。」

教えてくれと言われなくて安心した。

俺は無詠唱で遣りすぎて呪文を忘れてしまった。

構成とタイミングが合えば鼻歌でも発動するからな…。

「失礼します。」

ベスタが戻って来た。

肩にカバンを下げている。

「おお、ベスタ。馬は方が付いたか?」

「ハイ、オットー様。馬の体調は問題ありません、馬車にも目立った破損はありません。馬房主に預けました。問題は在りません。」

「そうか。夕食まで時間が有るらしい。蒸し風呂が有るそうだ。女子は大浴場が有るらしい。行って来なさい。」

「はい、解かりました。オットー様はどうされますか?」

「まあ、小浴場があるそうだ。男共で旅の疲れを流す。」

ベスタは手早く着替えハンガーに服を掛けたので纏めてクリーンの魔法を掛ける。

「わかりました、では行ってきます。」

「い、いってきます。」

ベスタとマルカが部屋を出た。

俺も風呂に向かう。

風呂は奥と前の中庭の間に在った。

中庭を挿んで大浴場と小浴場の様子だ。

向こうの廊下では女子が集っている。

黄色い声がココまで聞こえる。

こっちはムサイ男ばかりだ。

「おお、集っているな。」

「オットー様。あの…。宿代の件なのですか…。」

アジルが心配そうだ。

「ああ、心配するな旅の経費だ。」

「あ、ありがとうございます。」

「うむ、まさか風呂に入れるとは思わなかった。」

安堵の声の山猫リーダーと喜ぶザーバ。

薄い布のキトンを着た女が数人やってきた。

皆、奴隷の様子だ、首輪をして飲み物の水差しや湯具を持っている。

「お世話をさせて頂く者達です。」

そのまま身を屈ませ頭を下げる女達。

”すげえ。””ここで、男に成るのか…。””おい、一応学園の活動中だぞ。”

ざわ・・ざわ・・。する男達。

魔法の連発を行なったとは言え。

こんな所でハニトラに釣られる俺ではない。

ココは我慢だ。

爆発しそうだが、我慢だ。

マルカとベスタの為にもここが我慢の見せどころだ。

爆破しそうだ!!

(´・ω・`)次回、銭湯開始(肌色多め、湯気多め。)

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