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280.四日目8

炊事班と設営班、歩哨班を分ける。

炊事班はおっとりさんの班長ソレットを中心に。23番ヴェッタと29番キーファ。

設営班のメシマズ疑惑の10番シェールが中心に。

オシリスキーとマルカ。

歩哨班は俺と39番ペルーラ、ラカスに21番クーリョだ。

但し何故かクーリョは何時も火の番だ。

猟に出たときは何時も下っ端の仕事が火の番らしい。


「はいはい、男子頑張って。」

「何で俺が全部…。」

テントの袋をオシリスキーが担ぐ。

周囲に水抜き用の溝を掘るのが通例だが魔法で片付けた。

地面を固めて周囲より上げる。

と、言うか。

土魔法で家作った方が早くない?

屋根と扉と窓は難しいが。

天幕で良いだろう。

円形ドーム型なら簡単だ、サーモバリック弾にも耐えられる物を作れる。

銃眼が有れば支援攻撃も出来る。

ソレにはあの丘と、あの丘に分隊を配置して…。

連絡塹壕を設置して…。

監視塔が在ると楽だ。

イカンな。別に要塞を作る必要は無いのだ。

ソレでは宿営の実習にならない。

何となく教授が文句言いそうだ。



俺も手伝い日が落ちる前に三つのテントを張り終えた。

順番とはいえ力の無い女子が集ってしまったので仕方が無い。

ベスタが柵を確認して馬を放した。


柵の中を自由に歩き回る馬。

放牧だが、泥に近い。馬が耕して餌になる草は少ない様子だ。

なるほど…。

飼葉は買うしか無いな。

「オットー様。馬の飼葉になる物が周囲に有りません。小屋の飼葉は少々乾燥気味であまり良い飼葉ではありません。」

ベスタが周囲を見た結果を報告する。

「そうか…。飼葉を買おう。最悪。食料のキャベツと丸麦を食べさせよう。」

「はい。飼葉は良いモノを選んでおきます。」

どうせ明日には町だ、収納に野菜が有っても暫くは使わない。

勿体ないとも思うが馬の慰労も兼ねてキャベツやニンジンを収納から出す。


そうこうすると日が地に近くなる。

設営が終わり、休憩用のお茶の準備が出来ている。。

手の空いた者から焚き火に集り明日の準備を始めている。


森に続く小道に一人の男が歩いているの発見した。

茶色の服に背中に何かを担いでいる。

コチラに向かっているので管理人だろうか?

ペルーラが手を振ると気が付いたのか手を振り返す。

男はコチラに向かっている様子だ、足を速めている。


「敵意は無い様です。だれでしょうか?旅人?」

ペルーラが報告する。

「年配の男性、腰に手斧と袋。背中は薪ですね、装備はブーツに作業に適した布の服。毛皮のベスト?一人です。周囲に仲間は居ません。」

ラカスが手で筒を作り遠くの男を観察している。

「ラカス。恐らく管理人だな。普段どうりにしていろ。」



「やあ、ごきげんよう。商隊さんかい?私はココの管理を行なっている。ワルサという者だ。」

背負子の薪を下ろして手を差し出した初老の男。

痩せ型で亜麻色の短い髪に髭を生やしている。

「こんにちは、今晩の宿をお借りする。我々は王都から来た魔法学園の一団だ。学生と教師。後は護衛の冒険者だ。」

俺は固い握手をする。

「ほう、王都への帰りかい?しかし。町で聞いていると思うが…。止めた方が良いのでは?」

「いや?王都からハイデッカー領経由で来た。明日は目的地の炭鉱の町だ。」

「うん?ハイデッカー領から?熊が出ただろ?」

「倒した。」

「いや、いや。何でも見上げる様な大きな熊だ。しかも普通の熊じゃない。町の兵隊さんが討伐に行ったが半分しか帰って来なかったんだ。」

「ああ、ココから半日の場所に居た、そのデカイ熊だ。ハイデッカー領の近くはサイクロプスも居た。」

「いや、兵隊さん達が逃げ帰ってきたんだよ。酷いもんだった。今はハイデッカー領への街道は通行止めになっている。」

なるほど、信じていないのか?

話が進まない仕方がないので収納から新鮮な熊を出す。

「こ!コレは!!」

腰を抜かす管理人。

「倒したのはこの熊だ。レッドベアらしい。この種の熊は狩った事は有るが一番デカイ熊だ。」

「アンタが倒したのかい?」

「まあな。後は、ハイデッカー領内では兵隊が出ている。かなりの魔物を狩っている。そうだ…。」

「そうか…、ハイデッカー様が。ソレなら納得だ。」

「未だ判らんがココ2,3日はこの熊以外はツノウサギしか出なかった。恐らく近々通行禁止も解けるだろう。」

「そりゃ良かった。しばらく街道が封鎖されて旅人も商隊も来なかったんだ。歓迎しよう。」

「ありがとう、ソレで看板を読んだが馬車1台に15人だ、飼葉は…選ばせて貰ったが、2束に薪束を2つ、但し薪束は追加を買うかもしれない。」

「ああ、薪の追加分は後で精算で良いよ。朝早く出るなら使った分だけ横の料金箱に入れておいてくれ。」

管理人に金を渡し精算する。

「最近は熊のせいで旅人も居なくてね。良い話だ。明日から準備しておかなければ…。」

どうやら管理人は薪代と飼葉代で食べているらしい。

正に木賃宿だ。(露天)

管理人と別れ。

皆で焚き火を囲み、うさぎとニンジンのシチューとパンを食べる。

「あたしのおいしいうさぎさん…。」

うむ、その通りだ流石、炊事班ソレット料理が旨い。

食後の梨とお茶を飲みながら、皆雑談を楽しんでいる。


明日の準備が終わり皆テントに入る。

深夜からの夜営組みザーバとラカス、クーリョは食事をしてテントで睡眠を取っている。

俺は深夜までの夜の守だ。教授とアジル、俺は周囲の監視だ。

教授とは魔術や自然科学の話が多いのでアジルが眠そうだ。

夜もふけてきた。

教授がうつらうつらと船を漕ぎ出したので、監視の片手間に鉄2を弾に換える。

昼間の様ないざと言う時、弾が無いでは困る。

二つのインゴットを弾に換える。

今回は加工の手間を考え50gの球だ。

直径20mmより大きい。

貫通力が無くなるが破壊力は問題ないだろう。

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