表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
282/400

264.二日目2

馬車置き場に向かうと全員が揃っていた。

「おはよう諸君。」

「「「おはようございます。」」」

「今日の予定だが…。砦の兵が素材を剥ぎ取っている。ソレを受け取り次第。魔物の残骸を魔法で焼く。街道の安全を確認しながら炭鉱の町へ進む。」

「了解しました。オットー様。馬と馬車は問題ありません。」

ベスタの報告だ。ワリス教授が前に出る。

「生徒オットー。街道は安全なのか?」

「教授、その件ですが…。いや、皆に言おう。現状、猟師頭の見立てでは森の中、全ての魔物が出た様子だ。どちらにしても街道を進まなければ安全はわからない。」

「そうか…。解かった。」

納得する教授。

「うむ、皆も了解してくれ、現状危険度は下がったが未だ何が在るか解からない。ところで皆、朝食は食べたか?」

「「「はい、」」頂きました。」

答える下級生と冒険者。

「そうか…。」

顎に手をやり考える。

いやん。皆、朝早いな。

「オットー様。昨日の魔法はすばらしい物でした。宮廷魔法使いクラスならあんな高威力魔法が使えるんですね。」

ムロの目はキラッキラッさせながら訪ねてくる。

”いや、あんなの無理だぞ。”

冷静に教授のツッコミが入るがムロの耳に届いていない様子だ。

「魔法の、日々の鍛練を忘れなければ誰にでも出来るコトだ。」

「はい!」

力強く答えるムロ。

「えー…。」

ダーク少年のテンションが低い。

そうか…。夜目が利くダーク少年だけが昨晩の一部始終を見ていた事になる。

「モーガン君昨日はどうなったの?」

23番金髪垂れ目のヴェッタだ。

「うむ、俺はオットー様の直々の命により小石を拾っていた。」

胸を張って答えるオシリスキー。

「う、使えない。」

金髪ショートがツッコミを入れる。

「なにっ!?」

怒るDTオシリスキー。

「ラカス君何が起きたの?」

今度はダーク少年に尋ねるヴェッタ。

「えーと。魔物が出てオットー様が何かして魔物が倒れた。」

「?それだけ?」

「えーと。オーガが出てオットー様が何かしてオーガが木っ端微塵になった。」

「オーガ?」

「あと。サイクロプスが出てオットー様が何かしてサイクロプスが木っ端微塵になった。」

「それは私も見た。」

クーリョが答える。

「最後はドラゴンが出てオットー様が何かして全部、木っ端微塵になった。」

「ドラゴン?」

「ドラゴンだった、空飛んでた。火を噴こうとしていた。」

ガクブルし始めるダーク少年。

「あの魔法は凄かった。俺も何時かあんな魔法が使える様に成りたい。」

ムロの清んだ目に俺が映る。

「やべぇ、ムロが汎人辞める気だ。」

むっ?俺は未だ普通の汎人だぞ?


収納のパンと梨を食べ。

時間が有るので落としたドラゴンを見に行く。

休憩中の兵達が集まっているので直に解かる。

全長8m幅12mだろうか?

翼竜で首が長い。

直撃はしなかった様子だが。

首が辛うじて繋がっているのと片翼、皮膜が全て破れ骨のみが露出している。

手に触れてみる。

「あの…。」

「オイ、よせ!」

後ろから声を掛ける兵が何か言いた毛だ。

「どうした?」

「いえ、あの…。記念品を…。」

一応雑魚でもドラゴンだ。

倒したのを見て、土産話でも嘘吐き扱いされるだけだろう。

収納魔法からエンリケ包丁を取り出す。

千切れかけた首の皮膚を…ドラゴンの皮を剥ぐ。

”え?ナイフで、ドラゴンの皮切れる?”

驚く兵、鱗の有る生き物は剥ぐのにコツがある。

50cm四方ほど皮を剥ぎ。

兵に渡す。

「ほら、皆で鱗を分けろ。コレなら誰に”ドラゴンを見た”と言ってもホラ吹きだとは思わないぞ。」

「はっ!ありがとうございます!!」

敬礼をする兵達。

はい、収納。

後は、首の無いサイクロプスが何体も転がっている。

暗くて解からなかったがサイクロプスには色々居るらしい。

主に肌の色が。

緑や赤、青&黄色。黒も居る。

首が無いので解からないか4m程度だろうか?3m程度の個体も居る。

手の付いてない物から収納。

GUIには。

”グリーンドラゴン×1”

”サイクロプス  ×8”

”ギガンテス   ×6”

”エルステリーゼ ×3”

”ティタンテ   ×2”

”ギーガス    ×3”

色が違うと別の種別なのか…。

流石ゲーム。CGのデータ使いまわしだな。

兵達が一箇所に屍を積み上げている。

解体した魔物だ。

あたりは血と臓物の臭いがたちこめている。

兵達は無言で口を布で覆い作業している。

「この山は燃やして良いのか?」

「はい、どうぞ。もう積みあがりません。」

「よし解かった。下がっていろ。」

兵を下がらせ、

「ファイヤーストーム!!」

おう。良く燃える。

天高く火災旋風が立ち昇る。

後は燃える物が無くなれば消えるだろう。

手を止め呆然と天まで昇る炎を見る兵士たち。

「次は何を燃やせばよい?」

笑顔で訪ねるが兵の顔は絶望の色だった。


ファイヤーストームを四発、打ち上げると。

兵達が砦に戻ってくる。

そろそろ昼飯だ。

飯を喰ってからの出発になる。

兵達に混じって食事の配給を受け取る。

昨日の晩飯と同じ内容だ。

しかし、肉は鹿肉では無く謎肉になっている。

喰える魔物が居たのかもしれない。

喰えるので問題は無い、”何の肉か?”は今は知りたくない。

「お肉は…。感謝して…。ううっ」

29番が心強いコトを呟いて食べている。

泣くほど美味いらしい。

食事が終わり。

出発の準備も整う。

草原の火も消えている。

「オットー様、ありがとうございました。」

「なに、我が故郷の大事だ大したコトでは無い。」

指揮官と硬い握手をする。

「ぼっちゃん、お強くなられましたな。」

「猟師頭殿。日々の鍛練と勉学の成果だ。俺はコレでも魔法使いの端くれなのだ。」

授業はサボりまくっているのは実家には内緒だ。

「コレは収穫した魔石です。」

布の巾着を指揮官から両手で受け取る。

かなりの大きさだ…。

重さを確かめ収納する。

”巾着大(魔石大:38 魔石中:212 魔石小:1215)”

魔石天国だ…。

コレを銭に替える方法を考えなくては…。

砦の門が開く。

「よし!魔法学園課外授業班前進!!」

城兵が整列して敬礼する中を馬車が進む。

「道中お気を付けて。」

「ぼっちゃん。お元気で。」

指揮官と猟師頭の声に手を振って答える。

よし、俺達の旅は未だ始まったばかりだっ!!

( ゜Д゜)「ドレだけ頑張っても切れなかったのに。オットー様、普通に包丁ナイフでドラゴンの皮切ってた!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ