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258.一日目4

さて、休憩時間になったが休憩できない。

飯の準備だ。

ベスタは既に馬車を降りて草原の草を刈っている。

その間に食事の準備だ。

「今日はあまり大した物が出来ない。レバーと心臓が在るのでコレを食べよう。うさぎは今日の夜にシチューにしようと思う。何が食べたい?」

家事のコトは女子に聞く。

もう既に折りたたみ机の展開が完了して、その前でマルカと鉢巻少女隊が相談している。

「シチュー?」

「煮込み時間が掛る。」

「串焼き?」

「鹿さん…。」

「串焼きなら…。でもソレだけだと。」

「あの。オットー様、材料は何が在りますか?」

15番ソレット黒髪ロングが訪ねる。

「そうだな、副食でパンと梨を人数分出す、大量に有る食材は、キャベツとトマト、ニンジン。イモと…タマネギ。後は乾燥豆類と丸麦、ハーブの類。オーリブ油&岩塩、酢。干し肉が少々。」

「時間が有れば何でも出来そうですね…。」

悩む黒髪ロング。そうだな、確かに昼に手早く食べる食材には使えない物ばかりだ。

「オイル煮はどうだろうか?邪道だが鍋で作って皆によそおう。」

「そうですね…。」

「ソレが早いです。片付けが手間ですが…。」

「わたし、クリーンの魔法が使えます。最近、母から教わりました。」

黒髪ロングのおっとりさんが手を上げて申告した。

「それなら早いです。」

「では何を入れましょう?心臓とレバー、タマネギと…。ニンジン?」

「鹿さん…。」

「イモとトマトを入れても良いかも知れません。細かく切らないと弾けますが…。」

「ニンジン…。は入れないで。」

話が纏まって来た様子だ。

「では食材を出すので調理を頼む。俺は肉の下ごしらえをする。」

さて、食材をテーブルの上に並べる。

キャベツは使わないが一個だけ出しておく。

ベスタがやって来た。

「オットー様、馬が飲む水なのですが…。」

そうだな。水場まで到着できなかった。

「水を出す鍋が有る。少々時間が掛るが人の飲料水と共用なので桶に移してからやってくれ。」

「了解しました。」

収納から寸胴鍋を出す。

鍋蓋に魔力を通す。

「さてと。」

もう既に火が付いている。馬車に積んで有った薪が使われている。

数は少ないのでドコかで調達しなければ。

金髪ショートの10番シェールと弓持ち赤目の白髪朴念仁21番クーリョが火の番らしい。

調理の方は15番のソレットが音頭を取っている、黒髪に布頭巾とエプロンを付けて本気モードだ。

マルカもタマネギの皮をむいている。

俺は、収納からフライパンと授業で作った鍋を出して水を張る。

鍋には酢を足す。

まな板に包丁を出してレバーと心臓を切り、刻んで血の塊を取り出しフライパンの水で洗い落とし鍋に放り込む。

終わったら鍋に魔力を通し沸騰直前で止めた。

鍋の中の水が赤黒い。灰汁も浮いている。

コレで風味も少し落ちるが血が抜けたコトになる。

クリーンを掛けて湯を通したフライパンに肉を移す。山盛りになっている。


コレを机まで持っていく。

馬車に積んで有ったトライポットが焚き火に掛っており鍋の出番を待っている。

机には鍋に食材が投入されつつある。

「肉の処理が終わった。酢で下茹でした。」

「下茹で?酢?要るんですか?」

驚く黒髪に布頭巾

「要らないが…。生臭みが無くなる。血の臭いが納まる。勿論ソレだと味気が無いと言う人は居るが…。今回は女性が多いのでやった。」

「オットー様は料理ができるのですか?」

マルカも驚いている。

「いや、調理人の受け売りだ。煮込み過ぎない事が重要らしい、未だ中は生だ。良く火を通せ。」

俺は料理をしたことは無いが…。ショウちゃんの知識だ。

ショウちゃんは一人暮らしで料理を頑張ったが。

激務の為インスタントに回帰したそうだ。

「はい、わかりました。」

最後にハーブとオイルが鍋に足されてトライポットに掛る。

後は任せよう。

まな板と鍋の片付けをしていると、ベスタが飼葉桶を持ってやって来た。

水の補給か。

寸胴鍋にはもう既に水が一杯になっている。

「オットー様。この水ですと…。水が冷たすぎます。」

「なに?そうなのか?」

「はい、馬にやる水は冷たすぎると馬に悪いです。人肌より温い程度です。」

「そうか…。」

顎に手をやり考える。

そうなのか…。コレは人間専用だな…。

「あと…塩が欲しいのですが。」

むっ、塩は岩塩ブロックが2個有るだけだ。

「人間用の岩塩塊が二つ有るが…。」

「恐らく…。馬二頭で一ヶ月で一個は使います。」

ガーンだな。岩塩ブロック、1年使えると思っていたが一瞬で無くなりそうだ。

塩が無くなると辛い。タムラ料理長が困ってしまう…。

どうりで市場で大量に売っていると思った…。

岩塩ブロックを一個ベスタに渡して。

残り一個を人用に使うことに成った。

この旅が終わったらかなり目減りしているだろう。

帰ったら大量に買っておこう。

なお、飼葉桶に移した水は魔法で加熱して温くした…。

くそっ。二度手間だっ。

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