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257.一日目3

街道を進む。

疲れた者は交代で馬車の後ろに乗っている。

馬車には色々積んで有るが未だ積載量に余裕があるので4人ぐらいは問題は無い。

俺とザーバは二人分計算らしいが。

馬車に乗った29番キーファ、緑色のお下げの少女が指を差し声を上げる。

「見て!鹿が二匹いる!かわ…。」

俺は鹿発見の声に反応して小石を真空チューブに乗せる。

GUIのレチクルはロックオン状態だ。

問題ない。

二頭の鹿が血飛沫を上げ倒れる。

狙った頭部に命中したらしい。

「か…。か…。」

指を差し確認のまま固まった、緑色のお下げ。

「29番!良く見つけた。コレでこの旅は肉のスープが約束されたぞ!!」

皆を励ますが何故か全員の顔は微妙だった。

「やべぇ、やった肉だ!」

うん、強い子だ。冒険者。


鹿を回収して馬車の後ろに棒で下げ手早く内臓を抜く。

両方共同じような2歳の雄だ。

レバーの色も良い。

今日は硬くて食べられないので鹿のレバーとウサギのシチューだ。

豪華だろ?

いや、オリーブ油とハーブが有るのでアヒージョにしても良いかも知れない。

心臓も取って置くか…。

緑のお下げの少女が解体を見学している。

「鹿さん…。鹿さんが…。」

うんうん。嬉しいのか?29番、俺も嬉しいぞ。

やっぱ肉だよ肉。


さて、途中の戦闘うさぎと鹿の処理で随分と時間が掛ってしまった。

このままだと日が暮れるまでに境界を越えることが出来ない。

「困ったな、予定より遅れてしまった…。」

頭で考えて居たが声に出してしまった。

「申し訳ありませんオットー様。馬車の到着が遅れまして。」

「ああ、ベスタ構わん。どうせ日にちは多く取ってある。」

「そうです!!オットー様ブランを叱ってやって下さい。」

「まあ、そうですが…。」

馬車の上で怒る娘と苦笑するベスタ。

「何か有ったのか?」

「朝、出発前にブランがメイド姿で馬車から降りなかったんです!!」

怒る娘に続けるベスタ。

「一緒に行くと聞かなかったんですよ。」

「そうか、ソレは済まなかった。」

「お母さんが怒って渋々降りたんです。」

「ベスタそうなのか?」

「はい。」

「お願いします、オットー様からも一言ってやってください。」

娘の怒り方からかなり渋ったらしい。

「帰ったら一言いっておく。」

水場まで到達できなかった。

草原の終わりが見えてきたので途中で休憩だ。

この森を抜けた所に水場が有る。

昼食の時間になったので休憩に入るため、教授に申告する。

「ココで昼の休憩にします。」

「解かった。結界を張れ。」

「え?見晴しが良いので奇襲は受けませんが?」

「生徒オットーこれは実習なのだ、休憩時は必ず結界を張ること。」

「了解。」

そういう課目なら仕方ない。

直径1kmの結界を展開する。

俺が学園(の本)で学んだ数少ない魔法の一つだ。

但し、効率を上げてある。

途端に嫌な顔をする教授。

「生徒オットー魔力の加減に注意せよ。」

「了解しました。しかしソレほどの物ではないのですが。」

「先は長い。十分に考えて行動せよ。」

「はい…。」

さて、休憩時間になったが休憩できない。

飯の準備だ。

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