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248.カレーの国2

帝国料理の店(エール屋)の暖簾(比喩的表現)を潜ると。

良かった、席は空いている。

「いらっしゃいませ。」

始めはコチラの大人数に女中も驚いている様子だが。

「すまないが20名だ。」

「はい、少々お待ち下さい。」

素早くテーブルを揃える女中。


待っていると、店主が出てきた。

「何時もありがとうございます。」

「ああ、今日も頼む。」

「あの…、お借りしていた本ですが写し終えることが出来ました。」

マルカが大事そうに帝国語の本を差し出す。

受け取った店主は本を眺める。

「はい、確かに。」

「あの…。調理法で幾つか解からないことが有るのですが…。あと、調味料も。」

「ええ、何でもどうぞ。」

マルカが色々質問している。

店主はそれに答えている。

調味料はやはり南部の物で王国では入手が難しい物も有るらしい。

店主は何とか代用品か伝手で手に入れている様子だ。

なるほど流石料理人良い仕事だ。素人がやると飯マズの沼だな。

「では。調味料を少しお分けしましょう。」

「はい、ありがとうご…。あの、申し訳ありません。」

マルカがコチラを見ている。

”奴隷が物欲しそうに…。”では無いが。

「ああ、すまない店主殿お心遣い申し訳ない、マルカ、分けてもらおう。代金はこの飲食に付けてくれ。」

「はい、解かりました。」


「あの、お席の準備が整いました。」

女中の案内で席に付く。

席で女中に金貨3枚を渡す。

お誕生日席に座った俺が口火を切る。

「さて、今日は特に祝い事は無いが学園の課外授業に参加するメンバーを集め懇親を深める為に集ってもらった。俺の奢りだ。存分に喰って飲んでくれ。」

「「「はい!」」」

ワインの果汁割りが並ぶ。

「では行き渡ったな?乾杯。」

「「「乾杯」」」

コップを空ける。料理が並び始める。

「では皆の者。今日は無礼講で行こう。」

楽しい食事が始まる。

肉とキャベツの酢漬けの大皿が並ぶ。

皆思い思いの物を齧りながら自己紹介が始まる。

軽い酒精しか入っていない飲み物だが皆、美味しい物を食べると陽気になる。

特にご婦人は甘い物が並ぶと嬉しそうだ。

そうだ、良く食べて育つのだ。

アレックスの芝居がかった自己紹介で女子の殆どがドン引きするが。

悪乗りする前に魔法的テイザーガンで無力化したので事なきをえた。

”見たか?””見たが解からん。”乳タイプがうるせえな…。

マルカもベスタも笑っている。

学園に来てから無表情が無くなり随分と良くなった。

席でビクンビクンする前髪を無視して饗宴は続く。

はじめ上級貴族の中で下級貴族のオシリスキーはかなり緊張している様子だったが随分と打ち解けて来た。

特に大雑把なダークとキレ芸のオシリスキー。良いコンビだ。

「オシリス、いや。モーガンお前は数少ない前衛だ。頼んだぞ?」

「はい、お任せ下さいオットー様!剣には自信が在ります。」

「俺も頑張ります。」

「おい、ラカス俺の邪魔をするなよ!」

「はいはい、男爵様~。もう一杯いきましょう!!」

ダーク少年とオシリスキーは随分と仲が良くなった様子だ。

まあ唯一の男の子だ。

根性を出してくれないと困る。


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