232.教員室2
食堂で解散して教員室のワリス教授の机に向かう。
授業には未だ時間が有る間に合うハズだ。
ドアーをノックして返答を待つ。
「誰だ?」
「オットーフォンハイデッカーです、課外授業の件でワリス教授に相談に伺いました。」
「入れ。」
一礼してドアーを潜る。
教授は机で食事を終えお茶をしている所だった。
「ワリス教授、ご相談があります。」
「なんだ?生徒オットー。」
「意外にも参加希望者が多くてですね。」
「ああ、その様だな、購買より名簿を受け取っている。」
「明日の放課後図書室で説明会を行なおうと思うのです。」
「そうか…わかった俺も参加しよう。」
「ありがとうございます。ソレで今までの課外授業で生徒個人の持ち物等の資料は残ってませんか?」
「うむ、ちょっと待て。コレが昔、誰かが作った手帳だ。古いモノだが。良く出来ている。参考になる。後で必ず返却すること。」
分厚いファイルからよれた冊子が出てきた。
女性が書いた物らしい。
なるほど…。イラスト入りで詳しい、トイレの話まで書いてある。
遠足のしおりに近いモノがある。
「ほう、かなり几帳面な方が書いたのですね。良くわかる。お借りします。」
「そうだな。生徒にとっては一番良い資料だ。まあ、目的地等で多少は装備も変わるがソコラ辺の判断は生徒個人の課題の一部だ。」
「はっ了解しました。」
書類にサインをする教授。
「あの…。教授。馬車に全員が乗らない可能性が有るのですが…。」
「いや、問題は無い、馬車は荷物の運搬だ。最悪ケガ人が乗れば良い。」
なるほど。それなら何人でも大丈夫だ。
ちょっと安心した。
「出発予定はどうするのだ?」
「はい、明日の説明会で決定しますが予定では休日、朝に学園を出発したいと思ってます。」
「そうか…。その様に準備はしておこう。しかし急すぎではいか?」
「参加生徒には一日で用意を整えるコトになりますが。まあ何が有っても対応できるのは大事なコトだと思います。」
勿論、詭弁だ。
コチラの都合だけのイベントだからな。
「そうだな。主催者は十分に準備を行なうこと。後…。出発日時はギルドの方に伝えたか?」
「いえ…。未だです。」
「伝えて置くと良い。冒険者の都合もある。この書類を冒険者ギルドに提出しろ。向こうが冒険者の審査を行なうハズだ。」
冒険者への提出書類と、参加希望者の名簿も在る。8人か…多すぎだな。
「はい、わかりました。冒険者の審査ですか?」
「ああ、一応、君達は良い所の家の者が多い。学園もギルドも気を使っているのだ。おかしな冒険者は使わない。」
「なるほど…。」
「冒険者への報酬金額も規定が在る。物価が高いと集らない場合が有るが…。その時は上乗せするしかない。狩った獲物で払った事も有ったそうだ。」
なるほど…。確かにそうだ。ギルドで報酬金額の記入は必要ないとはこの事か…。[(´・ω・`)b上手く誤魔化せたっ!!]
忙しい時は冒険者も単価が上がるだろう。
確認しておく必要がある、冒険者ギルドへ行こう。
「ありがとうございます。ギルドへの申請書類はコレで行こうと思います。Dランクの冒険者1名は我が配下の者が居りますのでソレを使います。」
「そうか…。その者の推薦状を付けてギルドに申請しておけ…。学園からは払いは無いがランクアップのポイントになる。」
「はっ、解かりました。」
「用紙はコレに書き込め。学園からの推薦状だ…。」
用紙を受け取る。
そういえば俺の推薦状は未だ手に入れてないが…。
ワリス教授に頼むと…。要らん借りを作りそうなので止めておく。
そうか…。申請は早いほうが良いな。
「はっ。では早速ギルドに行って来ます。」
書類を纏めて忘れ物が無いか確認すると一礼して。ポケットのポーンを探る。
「ああ、そうだな生徒オットーはやい…。消えた!」
教授の驚く顔は見えなかった。




