22.サンドウィッチ
あまり食事が進まなかったので、パンとチキンとサラダが残った。
モッタイナイのでくっコロさんにサンドイッチを作らせる。
「さんど・・・?」
「肉を薄くきったパンで挟んで携帯食料にするんだ。一緒に野菜を挟んでも良い。ビネガーで下味がついていれば腐敗防止にもなる。水分が多い場合はパンの接合面にラードかバターを塗るんだ。」
この場合のラードは酸っぱい林檎を微塵切りにして牛脂又は豚脂で揚げた物だ。ライ麦パンに良く会う。(ドイツ軍従軍記のパンとラードはコレのことです。)
くっコロさんが恐る恐る作る。
「おお!そうだ、マスタードを少し加えると冷えた時の味のアクセントになる。出来た物は油紙に包め。冷暗所なら1日は持つ。」
うむ、野菜とチキンのクラブサンドが出来た。
ちょっと量が多いな。
半分を魔法収納に入れる。
「もし、後で小腹が空いたらコレを食べろ。俺の分は確保してある。」
食器を片付け、ワゴンが寮に返却される。
よくよく考えるとスゴイなこの寮。
金が掛っている。
親父が俺にこんなに金かけるなんて何か裏があるのではないか?
上の兄貴は軍でブイブイ言わしているし。
下の兄貴は官僚でエリートコースまっしぐらだ。
俺はミソッカスで家庭教師も無しに独学でやって来た。
コレは親父が何か企んでいるのに間違いない。
困った、コレはゲーム的な強制力なのでは?
夜になり明日の準備を整えると。
それぞれが自分のベットに戻った。
なんと言うことだ!!orz!!
食事の時選択を誤ったので、この新品キングサイズベッドの上でラブラブチュッチュの大運動会CGが回収できなかった!!
高価なフカフカ枕に怒りの拳をぶつける。
「くっそ!!三人川の字になってサンドイッチで、三連結が!!」
百烈拳が終わると。
けだるい疲労感に広いベッドの上で大の字になる。
ああ、明日は新キャラが続々出てくる。
こんな所で選択ミスしていたら先が思いやられる。
冷静な対応が必要だ。
まどろむとドアをノック無しでゆっくり入る人影が。
おお、ロリか。
暗殺者かと思ったぞ。
魔法メガ粒子砲を撃とうかと思ってしまったぞ!!
残念ながら未だウランぐらいの質量を0.1光秒しか打ち出せない。
必ずや、ニュートリノぐらいの質量を0.8光秒で打ち出せる加速器を構築したい。
ロリがベッドの端に腰を掛ける。
顔を覗くと涙目だ。怖い夢でも見たのかもしれない。
手を握るとそのまま覆いかぶさった。
良かった、刃物で武装していない。
そのまま肩に手を伸ばし身を寄せる。
体温を感じる。そのまま啜り泣きを聞きながら眠りについた。
おう、ケツも乳も揉めないなんて何と言う罰ゲー!!




