216.絶縁4
ドアーの中に光点が移動したことを確認すると閉める。
姿を現すエロフとエロ姫。
エロフの服が前より工口方面に進んでいる。
「ご招待ありがとうございます。」
「憑いてきちゃった。」
そうか、憑いてきたか…。
フラン先生が憑いて来たが二人とも風呂上りの様子だ。
「イネス教授。その服カッコイイですね。」
「はい、お気に入りの服です。オットー様に見ていただきたいと思い着てきました。あの…。イネスとおよび下さい。」
「ふふ~ん。何か言うことは無いのかな?オットー君。」
何か人の悪事を見つけた様な得意顔のフラン先生。
「フラン先生。は何時も通りですね。」
「用意する暇が無かったのよ…。イネスがコソコソしてたから入浴前に問い詰めたの。」
「ほう、では二人で仲良くお風呂でしたか…。」
「ええ?仲良くね。イネス。」
「はい、仲良くです。フラン。」
笑顔に何故か青筋が立っている。
「フフフフ」
「へへへへ」
まあ仲よいなら良いコトだ。
歓迎の準備が出来て居ないのを思い出した…。
「では、お茶を用意します。実は未だ配下の者が戻っておりません。たいしてお構いできませんが。お席にどうぞ。」
「はい、オットー君。」
「あの、オットー様。ワインを持ってきました。」
イネスが収納からワインの瓶を出してきた。
「ほう。グラスの方がよろしいですね。」
常時、ワゴンにグラスと水は用意してあるので並べるダケだ。
禁酒の寮内で教授の差し入れの酒だ、何も問題は無いだろう。
「あ、オットー君、ワタシ、焼き菓子持って来た。」
フラン先生が焼き菓子を収納から出す。塩のビスケットだ。
酒のツマミに丁度良い。
ワインを皆に次ぐ。
白ワインだ。
「では乾杯。」
「「かんぱ~い」」
軽く口を付ける。
うん、甘めだ。渋みは無い。透明で色も良い。
良い香りだ。
「うふふふふ」
「おいし~。」
御夫人方もご機嫌だ。
「二人で飲みたかったのです。」
イネスが余韻を味わいながら頬に手の平を当て頭を傾ける。
「あら?ワタシはお邪魔なのかしら~、イネス抜け駆け禁止よ!!」
「うふふふ、妻として当然ですわ。」
「つ、妻!ワタシ。妻じゃなくても良いけど…。こどもにお父さんは…。」
何故か言葉が掠れるフラン先生。
そうか、皆、将来のコトを話あう必要があるな…。
「そうですね…。フラン、イネス、将来の話なのですが…。」
ドアーのノック音で中断される。
ドアーの前に3個の光点。
「ただいま戻りました…。」
マルカとベスタとブランが部屋に入ってきた。
女達が何故か全員が微妙な表情になる
いや、ブランは無表情で尻尾のパタパタが激しい。
「ご主人。今日は全員種付けですか?」
「ブラン、身も蓋も無い事言うな。今日は何故来た?」
「店で受け取った草を持って来ました。」
「そうか…。受け取ろう。」
収納から取り出すブラン。
受け取り収納する。
うむ、GUIには
”毒消しの草 12”
”毒消しの草(束)55”
”薬草2 29”
になった。集まりが悪いな…。
「何か店で在ったのか?」
「いえ、特に在りません。ただ。また来て欲しいとのお母様の託です。」
うむ、そうか…。明日顔を出そう。
武器屋の節穴親父の顔を見なければならない。
金物屋と冒険者ギルドの手配も必要だ…。
「あの…。オットー様。お店とは…?」
「ああ、王都に雑貨屋を所有しています。この子…。ブランは俺の奴隷でソコの丁稚の様な者です。」
「はい、ご主人のメス犬奴隷のブラン、デス。」(物理。)
スカートの端を持ち上げ優雅に頭を垂れる犬耳メイド。
「くっ!羨ましいっ!!」(性的な意味で。)
エロフが呟くが。
俺が顔を向けると目を逸らすエロフ。
「オットー君お店持ってるの?」
フラン先生がズビッシ!と手を挙げて質問してきた。
「はい、元々は知合いの店でしたが店主が亡くなり資金を融資して俺の個人所有の店になりました。」
会った事は無いがモニターの向こうで知り合っているので問題無いだろう…。
「えー、すごーい。でも何で?」
「いえ…。そのうち軍に入って所帯を持つコトに成るので…。資金の調達です。」
「え?オットー様は…。何時か…。この学園から去るのですか?」
「まあ、その内は…。軍に入っても帰る家は必要です。当面は王都に居を構えるつもりです…。未だ先の話ですが…。」
「そうですか…。」
何故かショックを受けるイネス教授。
「ふーん、へーん、ほーん。」
何故かニヤ付くフラン先生。
「貴方達はどうするの?メイドさん達。」
「オットー様に一生御仕えするつもりです。」
「あ、あの。一生メイドを…。したいです…。」
「メス犬の勤めを果たしバンバン子を産んで群を大きくします。」
何か違うコトを言っているのが一人…。一匹居るが。
「あ、子供も欲しいです。」「は、はい。あの…。産みたいで…。す…。」
ソレに追従するメイドさんず。
「ふふふふふ。お姉さんに任せなさい。」
フラン先生が何か余計なコトを思いついたらしい。
正直不安だ…。
「じゃあ、あたし達、家族ね!!」
フラン先生の機嫌がMAXに良くなっている。
「え?いえ…。」「ちょっと怖いです。」「元々、群のメスです。」
一匹を除いて不安げな表情の…。メイドさんズ。
「オットー、もう増えないわよね?」
怖い笑みで睨むフラン先生。
思わず目を逸らす。
「いえ…。居るような。居ないような…。」
「いいわ、連れてきなさい…。面接してあげる。」
おい、何でこんなに怖いコトに成ったんだ?
「そんな…。夫婦で…。同じ職場で一緒に生活…。」
未だ帰って来ないエロフ。
「イネス。家族よ!!旦那の為に頑張るのよ!!皆で子供を育てるの!!」
「え?あ。そうね…。オットー様の子供を産む話ね…。」
「そうよ!ケンカしない!!だんなが軍人なの!!家で待つのよ!!子供を育てて!!」
「あ、はい。そうでした!!髪はその為の…。はい!家で夫の帰りを待ちます!!」
テンション高い魔女達。
「いえ、イネス。フラン、俺は未だ学生です。軍に上がるのは来年以降です。」
「良いわ。オットー。その間は養ってあげる。」
「あ、私も蓄えがあります!」
「いえ、フラン先生。イネス教授。自分で稼ぐので良いです。」
「え~養ってあ~げ~る~♪」
いや、もっと…。コレではヒモに成ってしまう。
理想の超ヒモ理論生活には未だ早い。
やはり男は家族に飯を食わせてナンボである。
「家族~♪家族~♪」
「うふふ、家で帰りを待つ~。」
「群を増やすのが大事です。」
上機嫌な魔女達と一匹、ドン引きメイド。
マルカが答える。
「あの…。そろそろ…。」
御帰りの時間です…。
「うん?そうね?始めましょうか?」
「え?」
「はいはい。脱いで脱いで。」
「いえ、あの…。」
メイドさんズをベッドに連行する魔女達(と一匹)
「ご主人。やっぱり全員種付けです。」
スーパークラブハウスサンドウィッチを食べた。(肉たっぷり。)




