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214.絶縁2

食堂の前に立つと黒板はあと数人で俺の番だ。

まあ。良い時間だろう。

廊下で待つ。

俺の札が最後になると札を裏返し席に付く。

何時ものルーチンワークだ…。特に問題は無い…。

モミアゲロールパンが不機嫌そうだ…。

隣りのMr・ロバートは何時もの通りの鋭い視線だが…。

俺を睨んでいるのか?

まあ良いだろう。


お誕生日席のロールパンナが冷たい声で開始を告げる。

「ロバート。皆揃いましたね?では、始めましょう。」

「はっ。」

ロバートの視線のレーザービィムで素早く配膳するメイドたち。

うん、ウチのメイドも他のメイドも謎の緊張感が漂ってくる。

この向かい合わせのテーブルの上は何故か殺伐とした…。

いつケンカが始まってもおかしくない。

刺すか刺されるか…。

そんな麩陰気の殺伐としたテーブルの中に颯爽と現れる。

「ブラン…。」

「はい、ご主人。今日は早めにきました。」

犬耳メイドの狼娘ブランが何故かメインの魚ポワレを運んでくる。

「ブラン…。手がとまってます。」

「はい、マルカ様…。」

なんだ。ブラン?店に何か有ったのか?


俺の前にメインの皿が来た。

白身魚のポワレに香草が乗り、透明な飴色のソースが掛かって蒸したイモと根野菜が添えてある。

何時ものパン。

生姜の様な味の透明なスープ。

サラダとナッツが入ったオリーブのドレッシング。

カボチャのプリンが付いている。


「皆に行き渡りましたね。では、豊穣の女神ディアナに感謝を。」

モミアゲロールパンナが音頭を取り皆が祈りを捧げる。

俺も心の中で祈る。

”豊穣の女神よ…。窒素固定を勝手にするのでお許し下さい。害虫駆除はソッチでお願いします。でないと砒素を使いますよ?”

「では始めましょう。」

皆が食事を始め静かな雑音が食堂を包む。

メインの皿を切り分け口に運ぶ。

相変わらずクセも生臭みも無い油の少ない魚だ。

淡水魚のハズだが口の中でホロホロと崩れる。

旨味はある…。

ソースは油ギッシュで塩味が効いている。

なるほど。パンに漬けて食べるのも有りか…。

この世界のパンは全て硬めで何かを付けて食べるものだと思っていたが帝国のパンは柔らかめで焼きたてが多い。

王国では柔らかパンは病人食という印象がある…。

いや、帝国パンは何かを乗せるのに良い軟らかさだ。

やはり文化が違うのであろう…。

帝国南方の魚介の”カレー”に想いを馳せる。

カレーか…。マルカがレシピを持っていたはずだ…。時間が空いたときにノートに書き写しているのを見た。

試作エール試食会を行なうべきか…。

考えながら自分のペースで食事を進めるとあっという間に片付いてしまう…。

いかんな…。デブの早食いは見っともない上に優雅では無い。

食後のお茶を優雅に飲む。

席を立ち始める者が出始めたので俺も席を立つ。

食堂の出口に向かう。

「オットー・フォン・ハイデッカー様少々お時間を頂けませんでしょうか?」

男の声だ。

Mr・ロバートの声だ…。

振り向くと深々と頭を垂れる鬼畜メガネ執事。

「なにか御用でしょうか?ミスターロバート。」

「我が主人。メアリー・デービス様より是非お話をお聞かせ願いたいとサロンに御席を用意させました。ご招待いたします。」

冷たい口上だ。

恐らく主人からきつく言われているのであろう。

「この後、予定がある。あまり時間は取れないが良いか?」

「はい、申し訳ありません。ご案内いたします。」

Mr・ロバートの後ろに付いて歩く。

モノクルを装備してみるがツノも羽根も生えて居ないので人間のハズだ…。

案内された場所はサロンの個室だ。

前回の歓迎会より狭い部屋だ。

予約が必要だ、ワザワザ用意したのか?

「少々お待ち下さい。」

Mr・ロバートが頭を下げるとメイドがお茶と焼き菓子を並べる。

二人分だ。

メイドが下がるとドアーよりモミアゲロールパンの入場だ。

Mr・ロバートがドアーを閉め後ろに立つ。

「生徒オットー・フォン・ハイデッカー、このような所におよびたてして申し訳ありません。」

口では丁寧だがまるでオブツを見る様な眼差しだ…。

ツンツンフラグだ。

「別に構わん。しかし良いのか?サロンの個室は異性との利用は禁止なのでは?」

もちろん挑発だ。

ココは敵のキリングフィールドだ、敵に用意された舞台は俺の生存は望めない。

敵の喉下を食い破る秘策が必要だ。

「ぐっ、寮監の権限です、監督者も居ます問題ありません。」

常識に囚われた者の苦悩が一瞬眉間に表れる。

「なるほど…。参考にさせてもらいます…。」

にこやかにお茶を飲む。

ふりをする。毒が入っているかも知れない。

「…。」

睨むロールパンは未だ話を始めない。

仕方が無い、ヘイトで情報を引き出そう。

「何か有ったのでしょうか?」

「あなたは!!」

「お嬢様。お砂糖を。」

怒りを隠さないメアリーに冷静を促す執事。

うん、意外に良い関係なのか?

この鬼畜。

恨みがましく俺を睨むロールパン。

「貴方はエレノア・ハントリーを知っていますね?」

「エレノア…。」

一瞬、コノ場では関係が無い人物なので答えに詰まってしまった。

しかし悪手だったらしい。

メアリーの機嫌は臨界突破した。

「貴方は!!」

「ああ、司書さんですね。はい。良く知っております。」

イライラMAXのメアリーとハラハラ顔の鬼畜メガネ。

「貴方とはどの様な関係なのですか?」

表面上はにこやかだが、堪忍袋が臨界に近い様子だ。

ピリピリ来る。

「う~ん、関係ですか…。難しいですね…。強いて言えば、男女の仲ですね。」

怒りが沈むロールパン。

「だ、男女…。とうぁ?」

何故かきょどるロールパンが顔が真っ赤だ。

「はい、男女おとことおんなです。」

「あ、あ、お、御姉様に!破廉恥な!!」

耳まで真っ赤のロールパン。

嫁入り前の娘には毒の様相だ。

「お嬢様。今日は、ご挨拶のみでは?」

助け舟を出す鬼畜メガネ…。困った顔をしている。

何か許容出来ないコトが起きているのであろう。

「わ、判りました。生徒オットー・フォン・ハイデッカー、あの話は無しです!!お断りいたします!!」

キビ返しサロンの個室を後にするロールパン。

あの話と言うのはどの話か解からないが。

断られたらしい、まあ良いだろう。

俺に主人の代わりに深々と頭を下げるMr・ロバート

「オットー・フォン・ハイデッカー様。主人の代わりを持って謝罪いたします。」

「いや、問題ない。どうやら行き違いが有った様だ…。」

「実は…。エレノア様のお母様は…。お嬢様の乳母を勤めておりまして。幼少の頃から姉妹の様に育っておりました。」

「うーむ。」

なるほど困ったな…。確かに姉妹丼は嫌がるだろう。

特に乙女おぼこには毒だ。本人でなくとも…。

「頂いた指輪なのですが…。お返ししたほうがよろしいでしょうか?」

執事の白い手袋の平に金の指輪がある。

「いや、ソレは君が持っていてくれ。この先君が彼女達を守る為、必要な指輪だ。きっと君の力に成る。」

「はっ、判りました。頂いておきます。ですがお嬢様にはこの件は御内密に。」

「ああ、そうしよう。もし何か身の周りでおかしなコトが有ったらイネス教授経由で教えてくれ。」

「おかしなこと…。とは?」

「ああ、そうだな…。いや、その時になれば解かるハズだ。とんでもなくおかしなコトだ。」

悪魔を一度防いだダケだ。

第二第三の悪魔の攻撃が有るかも知れない。

「はっ、わかりました。」

「まあ、起きないかもしれないが…。」

「はい、では失礼させていただきます。」

一礼して立ち去る。Mr・ロバート

さて、ロールパンとの約束とは何だったのだろうか?

ゲームを思い出しながら部屋に戻る。

さして…。何も無いハズだ…。

まあ良いだろう。

コレで主人公が登場して、メアリーが俺の敵に成っても大したコトは無いだろう。

Mr・ロバートとの連絡はイネス経由で取れば良い。

実害は無いハズだ。

家同士は絡まない、学生のお遊び以内で納まるだろう。

(´・ω・`) メアリー・デービスの好感度が”0”になりました。

(´;ω;`) Mr・ロバートの好感度が上がりました。+5

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