211.極地2
食事が終わり。
フェルッポが、白い暗闇の世界について教えろと捻じ込んできた。
困ったな…。
まだ、何も考えて無い。
そのまま解散して午後の実習に入るミソッカス共。
図書室に向かい。
司書たんの赤い顔を見ながら資料を集める。
主に世界地図と星図だ。
本を抱えて写本室を借りる。
この世界では星座と言うものに行き着かなかったらしい。
但し、大きな星は名前が付いている。
残念ながらコレだけ沢山星が在るのに北極星に相当する星が無いらしい。
いや、ココは南半球かも知れないのだが…。
天の川に相当する記述が無いのでどっかの銀河系の中心に近いのかも知れない。
解かったコトは少ない。
解からないことが増えた。
学問とはそういうモノだ。
1年がひょっとしたら400日以上あるかも知れないコトと。
冬至と夏至が曖昧だ。
ゴミ屋街で買った帝国の自然科学本も宗教一色だ。
地軸の傾きは23.4度より緩いかもしれないと言う事だ。
学園の先輩で日の入り日の出を細かく調べた者が居たらしい。
時計塔を利用して角度で調べた様子だ。
かなりバラツキがある。
正確な時計が無いと不可能だろう。
魔法による発振には成功している、共振回路も問題無かった。
魔法的ダブルクオーツカウンターを作る必要が有るのかも知れない。
ソレを使って長い期間、断続的な計測が必要だ。
大人しく、今居る傾度が解かれば…。
不正確だが振り子を使うしかない。
ソレには強いワイヤーが必要だ。
実験するには、せめて30m以上の高さが必要であろう。
普通のロープだと精度に問題が出るかもしれない。
先ず手っ取り早く模型を作って実験をしてみよう。
ガラス瓶と鉄インゴットを一つ取り出す。
ガラスを変形させて形を作る。。
鉄インゴットを幾つかに分けてパーツを作る。
精密な形にすると魔力を使う。
球体を作るのは簡単だが糸を通す穴は難しい。
糸はイネスの髪だ。
完成するとターンテーブルの上に載った振り子が出来る。
角度目盛り付だ。一応一周360の目盛り付だ。
軽く振らせる。うん、変心はしていない。ターンテーブルを回してもガタツキは無い。
コレの30m版を作るのか…。
もう片方はおかしな…。あの世界のコーヒーメーカーの様な形だ。
上のガラスの漏斗に水を入れ下のビーカー型のコップに水が落ちる。
漏斗には木栓をタコ糸で結び。栓を抜くと水が下に落ちる。
台座が鉄で出来ている。
水を入れて何度か試す。
うん。良かった、ココは北半球だ。
安心した所でB班がやって来た。




