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番外編:町の噂。

(´・ω・`)「ココは町の辻のドコにでもある酒場。おや?カウンターで話をする二人の男。面白そうな話をしていますね…。ちょっと聞き耳を立てて見ましょう。」

SE(氷が回る音~♪)

「昨日の昼にガレット屋に行ったら凄い男が居てさ。隠者姿なんだけど胸板が二倍の大男で二の腕がもう丸太なんだよ。」

「そのくせ足の運びがヤバくてさ、足音しないの。」

「何て言うの?流れる様に歩くの。指が節くれ立ってて。何やってきたんだろうね。」

「それに目がヤバイ。なんか殺すの躊躇しない系?腰の大ナイフ1本しか持って無いのに。そのナイフが年季入ってるのよ。」

「俺っちの故郷では猟師が良く取った熊の爪をナイフに飾るんだけどソイツ9個も並べてんの?おかしくね?」

「ウチの里の猟師頭でも4個しか持ってないのに?フカシが酷いのよ。」

「しかも、ガレット屋で大盛り2個を言い値で買うんだぜ?」

「あの女将は景気良いコト言えば喜んで奢るのに、無言で言い値だぜ?おのぼりさんすぎるだろ?」

「だいたい、あんなの大盛り二つなんて喰えねえだろ?大盛り一個で腹いっぱいだぜ?」

一方的に話を終えた男がジョッキを空にする。

流石に落ち着いた様子だ。

次のジョッキをマスターに催促する。

ソレを聞き入っていたもう一人の男はゆっくりと話を始める。

「そうか…とんでも無いヤツが居たんだな…。ソレより聞いたか?あの、チンピラ引き連れて良く歩いてた貴族のドラ息子。他の貴族の女にチョッカイ出してソコの婚約者に決闘申し込まれたそうだぜ?」

「なんだよ…。オレより面白そうな話だな。聞かせろよ。」

「ああ。なんか良いとこのお嬢さんで器量良しだって話だ。病気か何かで。体の問題で今まで結婚を断られていたが最近治った、婚約者の”貴族の息子”が一緒に治したらしい。」

「おいおい、良い話じゃねえか?」

「元々は器量よしだ、治った途端に結婚の申込みが殺到した。以前病気を理由に断った家までな。そうさ、その中にドラ息子が居たのさ。」

「へー、ソレで?」

「お嬢さんの家は断ったが、ドラ息子が強引な手を使おうとしたら婚約者に見咎められた。決闘の理由の出来上がりさ。」

「まあ、そうなるな…。恥かしい話だなドラ息子。」

「そうだ、久し振りの決闘だ。しかも決闘の理由としては十分だ。王様にも止められないだろう。家同士で手打ちにすれば話は別だ。しかし…。相手が悪い。」

「あ?」

「ドラ息子の家はなかなかの高位の貴族だ、プライドが高い連中だ。引く気は無い。だが婚約者の家は”首刈り公”だったんだ。」

「オイオイオイオイ物騒なのが出てきたな。」

「ああ、酷い話だ。しかも、その婚約者、腕は立つという話だ、熊ぐらいなら三枚に下ろすらしい。」

「ほう、スゲエな。死んだなドラ息子。いい気味だ。酒が旨いな。」

「ドラ息子の家に”果たし状”が届いて大騒ぎ。相手が解かってこし抜かした状態だ。兵が急いで武器屋へ行ったら、武器屋は臨時休業中だ。」

「あ?なんで?」

「もう既に娘の家が決闘の許可を宮廷に出した。大臣は戦に成らない様に両家に武器の売買の禁止を出した。まあ、貴族の間ダケの話だ。ソレでドラ息子の兵は冒険者の武器屋で買占めしたらしい。」

「大事に成ってるな…。まあ”首刈り公”は何時でも戦が出来るから効かないだろう?戦争しかしない連中だ。」

「ああ、何時も戦地に直行だ食料と水ぐらいしか必要としない。昔はソレも戦地で確保して未だ南の方の連中は恨んでいるそうだ。」

「南征の話か?酷かったらしいな。”首刈り”は…。」

「ああ、ソレが王国内で起きそうなんだ。笑うしかない。ドラ息子の家は手紙飛ばして方々に仲裁と決闘の撤回を求めている。ドラ息子の家は戦争に出たことがココ何世代も無い。宮廷でのし上って来た家だ。兵は居るが形だけ。」

「王様は?」

「未だソコまで話は言っていない。」

「何で娘の家は決闘の許可を求めたんだ?普通止めるだろ?」

「婚約者が娘に指輪を渡してたのさ。しかも…。イイかココだけの話だぞ?おそらくアダマンタイトの魔法の指輪らしい。国宝級だ。王様も持ってない。」

「あ?何だソレ?本当なのか?」

「わからん、娘の家が婚約の証拠として王宮に提出したらしい。銀だと思っていたが錆びない。溶けない、何で出来ているか解からない。宮廷魔術師が恐らくアダマンタイトだろうと。」

「伝説だろ?アダマンタイト。」

「宮廷魔術師も見たことが無いそうだ。書いてある内容も解からない。恐らく治癒の指輪だそうだ。」

「すげえな…。そりゃ娘の病気も治る。」

「ああ、ソレで娘の家は婚約者は本気だと思ったらしい。娘の家は貴族でも下だ。ドラ息子も婚約者も諸侯。どちらでも玉の輿だ。両方共に対等に話が出来る相手じゃないソレで宮廷に助けを求めた。」

「それで、決闘許可の申込みか?」

「娘の家は当家同士で話し合いにして欲しいらしい。娘の心は婚約者だ。ドラ息子が引けば話は終わりだ。」

「だが、決闘に成っている。ドラ息子の家もメンツが在るだろ。」

「まあ、戦になれば結果は解かっている。決闘でも同じだ。かと言って息子が可愛い。ドラ息子でもな…。今、方々に手紙を出している…。らしいが。返答は無いだろう。」

「ドラ息子に味方するヤツは居ないだろうな。」

「そうだな…。”首刈り公”は貴族のクセにドコともつるまない、領地に引っ込んでる。あまり外の噂を気にしない連中だ。戦争以外…。」

「おれ、”首刈り公”の王都の屋敷に仕事で行ったコトはある。いつも人が居るか居ないか解からない状態だった。」

「”首刈り公”の領主は領地に居る。余り宮廷にも出てこない。早馬で往復8日は掛る。」

「全部終わった後だな。ドラ息子の兵が決闘を邪魔すれば…。怒って戦争だろう?」

「たぶんな…。」

「女巡って戦争なんて何時の時代だよ?物語の中ダケだぜ?たぶん王様が判断する事だ。まあ、ドラ息子の家が謝罪すれば話は終わりだ。」

「だといいがな。」

SE(氷が回る音~♪)

(´・ω・`)「いやー面白い話が聞けたね。マスター。今日はここまでにしておくよ。おあいそ。」

(´ω`)「イッテラッシャイマセ。」

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