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203.愛の奴隷1

何とか昼までに加工&熱処理を終えて学園の教室へ向かう。

イカンな、走るのは優雅で無いが急がねば。

途中、ガーズの兵が草むらに飛び込んだり木に登ったりして居たが何かの訓練だろう。

兵隊は大変だな…。

変な命令に従わなければならないのだ。

死んだふりしているモノまで居たのだ…。

俺が指揮官になった暁には…。無謀な命令を出さない様に気をつけねば…。

教室のドアーの前に立つと…。未だ授業中だ…。

呼吸を落ち着け、体温を下げる、クリーンの魔法で汗を飛ばす。

魔法は偉大だ、直に涼しくなる。

火照った体もクールダウン。

デブが暑がっていると鬱陶しいからな。

クールダウン中に教室のドアーが開き教授が出てきた。

目の前に立った教授はかなり驚いた顔をしている。


「ああ、生徒オットー。偶には授業に出たまえ。」

「はっ、申し訳ありません。」

軽く会釈をして道を空ける。

立ち去る教授、背中を見送る。

確かに学生は勉学に励むのが本分だ。

あ、しまった。

課外授業の件を聞けば良かった…。

後悔しても仕方ない、他の教授でも知っているだろう…。

フラン先生は止めておこう…。

不安だ。何か面倒なコトが起きるだろう。

ロビン筆頭にサンピントリオを捕獲する。

教室内のミソッカス共を見つけ…。

「オットー、又サボったのか?」

「やあ、マルコ、飯食いに行かないか?」

「良いぜオットー。大衆食堂ならな。」

「僕も良いよ。麺と大盛りにする。」

「弟よ?大丈夫か?」

「大丈夫だよ、イザとなったらカールの銀のお守り借りるから。」

「アレは家宝で、良いモノだ。」

「いや、弟よ、あまり…。変な魔法に頼るな…。」

「そうだぞ、フェルッポ、あまり普段から魔法に頼るのは良くない…。確かにアレは良いモノだが…。」

カールとジョンの顔色が良い。

朝と評価が違う。何か…。遣ったのか?

恐らく、授業そっちのけで渡したお守りの実験をやっていたのであろう。

こいつら…。

「ではみんな、行こうよ。」

アレックスの音頭で食堂に向かう。

食堂前でロリロリくっコロと合流。全員集合する。

希望を聞いて、くっコロが食券を買いに走る。

うむ、平和な食事が…。

特に変わったコトは無い。

イベントが起きない。

おかしい、決闘イベントが起きるはずだ…。

あれから司書ちゃんと未だ会話していない。

先に教授に、会わなければいけないのか?

確かに、未だ課外授業フラグは立ったままだ。

俺の行動待ちなのだろう。

どっちを選ぶべきだろうか?

フラグを…。コレは困った選択だ。

「オットー、今日の午後の授業はどうするんだい?」

サラダを突きながら。前髪が聞いて来た。

「うむ、サボる。図書室で調べ物が有る。」

「そうか…。オットーは出席関係ないから良いな。」

「え?そうなんですか?」

エミリーが驚いた様子だ。

「おう、そうだ、俺はレポートで卒業だ。」

「え?では…。あの、マルカは…?」

「うむ、俺の卒業で解放を約束している。未だ先の話だ。」

メイドさんずの手が止まる。

「そうなのですか?あ…。申し訳ありません。立ち入ったコトを聞いて。」

顔が暗い、メイドさんず。

エミリーが謝罪する。

「問題ない、先の話だ。俺は軍に入るからな。女は連れて行けない。」

サンピントリオを見る何故か顔色の悪いサンピン共。

”部下になったら絶対殺される。””帝国兵とやり合う方がマシだ。””生きて帰れない。”

まあ、確かに、激しい戦いに成るだろう。流石兵隊共(ロビン兵)の卵。

よく解かっている。

何故か暗い昼食が終わった。


結局、午後は図書室へ向かった。

何故ならエロフに会うと。

話ダケでは終わらないだろう。

図書室に入ると…。

鉢がね付けた司書たんが笑顔で…、いや、笑顔の奥に何か憂う表情がある。

何か有ったのか?

「こんにちは。エレノア。写本室は開いていますか?」

「はい、開いています…。後コレをどうぞ…。」

封書を出してきた。

おお、司書たんからのラブレターか!!

凄いぞ、俺、落ち着け!!

「こ、ココで読んでよろしいのですきゃ。」

少し噛んだが…。俺の威厳は保てたハズだ。

「はい、どうぞ…。」

逸る心臓を押さえ封書を切り中の手紙を…。


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       見積書


件名:図書室内、写本室の修繕に係る一式。


壁、及び建て付け書棚の修繕。

材料費:金貨26枚。

工賃 :金貨10枚

-------------------

合計 :金貨36枚


当、見積もりは概算で有る為。

実修繕にて多少前後する場合がある。

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手が止まる。

おい…。俺のドキドキは…。

いや、別の意味でドキドキした、大した金額では無いが…。微妙な金額だ。

痛いな…。

いや、心は痛まない。せっかく昼に武装錬金で入る銭にウキウキしたのに。

この金額は…。いや、大したことは…。

懐は痛くないが…。金貨36枚か…。

「解かりました、コレで修繕をお願いします。」

「はい、そのまま発注します、10日には修繕が完了するので購買部で精算してください。」

微笑む司書たん。

笑顔が眩しい。

くっそ!!あの本作ったヤツ絶対に泣かす!!

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