表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
208/400

200.極地

食堂に向かうと未だ札が大半掛っている。

今日は随分と揃っているな…。

乳タイプ兄弟の札は無いがマルコとフェルッポ、アレックスの札が有る。

と言うコトは戻って居るのか?

サロンを覗く。

いた、3人揃って丸テーブルを占領している。

「やあ。オットー昨日ぶり。」

無駄な前髪が話す。

「やあ、アレックス。今日は随分と混雑している。このせ…。いや、形式は止めようどうせ直に順番だ。」

「そうだな。オットー。」

「僕たちさっき帰って来たんだ。」

マグを収納から取り出しポットのお茶を注ぐ。

「そうか、何か起きなかったか?」

「ううん、特に何も。」

「ああ、迎えの兵が多かったな。」

「そういえばそうだったね。」

「そうか…。」

一応こいつ等は良い所のぼっちゃんだ。

それなりに気を使っているのだろう。

「何か有ったのかい?オットー?」

「いや、特に…。街道が物騒だと言う話だ。」

「うん、ぼく。聞いた。東の草原で何か凄い魔物が出たって話し。」

「ふん、噂話だろ。天から光が落ちて草原を焼くなんて馬鹿げた話だ。」

「兄さん、空からの攻撃で草原が広範囲に焼かれて…足跡が無いんだよ?絶対にドラゴンだよ。」

「そうか…。ドラゴンか…。見てみたいな。」

確かにゲームでドラゴンは出てきた。

俺の魔法が果たして通じるのだろうか?

装甲があの世界の戦車並なら勝ち目は無いだろう。

「僕も聞いたよ、それでね?オットー。一つ聞こうと思っていたんだ。」

「なんだ?アレックス。」

「この前、学校を休んで旅に出てた時って…。ドコ行ってたの?」

「うん?依頼の話か?東の森の手前だ?」

「魔法使った?」

「ああ、熊と狼が出たからな。」

「なんてこった。」

「え~、ドラゴンじゃないの~。」

コメカミを揉むマルコに残念がるフェルッポ。

「いやいや、使った魔法は必要最小限の威力しか出してない…。連射はしたが。」

「そう、良かった、心配事が減ったよ。じゃあ、僕順番だから行くよ。」

「「いってらっしゃい、アレックス」」

アレックスが席を立ち嬉しそうに食堂に向かった。

「オットー、何の魔法使ったの?」

「何時ものリングと岩溶かしたヤツだ。何も無い場所だから遠慮しなかった。」

「遠慮しろよ。」

困った顔のマルコ。

「どうせ目撃者は居ないんだ。喋らなければ誰も知らないさ…。」

「なんだ…。オットーか…。ドラゴンだと思ったのにな~。」

「いやいや、フェルッポ。ソコは残念がるな。」

「そうだぞ弟よ。そんなモノ出たら大騒ぎだぞ?」

「もう大騒ぎになってるよ?オットーどうするの?」

「どうもしないさ。」

お茶うま~。

「え?」

「フェルッポ、どうせ皆何言っても信じない。このまま何も無ければソレで終わりだ、誰も思い出さない。」

「そうか~。」

「そうだ、弟よ、もうその話は無しだな。俺も忘れる。順番が来たから行くよ。」

「兄さん行ってらっしゃい。」

「お先にそうぞ。」

マルコが食堂に向かう。

「フェルッポ、ドラゴン出るのか?」

「オットー、昔話だよ?デイビスが倒したって。伝説。」

「そうか…。伝説か…。」

魔王が…。悪魔が出てくると中ボスで出てくるんだ。

経験値と金のボーナスキャラだ。

あと、ゾンビドラゴンも…。コイツは金にならない。

新鮮でないのが問題なのか…。

「もう人族で二百年倒した話は聞かないよ?北の山脈の向うの白くて闇の世界しか居ないって。」

「白くて闇の世界?」

「うん、物語の話。1年で…。いや、数年に一回しか日の出ない場所が北に有るんだって。」

なるほど…。極地か…。

「そうか…。」

「オットー?驚かないの?」

「あ?ああ、そういう場所も有るだろう。」

「うーん。皆にこの話をすると馬鹿にされるんだけど…。オットーは信じるんだ…。」

考え込むフェルッポ。

「条件が合えば起きる事だ。」

「そうなの?」

「その条件の場所を調べれば…。いや。ココからドレだけ離れているか計算できるかも…。」

「凄いねオットー。どうやって?」

他の生徒が迷惑そうな顔を向けている。

恐らくフェルッポの次のヤツだ。

「考えておく。次の講義の内容にしよう。フェルッポ時間だぞ?」

「うん?ああ、解かったよオットー約束だよ?」

「いってらっしゃいフェルッポ。」

手を振ってフェルッポが食堂に向かう。

その後を続いて、迷惑そうな顔の生徒が食堂に向かった。

やれやれ、極地か…。

数年で一度しか日の出ない土地。

高い山で遮られているのか、この惑星の扁平率が高くて日の当たらないのか…。

この世界のコトを知っても良いかもしれない。

ソレには証明が必要だ。

大掛かりな実験だな…。

「そうだ…。俺には協力者が居ないのだ…。」

最後の生徒が席を立った。

食堂に向かう。

そうだ、学校はコネを作る場所なのだ。

群れる仲間も。

ボッチの男も。

全ては社会と言う荒波に耐える仲間なのだ。

共に進む。心を許す。迷惑を掛、迷惑を受ける。

俺は誰を…。

協力者にすれば良いのだ?

この先生きのこるために。

(´・ω・`)きのこる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] きのこる、分かっててやってたのかw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ