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193.物資欠乏(ウルフパック)

(´・ω・`)おれ…コレが掲載されるころ…。

(´;ω;`)都会で研修なんだ…。

冒険者ギルドへ向かうつもりだったが…。

あのやおいと出くわすのがイヤなので金物屋へ向かった。

店に着くと。

暇そうなヒゲを生やしたガリガリの親父が火の付いてないパイプを銜えている。

前より顔色が悪い。

店の状態に変化は無い。客は居ない。

「やあ、学生さん待ってたよ。ちょっと困ったコトが有ったんだ。」

パイプを右手に持ったまま頭を掻くヒゲ親父。

「何か有ったのか?」

「う~ん。先ず先に…。いや、順番に話そうか。銅のインゴットは未だ入荷していない、最近高くなっているそうだ。入ったとしても前ほどの量は無いから覚悟してくれ。」

「なるほど…。」

狼の影響が未だ戻ってないのか?

「それと…。その関係かはわからないけど。注文を受けた銅のマグカップだが…。材料の入荷の目処が立たないらしい。」

困った話だ…。

思わず顔に出る。口を手で押さえて隠す。

「そうか…。困ったな…。」

「ソレで方々に聞いて回ったが。あの前に買ってもらったマグカップと同じ物なら新品と新古を合わせて何とか52個までは都合できる…。職人さんのトコに在庫も有ったんだ。」

「なるほど…。」

良い仕事だ金物屋の親父、同業他社や売った方々に聞いて回ったのか?

「それで…。1000個の注文品の方が…。作れないんだ。」

「そうか…解かった、その52個は購入しよう。」

息を吐きながら答える。

マグにエンチャントして魔道具として売るつもりだったが、ココはマーモット用の学習道具を確保するほうが先決だ。

優先順位的に。

「え?良いのかい?」

「ああ。正直50個さえ早く手に入れば後は問題は無い。残りは無いと困るが無くても何とかする。」

「え?ああ。そうかい。」

残念そうなヒゲ親父。

キャンセルに成ると思っているのか?

まあ、アレだけ前金で貰えば色々有るだろう。

安易にキャンセルしない客も信用の内だ。

勿論、損はする気も無いが。

「ソレで…。足りない材料とは?」

「ああ、そうだねえ。職人さんの話では。純度の高い銅が…。今年は手に入らないって話なんだよ。北の山脈の向うのドワーフの国から来るんだそうだけど…。」

「手に入らないのか?」

「今年はキャラバンの数が少なくて入荷が少ない上にコレから冬だから。来年の夏まで…入荷の目処が立たないそうだよ?」

「そうか…。」

顎に手を置き考える。

流石に夏までは待てない。

純度の高い銅は持っているが…。ココで使って良いモノだろうか?

正直、今は最低限50個が手に入れば問題は無い。

しかし。銭を払ってしまっている。

仮払いの状態が増えると管理が難しい。

心配そうなヒゲ親父の顔を見る。

正直。ココは俺の情報源だ。

無いと困る。

「よし。ではコノ銅を職人に見せてやってくれ。」

机に12kgの銅のインゴットを12個並べる。

驚くヒゲ親父…。

「コレはなんだい?」

「純度が高い銅だ…。すまないが店主の店以外にも集めさせていた…出所は聞かないでくれ。」

「あ?ああそういうことかい?なら問題ないよ?コレが純度の高い銅なのかい?」

「ああ、そうだ、職人殿にコレで出来るか見せてくれ。材料支給だ。足りなければ言ってくれ。又持ってくる。」

「解かったよ…。見せてみるよ。」

「52個は今日購入させてもらう。1000個の方は急がないが使い道が有るんだ。かといって夏までは待てない。」

「ああ、用意するよ。」

12kgの銅のインゴットを店の奥に仕舞う親父。

替わりにマグが並ぶ。

一つづつ手に取る。

うむ、外見は同じ物だが一部変色している。

まあ、使う分には問題無い。磨けば何とか成る世界だ。

「使えそうだな。購入しよう。全部で幾らだ?」

「ああ、あの前の払いから差し引いておくよ。未だあの銅で出来るか解からないし…。追い金が出そうに無いからねえ。」

材料費は値引きすると言っているのだろう。

「そうか…。最後に必ず明細を出してくれ。」

ツケ払いならぬ前受け金になっている。

仮払金が多い状態だ。余り良いとは言えない…。

「解かったよ。」

店主の顔色が少し良くなった。

恐らく返却する金が少しでも減る方が良いのだろう。

この店の親父は商売っ気…商人のヤル気は無いが。信用は出来る親父だ。

(´・ω・`)帰りは栄で一杯呑む。(交通費で)

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