184.レシピ2
エンリケの店の暖簾(比喩的表現)を潜ると。
「ブラン!!アンタ今までドコに行ってたの!!」
娘がお冠だ。
「ご主人の元です…。」
ツンドラ狼メイドが顔を背ける。
書置きして来たと言ったが…。
伝わってない様子だ。
「おかーさん!ブランが帰って来た!!」
店の奥に叫ぶ娘。
奥からイレーネが出て来る。
「あら、ブラン?その匂いは何?」
「え?普通です。」
「オットー様から頂いたの?悪い子。」
ペシペシ叩くイレーネ。
「止めて、お母様、痛い。怖いです。」
笑顔の中に凄みが在る。
「ダメよ?女は、体を許しちゃ。」
「でも、お母様は…。イタイイタイ止めて。」
ペシペシがツービートになった。
「おいおい、全て俺の女だ、仲良くしろ。」
「はい、勿論。」
「オットー様のモノです。何なりと。」
頭を垂れる、くっコロと年増。
何か間に火花が散っている様子だ、
「さて、娘、馬を見に行くぞ。」
「え?ああ、そうですね。貸し馬屋ですね。」
「ブランはココで待っていろ。」
「えーご主人…。ソレは。」
「ブラン、オットー様の御手を煩わせてはいけませんよ?オットー様。薬草2と毒消しの草を預かっております。」
「おお、すまんな。受け取ろう。」
イレーネから品物を受け取る。
魔力切れは無い様子だ。
あの紋章は上手く動いている様だ。
収納した後のGUIには
”毒消しの草 12”
”毒消しの草(束)23”
”薬草2 11”
だ、イイゾ~。
エンリケの店を出て娘とベスタで町を歩く。
薬草の類は順調に集っているが。
イマイチ集荷が悪い。
娘の話では3チーム位の若者集団がヘビーローテーションらしい。
偶にケガをしている状態で店に来るので印象に残っているとの話だ。
低レベルのNPC冒険者か…。チートが無いと辛いだろう。
娘の印象の話では装備も余り良くないらしい。
イカンな…。
タイトロープなデスマーチ臭がぷんぷん匂う。
おそらく…。無理を推して森に入っているのだろう。
ブラック勤務だ。
戦力を上げるには底辺からの底上げが必要なのか…。大変だな…。
俺の兵は少なくとも素手で熊の脊椎を折れる位で無いと…。
ソレには兵の育成が必要の様だ…。
手っ取り早く改造するか…。
先ずは実験体の収集だな。
正にM66だ。




