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オットー・フォン・ハイデッカーはゲーム脳。  作者: 王石 勉
第一章.チュートリアル
19/400

18.灰色の魔道士(その3)

折れた魔剣の残骸から手術道具とクリップ、ピンセット、縫合針を作る。

ココラ辺は簡単だ。

サンプルの心臓を見ながら複製を作る練習をする。

時間が勝負だ。

母親の心臓のコピーのコピーを粘土で作り。切り刻む、心臓の壁の厚さのイメージを調べる。

娘の心臓のコピーのコピーを作り母親の心臓への加工手順を考える。

娘の心情脈と心動脈との整合を考え擦り合わせのデザインを考える。

部屋には心臓の模型がかなり出来ている。

失敗作ばかりだ。

コレをゴーレム化してかなり実戦的な動作シュミレーションに成功した。

だが、さらに失敗作が増えた。

床には蠢く心臓模型ゴーレムが足の踏み場を無くし。

世紀末的な情景を醸し出している。

おう、まるで、降魔の儀です。


借りた本はロリに一任でコピー中です。

今回はロリから指輪を借りる必要がある。

「その指輪の”タレント”が必要だ。」

「この指輪を知っているのですか?」

ゲームでのストーリーでは帝国のハト派貴族に渡すコトによって停戦の目処が付くアイテムだ。

「もちろんだ。」

「ではお返しします。」

「必ず返すぞ、命に代えても。」

指輪を握る拳を見せる。

「いえ…、それは私には扱えない過ぎた物のようです。ご自由に…。」

よっし!!良くわからんがレンタルできた。


納得できたのは約束の日の前日、日没後だった。

同じ物を五つ作るコトに成功して。

明日は早い、もう寝よう。

ベッドに倒れた。

翌朝、D-Dayに早めに起きて飯を食べ、湯浴みをする、

何時もの格好だが衣装は入念にクリーン魔法を掛ける。

そして大漁の回復ポーション。

劣化ポーションを魔力充填してポーションにした物だ。

144個(一グロス)ある。

懐にはこの時のために作ったカトラリー。

コレでダメだともう打つ手が無い。

ソレを持って移動ポーンで町の離れに移動。

そのまま朝日に光る町に入る、

貸本屋の前で開店を待つと。

馬車が止まった。

馬車から降りるのはあの女従士だ。

「逃げなかったのだな、灰色の魔道士。」

「逃げる必要がないからな。」

「くっ…。」

驚く、くっころ従士の馬車に乗り込み

座席に座り。

眠る。コレから大仕事だから英気は必要だ。

馬車が止まり。

屋敷につく、

母と老メイドが出迎える。

部屋に進むと全てが揃っていた。

顔色が前より悪い女。

「あれから3回発作がありました。」

母がハンケチで口を押さえて報告する。

「そうか、短いな、だいぶ悪いかもしれない。」

娘の手を取り脈を確かめる。

確かにオカシイ。

「深呼吸をしつづけろ。」

と娘に言い。

準備を整える。

深鍋に湯を沸かし。皿を煮る。

浅鍋に湯を沸かし。カトラリーを煮る。

ガーゼに蒸留酒をしみこませ。

上半身をさらけ出した娘の幹部をぬらす。

もちろん俺の両手は酒に塗れている。

「いくぞ。」

「はい、」

魔法で眠らせる。

カトラリーを魔法で超音波振動させて。

皮と肉を一枚ずつ切っていく。

肋骨を押し広げ。

蠢く、ピンク色の肺と心臓。

心臓を電撃で止めて。

クリップで血管を素早く数箇所とめる。

ココラ辺はシュミレーションどうりだ。

デカイ筋肉の塊と化した心臓を引き出す。

生きている組織で粘土を動かすように。

心臓を作る。何度も粘土で練習した、血管の成型も弁も完璧だ。

不要の組織を引きずり出し。皿に盛る。

ガーゼに血溜りを吸い取り皿に盛る。

接続を確認して心臓に電撃を加える。

今回はゆっくり繰り返しパルスを与える。

心臓と肺が動き出した。

まだ露出したままだが。

ココまでは成功だ。

魔力がつきかける。

「おい!!」

メイドを呼ぶ。

ポーションの入ったデキャンタに植物のストローが刺さった物が出てくる。

青い顔の老メイドが持っている。

一口すすり魔力が回復するのがわかる。

減った分を老メイドが小瓶からデキャンタに震える手で補充する。

サーチで異常を確認する。

接続よし!異常なし。忘れ物なし!!よし、縫合だ!!

幕、骨、筋肉、皮膚と順番に慎重に、縫合する。

縫合後は回復魔法で組織をくっつける。

大まかにくっつけたら、糸を抜いてまた回復魔法だ。

最後の上皮縫合糸が抜けると。

強力な治癒魔法で縫合跡と縫合ズレを強引に治す。

途中何度も酒ガーゼとポーションを補給した。

コレが最後です。

老メイドがポーションの小瓶をデキャンタに追加する。

母は青い顔でハンケチを手に見守っている。

俺はもう魔力も空に近い。

ストローで吸うがデキャンタからズズズと音が鳴る。

もう空だ。余分に出したつもりだったがダメだった。

まだ収納には在庫が在るが出している余裕はない。

しかし、満回復はした。俺はサーチでチェックする。

うん、問題ない。

全てオッケーだ。

手が血に濡れているのにも構わず。

マスクを取り椅子に座る。

全て完了だ。

娘は眠ったままだ。

呼吸も心音も整っている。

収納からもしもの時のハイ・ポーションを取り出し飲ませる。

顔色が良くなった。

サーチしたが異常ない。最早やる事は無い。


結局、一晩屋敷にお世話になり。

娘の様態を見た。

娘の部屋の前にソファーを持ってきて寝ただけだ。

監視は老メイドに任せた。

様態が悪くなればすぐに起こすように言ったが。発作は無いようだ。

10日は安静にして順番に身体を慣らせと言っておいた。

顔色は良い。

金貨500を貰えると思ったら。

白金貨一枚だった。何を言っているry

白金貨は1枚で金貨1000枚の価値を保障されている。だが貴族間とか、国同士の流通で、ソコラの店で使える物では無い。

もちろんそんな物を両替したら、すぐ足が付く。

どうすんだよ。

「金貨500と言ったはずだ。」

「もちろんです、これは。口止め料込みの報酬です。」

罰げーだろ、と思ったが言わない。

コイツ等、俺が換金したら捜索するつもりだな。

済ました顔の老メイドと女貴族、女従士。

苦々しく。受け取る。おう、500mlペットボトル以上の重さです。

「コレで仕事は終わりだ。町で会っても他人だぞ。」

「もちろんでございます。町の外れまでお送りします。」

馬車にの乗り、進む。おう、帰りの馬車の麩陰気で最悪です。

女従者が話す。

「お嬢様を助けて頂きありがとうございました。」

「仕事だ。あと赤銅に要らんコトを喋ると寿命が縮むぞと言って置いてくれ。アイツのせいで要らない大仕事だった。」

「はい、伝えておきます。」

郊外で馬車を降りる。

周囲に人影も無い。正直帰りに口封じで襲撃を受けると思っていたので。拍子抜けだ。

歩いて草陰に入る。

馬車が移動してから周囲を窺うが迎撃がない。

ほんとに、無事開放なのか?

俺の知っている貴族がそんなに優しいはずがない。

一時間待って何も無いので別の場所にポーンで移動して。

更にポーンで庭師小屋へ帰った。

その日は体調不良と言い張って一日中ゴロ寝してロリのコピー本(中巻)を読んで過ごした。

心臓が散らばる部屋の中で。

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― 新着の感想 ―
ロリのコピー本(中巻)を読んで過ごした。 ロリ系同人誌のコピー本と脳内で変換された自分はだいぶ病んでるなぁw そういえば、主人公って今何歳なんだろう……。
[気になる点] ココラ辺はシュミレーションどうりだ。 どおり 通り
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