181.婚約者1
校門前でロリと分かれる。
マルカは直に同級生の女子と挨拶をしてグループの中に入る。
良かったなマルカ…。
首輪を外す日も近いだろう。
奴隷ヒロインは卒業式に解放でヒロイン好感度の判定イベントだ。
正直。そんなモノを待たずに開放しても良い様な気もするが…。
コノ世界は女には辛い世界だ、あの世界の様な人を尊重する世界ではない。
あっと言う間に悪いヤツに捕まって奴隷にされてしまう様な世界だ…。
女、子供には過酷だ…。守ってやらなければ…。
まあ、無駄なお節介かもしれない。
俺はマルカを拾ったのだ。
最後まで…。彼女が俺を必要としないまでは…。
ロミオと言われないまでだ…。
校舎に消えるロリの背中を見届けると。
正直、ドコに行こう?
錬金術科は今日は授業無し。
高等魔法科は俺がイヤだ。
どうもハイソな連中とは話が合わない。
かと言って精霊召喚科に行くと超エロ重エルフが待っている。
学問の出番は無いだろう。
あっはんうっふんいやんばかの世界だ。
何を恐れる事がある?
俺はオットーフォンハイデッカーだ。
コレでも公爵家の男。
腕には自信が在る。
堂々と図書室でサボる。
図書室に肩を風切って進むと。
誰も居ない…?
まあ、良いだろう。
どうと言うコトは無い。
”写本室借りますオットー。”とカウンターに書置きを残して適当な部屋で資料を並べる。
まあ良いだろう。
部屋に入ると収納から白金を一枚取り出す。
1kgの白金延べ棒。
ですいず。パスポートサイズ!
「50に分かれよ!!」
はい、細かくなりました。
30個には仕舞って頂き。
20にミソッカス共に渡した強化治癒魔法の高効率版を書き込む。
Cリング型だ早い早い。
うむ、良い感じだ、コレなら。
前後方人畜無勝のエロフが出来上がるだろう。
前より後ろに瓶缶になった教授に重要な要素だ。
ぴぴる…。
まあ、良いだろう。
切れてもイボでも大丈夫。
患部に届いて優しく治癒のリングの出来上がりだ…。
炎症にも優しい。
抵抗力も免疫力も上がる。
出来上がったリングを検品していると。
外が騒がしい。
なんだ?
写本室に出ると。
カウンターで数人の男と女が言い争っている。
司書ちゃんが泣いている。
いや、泣いてない無いが困っている。
そうか…。ちょっとキレちまったよ!屋上に来いよ。
「学園の往来で、しかも図書室での言い争いはご法度でございます。何の理由でしょうか?お聞かせ願う。」
痩せた男が優雅でない雑音を立てる。
「ふぁっ外部のモンがチャチャ入れんァ!!コッロサレッエンクァ!」
良くわからんが弱そうな優男だ。
恐らく命のやり取りはしたことが無いのだろう。
俺の中の何かが酷く冷たくなる。
「申し訳ありませんが、ココは図書室です。お静かに。エレノア?コチラの方はお見知りおきか?」
「あの…。「ファッ俺のナヲンに!!キヤッスク喋ッンナ!!」お見合いの相手です。」
「ほう?では、返答をお聞かせ下さい。エレノア。返答次第でキミを守ろう。」
「あの。申し訳ありません。お断りします。」
深ぶかと頭を痩せた男に垂れるエレノア。
よし!!正義は我に在り!
「了解した、君の身柄は俺が保証しよう。」
「ファッ!?オレを誰だとおもっている!!オレのじいちゃんは前の国王だぞ!!」
「では、名を名乗れ!!我が名はオットー・フォン・ハイデッカー、男として貴殿に決闘を申し込む。エレノアを掛けて男の名誉だ!!剣を抜け。」
未だ剣は抜かないが見せる。
「ザッケンナ!!おめえなんぞ!!」
何故か一歩引く優男。引くなよ…。面白くないだろ?
「ぼっちゃん、ヤバイです、ハイデッカー家の三男です。」
替わりに後ろからチビの出っ歯が優男の袖を引く。
「ッファ!!舐められんな?負けるかこんなデブに!!」
「いや、そのデブはメッチャ、ヤバイデブです。一番ケンカ売ってはイカン人です。」
コイツ俺のコト知っているのか?それよりデブデブ言うなよ…。
大きく息を吸って静かに吐き出す。俺は骨太なダケだ。
「男は女を得るには力を示さなくてはいけない。ソレは金でも権力でも腕っ節でも良い。女を幸せに出来る力を見せろ!!ソレが男だ!!」
何故かビビル優男と出っ歯チビ。
ココでビビルなよ?
男義を見せよ。
女を守る根拠を示せ。
目の前の障害物を全て踏み潰すのだ…。
ソレが男だ。
その為には後ろから切り掛っても良い。
結果を残すのだ。
全の丹田に魔力を廻す。
筋肉繊維が全て脈動する。
震えるデブだ。体が盛り上がるのが解かる。
そうだ。男は女と名誉のために仕事をするのだ。
構えの姿勢なのに八卦良いしてこない。
「オッボエッテロ!」
の声を残して居なくなる優男。
「申し訳ございません。エレノア。少々…気に障りましたので口を出してしまいました…。」
「いえ…。ごめんなさい…。申し訳ありませんでした。」
頭を下げるエレノア。
涙を浮かべている。
俺の所為なのか?
「エレノア。申し訳ないが…。話を聞こう。力に成れるかもしれない。」
「はい、あの…。」
うむ、話を聞くと。
魔法が使える様になった司書ちゃんは家族に報告して。
その噂が駆け巡り、以前お断りされたお見合い相手がもう一度と言って来たと。
家の意向で御会いしたが。
残念な相手でコチラも断るつもりだった相手だ。
家を通して断ったが職場に詰め掛けて来たと言う話だ。
困った。王家の末席だ。
権力も在る…。
俺は名乗ってしまったので引くことも出来ない。
仕方ない。王国と戦争でもするか…。
王都を灰燼にして女共を攫って逃げれば良い。
ゲームクリアは出来ないが…。幸せな人生だろう。
直径20Km隕石一発でゲームオーバーだ。
きっとドコに落ちても高さ3000mの津波がこの惑星を三周するだろう。
先ずは相手の出方を探ろう。
「エレノアさん。俺は婚約者として決闘を申し込んだ、なので貴方に婚約を申し込む。」
何もないので取り合えずさっき作った指輪を出す。
「はい、受け入れます。」
涙を拭いて受け取る司書ちゃん。
コレで何とか成るだろう。
後は俺の前に立ちはだかるゴミ共を捻り潰すダケだ。
掛って来い!!
NPC共!!




