170.廊下にて
夕食でモミアゲーロールの顔とミソッカス共を見て思い出した。
そういえば今晩は一人で忍び猟をすると言ってしまっていた。
無駄だがブランが疑われると困る。
手早く食事を取り、アレックスに目で合図を送り食堂をでる。
アレックスのヤツ、イマイチ解かって居ない表情だったが…。
まあ、良いだろう。
部屋に戻り着替えた。
今回は本気モードなので顔に墨を斑に塗り。
偽装ネットも用意している。
草木を着けて偽装するのだ。
廊下を歩く寮生達がビビッている。
「オットー凄い格好だがドコに行くのだ?」
「おう、マルコ、昨日の続きだ、今回は本気だす。」
マルコを先頭にミソッカス共が揃っている。
どうやら食事が終わりサロンへ向かう所だ。
「一人で大丈夫?顔まで汚して。」
「大丈夫だフェルッポ。コレは視認しにくくするための偽装だ。生物は顔を見つけやすいソレを誤魔化すための変装だ。」
「なるほど…。」
「そんな理由が在るのか?」
納得する乳タイプ兄弟。
「オットーは何時もオカシナことする時は理由が在るんだね。」
「いやいや、アレックス、俺は何時もはおかしなコトはしていないだろう?」
何故かミソッカス共が首を振る。おかしいな…。
「アレックス、獣は無駄なコトはしないぞ。」
ジョンが誉めるのか貶すのか解からない返答をする。
俺は獣ではない。まあ、肯定しておく。
「そうだ、獣は理由が在って行動するのだ。その理由が人には解からないダケだ。」
偶に趣味で遊んでいる獣も居るが…。
「がんばってね、オットー。」
「気をつけろよオットー。」
「周りに迷惑を掛けるなよ?」
「間違って兵に捕まるなよ?」
「建物に向かって魔法使うなよ?死人がでるからな。」
「ああ、大丈夫だ、廊下の明かりが消えたら引き上げる。では、諸君、おやすみ。」
ダレも参加を申し出ない。
昨日の晩で懲りたのだろう。待伏せは忍耐が要るからな。
だから忍び猟なのだ。
ミソッカス共とは挨拶をして廊下で別れた。




