165.毒消しの草
朝の鍛練を終え部屋に戻り体を拭いて制服に着替える。
食堂で朝食を食べ。
学校をサボる。
午前中はブランを店に送ろう。
メイド姿のブランと共に青隠者姿で町を歩き。
エンリケの店に向かう。
未だ店は開いていないが扉を開ける。
「うむ、すまない。女将、居るか?」
奥からイレーネが出てきた。
相変わらず美しい。
「あら、オットー様、とブラン、どこ行ってたの?一緒だったの?」
何故か笑顔が冷たい。
なぜ解かる?
「すまないな。用事で呼び出した。トリーニアは居ないのか?」
「いま、届けに出かけています。オットー様お食事は?」
笑顔だが怖い。ブランは無表情だが耳と尻尾がしゅーんとなっている。
「未だ朝を食べたばかりだ。」
「そうですか…。未だ少ないですが薬草の買取品がございます。」
「なに?もう着たのか?」
「はい、間違いない様子です。ブランにも見てもらいました。」
「はい、ご主人間違いないです。」(パタパタ)
「昨日から未だ3組ほどですが…。8束買い取りました。」
「なるほど…。何か言っていたか?」
「いえ、でも、若い冒険者の方ばかりで、良い稼ぎになるので依頼主さんによろしくと。」
「なるほど…。」
売り出し中の冒険者か…。
まあ、ゲームでも薬草採取は初心者の仕事だからな…。
実際はかなり危険度が高いと思う。
Lv1で狼と出会えば即死だからな。
領地を持てば冒険者とのコネも必要になるのかもしれない。
今の俺はランクなしでは信用も無い。
何か方法を考えるか…。
「収納していますが出しますか?」
「よし受け取ろう。」
「はい。」
出てきた毒消しの草の束を受け取り収納する。
GUIには
”毒消しの草 12”
”毒消しの草(束)8”
だ、うん問題ない。
イレーネが眉間を揉んでいる。
「どうした?イレーネ。」
「いえ、ちょっと目眩が。」
収納、取り出しは魔力を使う。
そうか、イレーネには魔力が無いのか?
いや、全く無い訳では無いのだろうが、一般人ほどしかないのだ。
ベスタより少ないのでは?
娘のトリーニアはそこそこ魔力が有る様子だ。父親譲りかもしれない。
しかたない。
改造するか…。
「イレーネ。大丈夫か?ポーションが有るが使うか?恐らく魔力切れだ。」
「はい、大丈夫です。休めば問題ありません。」
「うむ、コレでは品物が増えると身体に障る。対処法があるが使うか?」
「対処法があるのですか?おねがいします。」
「そうか…。では奥へ…。」
イレーネの肩に手を置き奥に進む。
完成版の紋章をイレーネに施し動作試験を行なった。
ソレを見届けるブラン。
「お母様。凄い。」




