161.Ghost in the School IV(高脂血症機動隊)
さて、訓練が終わり。
寮に戻ると部屋で資料を整理する。
司書ちゃんタイプが2名、女だ。
「コレで5人目と…。」
明日で全員一通り回ったコトに成る。
その後、結果を集計してクラス分けをしよう。
あまり優劣を付けるのは良くないが…。
今は速く同じレベルの錬度にするのが先決だ。
速くミソッカス共と集団訓練まで持って行かなくては…。
手早く資料をまとめて早めに部屋を出てサロンに向かう。
サロンにはミソッカス共がテーブルの一つを占領している。
「やあ、アレックス。ご一緒して、よろしいかな。」
「ああ、もちろん良いよ、オットー。他の皆も良いだろう?」
「「「歓迎するよオットー。」」」
貴族同士の定型の挨拶だ。
席に座るとメイドが来てお茶とお菓子が並べられる。
この定型挨拶をやらないとメイドが来ないのだ。
「さてと…。裏庭の幽霊の件だが…。発言してもよろしいかな?」
「ああ、問題ないよオットー。」
「すまないな、アレックス。昼、アレから幽霊の目撃現場に行ったが、足跡を発見した。」
「足跡?幽霊の?」
驚くマルコ。
「ソレは解からん。女か子供のモノで素足だった。どうやら寮の周りをうろついて居る。」
「オットーそんな事解かるのか?」
「素足で何のために?」
「ああ、ジョン。俺の追跡術は猟師仕込だ、コレで森で鹿を獲った。カール。獲物の目的は不明だ。何か獲物の都合が有るのだろう。頻繁に同じ場所から進入と脱出を繰り返している。」
「凄いじゃんオットー。」
「まあな。」
「外部の者なのか?」
「マルコ、獲物は間違いなく学園の塀を越えて遣って来て帰っている。」
「何か目的なんだ?」
「ジョン。目的は不明だ。侵入者は単独の様子だが目立つコトをしている。囮か寮の誰かと連絡を取り合っているのかもしれない。」
「寮内に進入していないのか?」
「カール、少なくとも昨晩は建物に入っていない様子だ。誰かと立ち会っている様子も無い。遠くからサインを送り合っていれば解からないが足跡はあくまで一人だ。」
「どうするんだい?オットー?」
ニコニコ顔のアレックス。
「進入箇所は分かっている。ココ二、三日は同じ場所からの進入だ。昨日の目撃時間も分かっている。」
「それで?それで?」
何故か楽しげなフェルッポ。
「忍び猟をやる。」
「しのびりょう?」
「痕跡を見つけて立ち寄りそうな場所で待ち伏せして仕留める。」
「面白そうだね。」
「アレックス…。僕は付き合わないぞ?」
「マルコ行こうよ。面白そうだよ?」
「兄さん僕も行きたい。」
「オットー大丈夫なのか?」
「幽霊だろ?」
「いや、ジョン幽霊にしては随分と重い様子だ。まあ、女位の重さだろうな。鎧も着ていない。」
「バンシーだったら?」
「ジョンそれなら目撃者を襲っているハズだ。屋外で見たと言う者も居た。それに…。」
「それに?なんだ?」
「随分と動きがケダモノ臭い。」
「臭うのか?」
「いや、行動が、だ、人間ならもっと目的がある動きをする筈なんだ。」
「獣人か?」
「ライカンスロープ?」
警戒するジョンに何故か興奮するアレックス。
ライカンスロープはゲームで出てくるザコキャラだ。
オーガより弱い。
「足跡は汎人だ。変身前なら解からんが。」
「ライカンスロープは変身前でも重いはずだよ。」
「なら獲物は只の獣人だな。変装した汎人かもしれない。顔を隠さず来ているのなら魔法か道具で変装しているのだろう。」
「よし!!決まりだ、皆で捕まえよう。」
「アレックス、勝手に決めるな。」
「そうだぞアレックス、危険だぞ?」
「えー兄さん捕まえようよ。」
「おいおい、そんなモノ捕まえて何の意味が在るんだ?」
(ボソッ)「カール、本当に趣味で全裸で歩く女かもしれないぞ?」
「よし!捕まえよう!」
「そうだ、破廉恥なヤツはお仕置きだ。」
何故か意見を覆す乳タイプ兄弟。
そんなに女の裸が見たいのか…?見たいだろう。
意見がまとまったので決を取る。
そろそろ夕食の時間だ。
「まあ、そんなに時間は掛らない。目撃者の証言ではサロンが閉まる前に目撃しているので待ち伏せはソレまでだ。早めに夕飯を食べて中庭に集合だ。」
「「「アイ・アイ・サー!!」」」




