159.Ghost in the School II(高脂血症機動隊)
冷たい眼差しを受けながら廊下を歩く、
後ろからロリロリくっコロの冷たい視線が集っている。
ミソッカス共と合流する。
ロビンが居ない。逃げやがった…。
「遅いぞオットー。」
「すまんなマルコ。ちょっと後輩のトラブルで遅くなった」
「今日も食堂で良いよね?」
「ああ、問題ない。」
「そうだな。大盛りで行こうと思う。」
「じゃあ、決まりだね?」
ゾロゾロと貴族の一団が下級食堂に向かう。
何故か開くように道が出来る。
くっコロが食券を買いに走り。
何時ものように席に陣取る。
「オットー面白い話が有るんだ。」
「何だアレックス?幽霊の話か?」
「聞いたのかオットー。」
「馬鹿馬鹿しい。」
「えーでも寮の中にも出るんだろ?」
「弟よ誰かの勘違いだ。」
うきうきアレックスにうんざりジョン。
興味津々のフェルッポだ。
「窓の外の全裸の少女に姿の無い彷徨う足音。面白そうだよね?」
アレックスは新たな玩具を見つけた様な口ぶりだ。
「そんなモノ構うなよ。」
「カール。彷徨う足音は知らないが。窓の外の少女は実害が出ている。」
「え?何の?」
「フェルッポ。後輩の獣人の女生徒たちが要らぬ嫌疑を掛けられている。」
「え~。」
「なんだってそんなコトに…。」
「学園の周囲には結界が張られているらしい。幽霊と魔物は入ってこれないそうだ。」
「でも、物に憑いているタイプなら考えられるよ?」
「詳しいなフェルッポ。」
「え?えへへへ。」
「弟よ…。また物語の受け売りだな。」
「なるほど…。マルコ。そう馬鹿にした物でも無いぞ。なるほど呪いのアイテムか…。」
本とか在ったからなあ。悪魔本。
「うーんでも、物に憑いて来た者ならあまり遠くに行けないハズなんだけど。」
「そうか…。ソレもそうだな。」
「どうするんだい?オットー?」
「ああ、後輩達から事態を預かるコトに成った。何らかの答えが必要だ。食事が終わったら目撃現場を見に行こうと思っている。」
「オットー面白そうだね。僕も行くよ。」
「僕も行きたい。」
「アレックス。面白がっている場合ではないぞ?弟よ。卒業が掛っているんだぞ?」
「えー、でも卒業が大事だね。」
「マルコの言うとおりだ。」
「ふん、下らない。幽霊なぞ居るモノか!」
「カール。俺も居るとは思っていない。幽霊で無い場合の方が問題だ。」
「なんだと?オットー」
「バンシーだ。」
魔物図鑑に載っているゲームで出たモンスターだ。
白いフードに包まれた肌色多めの女型モンスター。
中盤の炭鉱ダンジョンで出る強い敵だ、後半はザコ敵だ。
「魔物か?王都で?」
「比較的強力な魔物なら結界の程度により…だな。」
途端に真剣な表情になる乳タイプ兄弟。
マルコが感心している。
「学園の結界が効かないほどの魔物か…。」
「さあな?まあ、外部の者かも知れないし。趣味で出歩いている者かも知れない。」
「趣味って…?」
「そういう趣味の者だ…。」
「女が…。全裸でか?」
「女とは限らない。姿を消す魔法と姿を変える魔道具は存在する。」
「男が…。女に化けて全裸で外をうろついている?」
嫌毛な表情のジョン。
俺は目撃者が女だけだったら迷わず”腕輪”買ったヤツを探すが…。
「なんだってそんなコトを…。」
「秘密のアイテムを手に入れたら誰だって使ってみたいものだ。ソレが下らない物でもな。」
「悪戯が過ぎるだろう…。」
「そうだ、魔法かもしれないが。これだけ騒ぎになって辞めないということは、ばれない自信が有るか、状況を楽しんでいるヤツかどちらかだ。」
「オットーどうするんだい?」
「アレックス、簡単だ。見つけて止めさせる。見つかれば止めるだろう、犯人探しはしないが止めさせるダケだ。」
「オットーもし、本当に幽霊かバンシーだったら?」
「それなら簡単だ、倒せば良い。」
「バンシー倒せるのか?」
「熊より強いだろ…?上位の魔物だぞ。」
驚く乳タイプ兄弟。
おかしいなあ。Lv40で鼻歌で勝てるだろ?
俺のレベルは今どれ位なんだろう?
GUIには出てこないから不明だが多分Lv30は突破しているはずだ。
Lv90のメテオストライクが使えるが…。
魔物をあまり倒していないから経験値不足かもしれない。
ドコかで経験値を稼ぐか…。
「そうすると…。寮の廊下の足音も…。」
「マルコ、そうかもしれん、誰か魔法の練習をしているのかもしれない。」
”廊下の足音”は外道照身霊破光線を当てれば”汝の正体みたり!エ口フ!!”で終わりそうだからな。
いや、たぶん高確率でそうだろう。
後でエ口フに言っておこう。




