158.Ghost in the School I(高脂血症機動隊)
さて、昼が近くなってきた。
ミソッカス共と合流して昼飯だな。
「そんなこと無いんだ!本当に見たんだコノ目で!!」
廊下が騒がしい。
人だかりが出来ている。
おい、通行の邪魔だろう?
廊下には見知った少年少女たちが集っている。
ウサミミっ娘も居る。
何故か白銀系の女子が固まっている。
全員、基本科クラスの連中だ。
「おいおい、騒がしいな。何の騒ぎだ?天下の学園の往来だぞ?」
「あ、オットー様。」
エミリーだ。胸に拳を充て頭を下げる。
マルカも居る、その場でお辞儀する。
つられてその場の半数以上の少年少女が姿勢を正し頭を下げる。
頭を下げない騒がし少年はその場で焦っている。
「あ、あの、え。」
ああ思い出した、級友の弟だ。
名前は忘れた。
「おお、少年、久し振りだな。仲良くしているか?」
「はい!失礼の無い様、紳士としての行動に心掛けています!!」
直立不動になる少年。
コイツは我がクランに居なかったハズだ。
「そうか、ソレは良かった。しかし、コレは何の騒ぎだ?」
マルカとベスタに尋ねる。
唾を飲み脂汗を出す少年。
コレはウソを言っている顔だ…。(しかし、ドコがウソなのかは解からない。)
エミリーが答える。
「はい、あの、モーガン君が昨晩、寮の窓から幽霊を見たと。」
「ぐっ、俺は、ヘッセン男爵次男だぞ!なれなれし「そうか、仲が良さそうで良かった。」はい。モーガンと御呼び下さい。」
そうか。コイツはモーガンか…。あの貴族なのに反骨精神旺盛な若者だ。
きっと自分の手で未来を築くであろう。
片膝を付いて頭を垂れるモーガン。
「では、モーガン、その幽霊の話を聞かせてくれ。」
「はい、昨晩、食後のサロンでのお茶会が終わった後部屋に戻ろうと廊下を歩いていた時。窓の外を見ると校庭の片隅に白い髪の獣人の女が全裸で立っていたんです。」
「ほうほう、ソレは凄いな俺も見たかった…。」
何故か全ての女子の冷たい視線が俺に集る。
「驚いて凝視しているとそのまま闇に隠れて消えました。」
「ソレは間違いないのか?」
「はい!しっかりコノ目で見ました。間違いありません!!」
そうか…DTっポイ、モーガンがガン見したなら間違いないだろう。
「で?この騒ぎはなんだ?」
「はい、学園は結界魔法で守られている為、外部から魔物やゴーストは入ってこれない。そうなると内部の者が全裸で歩いているしかない!!」
「なるほど、ソレはすばらしい推理だ。」
「はい、だから。学園の寮住まいで白髪の女性を問い詰めて居る所です!オットー様止めないで下さい!!配下の者が絨毯の掃除をさせられた雪辱を晴らす為です!!」
「絨毯?」
「い、いえ。漏らしてませんが汚しました。」
「そうか…。漏らすぐらいは仕方ないぞ?ゲロなら喰わせるが。」
”やっべ、マジモンだよハイデッカー…。”
「誰か何か言ったか?」
何故か全員が目を逸らす。
恐怖で大小便を漏らす程度のコトで文句は言わない。
しかしゲロはダメだ。
ゲロを吐いたら喰わせる。コレは家訓だ、親父からも言われた。
気管に入ると炎症を起こすからな。
「あの…。昨日は全員外出していないコトも確認しています。ココに居る者は全員、部屋か湯浴みに居たコトも証言が取れています。」
話す10番の金髪ショート。
この世界の女は風呂好きだ。
いや、王国だけの文化かもしれない。
学園の女子寮には大衆浴場がある。
件の”女物の腕輪”で突撃するエルドラドだ。
女はハダカでは奴隷も王族も貴族も無い。
あの時、腕輪を買っておけば…。
「ふむ。モーガン?何故、獣人だと判断した?」
「はい、頭部に獣耳のシルエットと闇に消える時の流れる尻尾をコノ目で見ました!!」
「なるほど…。」
腕を組み顎に手を当て考える。
こいつ、ケツまでガン見していたのか…。
不安げなウサミミっ娘を見る。
なるほど、尻尾の特徴が在るなら簡単だ。
ウサギを捕まえ尻を見せる。
「お前の見たのはこの尻尾か?」
ぺろんとした尻に何故か全員の顔が赤くなる。
「い、い、いえ!!もっと長いモノでした!!」
「ほら、次の尻…。」
何故か全ての少女の攻撃を受けるが大丈夫。痛くない。
「申し訳ありませんでした!!オットー・フォン・ハイデッカー様、私の早とちりでした!!」
頭を垂れるモーガン君。
「ふむ、解かった!この争いは全て俺が預かる。良いな?」
「「「はい!!」」」
コノ場は納まったが困ったコトに成った。
どうやら幽霊騒ぎはマスゴミのデマではない様子だ。
二、三人の首を切ったら終わりでは無いのだ。
困った、ダレの首を用意しよう。




