154.魔石と魔道具2
「ハイ上手く行きましたね。では次はこの装置を使います。」
デカイ鍋蓋の様な銅版を取り出す。
魔石12個使用の豪華、司書ちゃん用魔力変換ベルトだ。
試作なので大きいのは仕方ない。
「コレはお腹に装着します。後ろで布を結んで下さい。金属部が前です、中心がお臍に来るように装着します。」
鉢がねを外しベルトを装着する司書ちゃん。
「あの、この道具はお腹が冷えます。」
「なるほど…。ソレは考えていませんでした…。次回は改良します。」
うーんたしかにそうだな…。
「はい、おねがいします。」
「では、お腹に魔力が在ると分かるはずですが…。」
「はい感じます。」
「では目の前の目標に向かって。ウォーターボールを繰り返し打って下さい。」
「はい!”ウォーターボール””ウォーターボール””ウォーター…”」
水玉連射する司書ちゃん、うむ、弾幕濃いな。
コレなら何時も薄い左舷も安心だ。
繰り返しているので徐々にウォーターボールの精度が上がってくる。
司書ちゃん…。恐ろしい子…。
司書ちゃん用魔力変換ベルトは元々オーバースペックで作ったので魔力切れが起きない。
もうそろそろ良いか?
「では中止して下さい。体調に変化はありますか?疲れていませんか?」
「特に有りません。コレで私も魔法使いですね?」
息が上がっているが嬉しそうな司書ちゃん。
「そうですね…。未だ改良すべき所は多いですが。基本性能はコレで行けると思います。では少し休憩してから…。”ファイヤーボール”をやってみましょう。」
「はい、わかりました。」
呼吸を整えている。
司書ちゃんの深呼吸でブラウスのシワが横に走るのを横から横目でガン見する。
スパシーバ!!ナイスフラッシュ!!(もちろん顔には出さない。)
「行きます!!”ファイヤーボール”」
うん、よく通る可愛い声だ!!ペロペロしたい。
いや、危なげに成功した。
「はい、お見事です。連射でおねがいします。」
「はい!”ファイヤーボール””ファイやっ”ゴホ”ファイヤーボール””ファイヤー…”」
うん途中むせて失敗したがどうと言うコトはない。
魔力変換は追いついている。
コレを鉢がねと併用すればもっと小型化できるのでは…。
いやソレだと大規模な魔法を使う時に足りなくなる。
司書ちゃんは今、魔力が無尽蔵に出る状態だ。
一般の魔法使いに応用すれば…。魔法砲台に成るな…。
ただ、パターンを合わせて個々に記述生産を行なう。
コレは難しい…。大量生産が出来ない…。
ベルトにアタッチメントを付けて…。
自分の記述を装着すれば…。
いや、汎用性を持たせて…。
個々の特殊装置を増設出来る様に…。
何故かバッタのお面を被った怪人がポーズを取っている情景が…。
「あの。何時までやるんですか?」
「ふぁ?ああ、申し訳ありません。お身体には異常は在りませんか?」
「はい、大丈夫です。」
息が上がっている司書ちゃん。
目標の鉄杭が溶けて曲がっている。
流石に耐えられなかったか…。
うん?今何か思い出したが…。まあ良いだろう…。
取り合えずコレは性能的に問題は無い。
コレを元に作ろう…。
「はい、では終了します。実験は成功です。」
「あの~、このベルトが在れば私は魔法使いなんですね?」
「はい、そうです、未だ試作ですが性能は問題ありません。魔法の呪文を覚えればどんな魔法も出来るはずです。装置を外してください。」
「え?あ、はい。」
何となくゆっくりベルトを外す司書ちゃん。
「では、コチラに。」
受け取るが手を放さない司書ちゃん。
ちょっと拗ねてる?
「コレを元にもっと実用的な大きさに改良します。安全で高性能なモノを目指すのでご安心下さい。」
安堵の表情で手を放す司書ちゃん…。
「はい、わかりました。」
「コレで今日は終了ですが又、試作が出来たら実験をお願いします。」
「はい、期待していますよ。」
笑顔の司書ちゃん、ほっぺたプニプニしたい。




