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149.修羅場 その2

「フラン先生こんな夜更けに何の御用事ですか?」

「ふっふ~ん。イネス来てるでしょ?」

笑顔で返すフラン先生。

表情レイヤーに青筋が立っている。

俺の死亡フラグもビンビンだ。

「なぜ来ていると?」

「職員寮に帰るのを見たのに、部屋に居なかったし。」

「ほほう。」

なるほど、よく食事するというのは部屋呑みなのか?

「むっ、イネスの臭いがする。」

笑顔でフンフンするフラン先生。

笑顔だが何故か怖い。

「どんな匂いですか?」

「カビの生えた本の…。」

「私はカビ臭くありません!」

いつの間にか後ろに立つエロフ。

エロフが笑顔で答えるが、口元が引きつっている。

「ああ、教授、騒ぎに成るので中でお話を。」

イカン、こんな所で痴話喧嘩では、俺が学園の有名人になってしまう。

「は~い、こんばんわ~、おっじゃまっしま~す。」

「どうぞ、お席へ。」

「は~い。」

「イネス教授もどうぞ。」

「はい。」

イネス教授は不機嫌そうだが、フラン先生はニコニコしている。

が、何故か麩陰気でさいあく…。


教授達を席に付かせると新たにキャビネットからフラン先生分のグラスを取り出し氷を落とす。

それぞれの空に成ったグラスに注ぐ。

「はい、かんぱーい。」

「「かんぱーい」」

フラン先生の音頭でグラスを傾ける。

おかしい味がしないぞこの酒。

「イネスは何しにココに来たの?」

笑顔で質問するフラン先生。

「私はオットー様に頼まれモノが在ったので届けに来たのです。」

にこやかに答えるイネス教授。

「ふーん。」

「フランこそココに何をしに?」

「イネスの部屋を訪ねたけど居なかったからココにいるのでは?と思ったの。」

「あら、では別にオットー様に御用が在る訳では無いのですね?」

「イネス、貴女に用が在るのよ。」

「あら?私に?フフフフ。」

「そうよ、貴女にフフフフ。」

にこやかに笑いあう女達。(表面上)

良かったケンカに成りそうに無い。

ココは何とか上手く納めよう。

「では、イネス教授。その壷が以前、頼んでいた。トライバルの顔料ですね。」

「はい、オットー様。何時か子供が生まれた時の為に用意していたものです。」

「げっ、何時の材料なの?」

ツッコミを入れるフランににこやかな引きつった笑みを送るイネス。

「イネス教授。その…」

「イネスとおよび下さい。」

「イネス、その…」

「フッ。」「ケッ」

勝ち誇った顔のエロフとやさぐれた顔のエロ姫。

深くタメ息を付く。

イカンな俺の女達は仲良くなければ…。

「コレはどうやって使うのだ?」

「はい、オットー様、紋章を書いて固定の魔法を使えば定着します。その前ならクリーンを使って消すことが出来ますが。一度固定すると一生消えません。」

なるほど。

「そうか…ソレは困ったな…。イネス教授ありがとうございました。コノお礼は何らかの形で必ずお返しします。」

「へ?」

「え?あの?」

教授たちが鳩が豆鉄砲食らった様な顔をしている。

「申し訳ありません。解析は終わっていますが応用が出来ていません。」

「え?あの。私に与えてくれるのでは無いのですか?」

食い下がるエロフ。

「はい、イネス教授、実は今の解析で追記すると俺専用になってしまいます。」

「え?じゃあ。アタシは?どうなるの?」

手を上げて質問するフラン先生。

「フラン先生は汎人の寿命なので問題は無いと思います。」

「あの。オットー様どういうことですか?」

「イネス教授のエルフの紋章に追記する場合。消すコトが出来ないので一生、俺の子供しか生めません。」

何せ雄の固有パターンを選択する魔法だからな。

母体に直接書き込むと俺のパターン専用に成ってしまう。

「え?別に良いですが?」

「いえ、俺が死んだ後に良い人と出会っても子供が望めません。」

「え~!!」

絶望の表情になるエロフ。

「あの、アタシ、アタシなら、オットー君の子供なら産めるの?」

手を上げアピールしながら質問するフラン先生。

「汎人用の紋章は出来上がってますが。未だ実験が済んでないので危険です。」

「はい!!アタシ、実験に志願します!!」

手を上げアピールが激しいフラン先生。

「いえ、フラン先生、設定値が未だ不明なので下手をすると初産でいきなり5人とか生まれます。」

「えー。」

よし。良いぞ引いている。

実際、俺も正気に戻った後、見て引いた。

悪魔め、俺の子を尖兵に使う気だったんだな。

絶対に滅ぼす。

「あの、私では?」

「ああ、エルフの紋章には多産を妨害する記述が有りました。多くても2人までの様子です。」

「え?ああ、なるほど。そうだったんですか…。」

何故か納得するエロフ。

「何か心当たりが?」

「え?いえ、エルフの歴史では双子以上は生まれたコトが無いのですが最近は三つ子や四つ子が生まれた話を聞くので。」

「なるほど、紋章なしならエルフも人も寿命以外はそうは変わりません。魔法使いで無ければ。」

「解かりました。」

納得するエルフ。

まあ、汎人と妖精族エルフでは寿命が違いすぎる。

特に前の旦那と死に別れた経験を持つのならなおさらだ。

「数年で消える顔料が在れば良いのですが…。」

「え?」

「いえ、汎人には効果が強いので一生背負うのには体に負担が掛りすぎます。」

「あの、配合が悪いと数十年で消えるモノが出来るのですが…。」

「ほう、イネス教授、詳しく。」

「配合を教えてもらったおばば様の話では一部の材料が足りないと30年で薄くなって50年程で完全に消えるそうです。」

「ソレは…。」

不良品なのか?まあ、精霊魔法が主力のエルフでは致命的か?

「効果は変わらないからその時まで解からない。気を付けて配合せよとキツく戒められました。」

「その、不良品を作るコトは出来ますか?」

「ざ、材料が揃えば。」

「揃いますか?」

「王都で売っている場所を知っています。」

何となくエルフ婆の呪いの魔法店を思いだした。

あの店なら置いてあるかもしれない。

「ではイネス教授、ソレを作ってください。お金は用意します。」

「はい、解かりました、足りない材料は多くありません。お金はソレほど掛らないハズです。」

「はい!はい!!アタシ、アタシは何すれば良いの!!志願します!!」

役に立ちたいアピールをするフラン先生。

「当面は解析した紋章の調整ですね、魔力強化と身体の強化の紋章は出来上がっている状態です。」

「それ!下さい!!」

ズビシッとポーズを取るフラン先生。

相変わらず変なポーズだ。

「いや、出産には関係…。無いわけでは無いのですが…。」

「アタシ、魔力量が少なくて宮廷魔術師諦めたの!!笑ったヤツを見返せるわ!!」

鼻息が荒くなるフラン先生、そういう目的の物では無いのだが…。

「いやいや、元々出産に係る紋章はお腹の子の成長を魔力で補佐、修整する働きです、その魔力を補う為の紋章です。」

「え?オットー様そうなのですか?」

「はい、イネス教授。母体の保護も行なう為に大量の魔力を消費しています。妊娠初期の魔力切れは母体にも子供にも悪影響が出る様子です。」

「なるほど…。そうでしたか…。言い伝えに心当たりがあります。」

「女性エルフの紋章では総量が足りない気がします。何らかの補佐を行なうのでは?」

「里では母になるエルフは結界を作り神殿としてお祈りを捧げるコトに成っています。」

「う~ん。」

はやり総量が足りないのか…。

何らかの魔術の儀式で補っていたか…。

追記して増やす方法を考えるしかない。恐らく記述が多くなる。

フラン先生を見る、頂戴ポーズのまま固まっている。

声を掛けろと言うことか…。

「あの、フラン先生?」

「一生、オットーの子供産むからアタシを実験台にして!!ホント!マジで!もう後が無いの!!強い子が欲しいの!!」

フラン先生は高齢出産マルコウマークを押されるのは屈辱らしい。

超高齢出産スーパーマルコウマークのイネス教授も潤んだ目で見ている。

そんなに子供ほしいのか?

「実験は辛いですよ?」

「いいわ!子供の為だもん。」

「あの、子供が産めるのなら…。我が人生の全てをオットー様に尽くします。」

続くエロフ。

「では、今日は一部だけを記述します。身体強化と魔力の強化を行なう記述だ。イネス。紋章の一部を書き換える。もう後戻りは出来んぞ?」

「はい、わかりました。」

「やったー!!」

傅くエロフに飛び跳ねるエロ姫。

「では、服を脱いでベッドに…フランは仰向けに、イネスはうつ伏せに寝てください。」

「「はい」」

いそいそと服を脱ぐ。

流石エロ姫、脱いだ服を畳まない。

シワにならない様に服を拾い椅子に引っ掛ける

キングサイズベッドに横たわる二人は顔を向き合い。

手を繋いでいる。

壷の顔料を筆に染みこませ平らな胸のキャンパスに書き込む。

「ふふふっ、くすぐったい。」

「フラン、スグに終わりますよ。動かないで。」

胸と臍周りの一部だけの記述だ、ソレほど時間は掛らない。

悪魔とエルフのハイブリット紋章だ。

記述は俺のオリジナル…。いや、ニーモニック言語を図形化して条件分岐した物だ。

フローチャートに近い。

悪魔とエルフの紋章に親和性が在る様に目指したので仕方が無い。

「イネス、コレは身体強化と魔力強化の補強魔法だ。」

イネスの背筋と尾骨辺りに紋章を追加する。

コレで地主には成らない。緩むことも無い。

かなり無茶なコトをしてもOKだ。

「さて、最後の確認だ、今なら止められる、良いか?フラン、イネス、俺のモノに成るか?」

「「はい」」

フランとイネスがベッドの上で見つめ合い手を握っている。

女同士のプライドが在るからココで怖気付くことは無いだろう。

フランの臍に左手をイネスの背中に右手を置き固定の魔法を掛ける。

魔力的に紋章が光り肌に固定された。

「今日はココまで。」

「「はい」」

何故か微笑みあう教授。


よっし!!ココからが本番だ!!

「続けて動作確認をしたいのですが、よろしいですか?」

「え?」

「動作…。確認…。」

驚いた表情の教授達。

「はい!!」

笑顔で俺のタマラン心棒を示す。

顔が耳まで赤く成る魔女達。

「ぁ、はぃ。」

「ど、どうぞ…。」


サンド魔女ウィッチ!ウマー!!

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