148.奇襲
クッキーを収納してサロンで別れ。
部屋に戻ってきた。
メイドさんずはラフな格好をしている。
「さあ、今日はもう休むか。」
「「はい」」
就寝のため着替え身を清めていると。
ドアがノックされる音がした。
ダレだよこんな夜更けに…。
ナイフをナイトガウンの懐に隠し。
ドアに向かう。
GUIの光点は一つだ。
襲撃者ではない様子だ。
というかこの反応はイネス教授だろう。
隠蔽の魔法を使っている様子だ。
片眼鏡を装着する。
はたして隠蔽の魔法は見破れるか?
ドアを開くと。
ソコには何も無い廊下が…。
いや、青色にイネス教授の姿が見える。
両手で大事に壷を抱えている。
少し嬉しそうな表情をしている。
「どうぞ。イネス教授。」
中に招く。
ドアを潜ったコトを見届けドアを閉める。
「オットー様。そのメガネ、カッコイイですね。」
姿を現すイネス教授。
相変わらず…。いや、昨日よりキワドイ服になっている。
様な気がする…。肌色が…。透けて。
「はい、イネス教授に奇襲を受けるのが癪なので作りました、隠蔽魔法を見破る道具です。」
「えっ。」
驚くイネス教授。
「さあ、こんな所で立ち話も何です。テーブルへどうぞ。」
「は、はい。」
テーブルにエスコートする。
イネス教授はテーブルの上に壷を置く。
ラフな格好のマルカがお茶を用意しようとするが静止する。
マルカとベスタには部屋に下がるよう合図をする。
一礼して下がるメイドさんず。
二つのグラスをキャビネットから取り出し、丸い氷を魔法で作り落とす。
乾いた音が部屋に響く。
親父の毒霧の元を注ぐ。
くっ、ベスタのヤツ半分呑みやがった。
割れる氷の音を放つグラスを教授に渡す。
「イネス教授。」
「イネスと呼んでください。」
「イネス、今日は何の御用で?」
意地悪そうな笑顔で質問する。
軽くグラスを煽る。
うん、旨い。
「うふふふ。約束のモノが出来ました。」
微笑みながらグラスを廻して一口煽るエロフ。
「随分と早いですね。」
「ええ、待ちきれないので。」
「そうですか…。今日、この後のご予定は?」
「もう、寝るだけですよ。フフフ。」
「そうですか…。」
なんか怖いなエロフ。いや、俺のせいだけどさあ、違うそうじゃない、悪魔に支配された俺のせいなんだ。
俺が…。まあ、いっか。
「それでは。」
俺がグラスを空にすると。
エロフも空にした。
見つめ合うエロフと俺。
エロフの髪に触れようと手を伸ばす。
ソレを中断するドアのノック音。
良いところを中断された。
メイドさんずは下がっているので俺が出るしかない。
「はい」
ドアに向かう。
GUI光点はドアの向うに一人だけだ。
嫌な予感がする。
片眼鏡を付けたままドアを開く。
ソコには姿を隠していない教授コートを着た。
「フラン先生…。」
「きちゃた~♪」
いや、可愛く言っても怖いから。




