147.仕事の条件
(´・ω・`)新年度!!(エイプリルフールねたを仕込もうとしたが力が及ばなかった…。)
当たり障りの無い食事が終わり。
アレックスにサロンに誘われる。
まあ良いだろう。
サロンのテーブルの一つを占領した。
「さて、ゆっくり話すのは久しぶりだね。」
アレックスが口火を切る。
まあ、アレックスは進路のコトで週末実家に帰っていたからな。
「そうだね。どうだったの?」
「アレックス、首尾はどうだった?」
フェンデリック兄弟は笑顔で質問する。
まあ、アレックスの表情で結果は受け入れられるモノには成ったと予想される。
単純に家族に説得されて納得しただけかもしれないが。
「フッフン、父上が許可してくれたんだ。紹介状も書いてくれるって。」
うざい前髪を触りながら得意げに報告するアレックス…。殴りてぇ。
「それは良かったな。」
「おめでとうアレックス。」
「アレックスは王立近衛兵団か…。」
「簡単に会えなくなるな。」
皆が拍手で迎える。
ニコニコ(ドヤ)顔のアレックス。
おかしいな、ソンナに簡単に家族が許可するのか?
死亡フラグがビンビンなのに。
紹介状まで…。
「ソレは良かったなアレックス、おめでとう。出来すぎている様な気がするが…。何か条件を付けられて無いか?」
驚くアレックス。
「よく解かったね、オットー。今年度、卒業したらって条件なんだ。出来なかったら領地で代官やれって。”仕事も家も嫁も用意するから。”って言うんだ。」
全員頭を抱える。
家には半年毎に成績表が送られる。
家族はアレックスの成績を良く知っているはずだ。
性格も把握している様子だ。
軍人には向いてないと…。
だが、こんな条件は普通は付けない。
意外に庶子の子なのに可愛がられているのかも知れない。
「アレックス…、卒業できるのか?」
マルコが心配そうにたずねる。
「紹介状が有っても入団試験は受けなくちゃ成らないだろう?」
「ジョン。入団申込みって何時までだ?」
「さあ?どうだったか…。年明けか?」
「たしか。購買に張り紙が有ったケド…。ごめん僕覚えてない。」
ミソッカス共は親身に問いただすが、まるで他人事のような素振りで答えるアレックス。
「大丈夫だよ、マルコ。座学の単位は有り余るほど取ってる。実技ダケさ。オットーが何とかしてくれる。」
おお、アレックスしんでしまうとはなさけない。
自分で死亡フラグ立てるなよ。
「アレックスおめでとう、仕事も家も嫁も用意されてるなら一生安泰だな。」
「いや、いや、たすけてよオットー。僕、王立近衛兵団に入ってモテモテに成るんだ。」
何でこんなに成るまで放って置いたんだ?
地雷原でダンスするぐらい死亡フラグが立っている。
「ジョン、マルコ。素行の悪い者は王立近衛兵団に入れるのか?」
「オットー、聞くなよ。王族の子弟が居るんだ。オカシナのは入れない。」
「特に悪い虫に成りそうなヤツはな。」
付け加えるジョン。
なるほど、それはそうだ。
「だ、そうだ。アレックス。止めとけ。領地でゆっくり生活しろ。」
説得するが、焦るアレックス。
「オットー頼むよ。田舎で一生、木を数える仕事なんて嫌だよ。」
アレックスはチマチマした仕事が得意だ。
意外に合っていると思うのだが…。
「まあ、良いだろう。魔法の修練は手伝ってやる。体も鍛えてやる。だが、卒業するのはアレックス。お前の力だ。」
単純に喜ぶアレックス。
「ありがとう!オットー。頼りになる。」
いやいや軍人を目指すなら自分の力で何とかしろよ。
心の中で突っ込む。
「たしか…。トーナメントの上位者は入団資格がもらえるはずだよね?」
空気を読まないフェルッポの発言。
「そうだね…。トーナメントが上位なら…。」
目が輝くアレックス。
フェルッポ、アレックスがウザくなるから燃料を投下するな。
「おいおい、アレックス。トーナメントを舐めるな。怪我して卒業できなくなるぞ?」
流石カール、良いアドバイスだ。
怪我して卒業できなければ御家族も安心するだろう。
「大丈夫だよ、カール、前に良い所まで行ったんだ。前より強くなってる。絶対上位に食い込んでみせる。」
出世欲に駆られるアレックス、なんてウザいんだ…。
「そうか…。死ぬなよアレックス。」
一応忠告はしておく。
「そうと決まればさっそく、明日の昼過ぎにトーナメントの申込みに行こう。マルコ、一緒に出よう。」
めずらしく、アレックスがヤル気を出している。
だが、マルコを巻き込むな。
「え?僕もか?」
「マルコも軍に入るんだろ?一緒に上位目指そうよ?」
「いや、まあ、出ても良いが…。」
あまり嫌な顔をしないマルコ。
どうやら朝錬で自分が強くなったコトを自覚したらしい。
試す場所が欲しいのだろう。
男ならば自分の力をな…。
”うっ、今度のトーナメントは碌なコトに成らないぞ。”
うるさいぞジョン




